和歌山から戻ってきましたが、しばらくは夏期集中講座の振り返りブログになります。
今回は観光プロディース論ですが、かなりマーケティングの話が入ります。
地方を自分のお店、宿に置き換えると参考になる話が満載でした。
おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
ビッグデータよりも顧客情報が大切!!
RESASやWebのビッグデータはトレンドの把握にはなるが、地域のニーズやウオンツを取ることはできない。
山田桂一郎先生のマーケティング講義で最初にこと言葉を聞いた時、びっくりしました。
RESAS(リーサス)「地域経済分析システム」とは産業構造や人口動態、人の流れなどに関する“ビッグデータ”を集約し、可視化するシステムのことで、「地方再生を可視化させるシステム」とも言われています。
例えば豊岡市の場合、
「豊岡鞄」のブランド力再構築と海外展開促進
※PDFが開きます
と言う観点からデータ収集をされています。
確かにこちらを確認する限り、トレンドデータであって具体的なマーケティングのKPI(重要業績評価指標)にはならない指標であることがわかります。
ビッグデータの中でも役立ち度合いの高いデータとは、どんな消費者が実際にどこで何を見て楽しみ、何を購入しているかがわかる内容のものです。
例えば、コンビニのPOSデータなどは会員カードをつくることで、性別、年齢が把握できている人がどこでどんな商品を購入しているかわかりますし、行動範囲もわかります。
例えば、観光地のコンビニをよく活用している人、出張の多い人が何を購入しているか、そういった人には何を準備しておくと喜ばれるかといったデータも把握できます。
あのようなデータが欲しいわけです。
顧客データを制する者がマーケティングを制す
昨日のブログで、DMOの役割について、データを収集し、分析するお話をしました。
その具体的事例のお話にもなります。
スイスツェルマットでは、観光局が宿泊しているお客様全てのデータを管理しているそうです。なので、町として個々のお客様が何度目の来訪かを把握できている。
毎回宿泊するホテルが異なっても、来訪が20回目のロイヤル顧客を表彰し、滞在中は胸に金バッチをつけ、どこのどんなお店に入っても優遇される仕組みづくりができているそうです。
もちろん、日本では個人情報保護法の問題があるため、このやり方はできません。その代わりに必要となるデータを集める仕組みを作っているのが「気仙沼クルーカード」だったり、「北海道伊達市の伊達まちカード」のような地域ポイントカードの導入です。
Tポイントカードや楽天ポイントカードはこういった顧客の具体的な動向まで測ることのできるデータを集積できるのですが、データを購入しなければなりませんし、自前で集めたデータに対し、アンケートを併用することでより顧客動向に近い情報を得ることができます。
個人の事業でも同様
宿泊施設の場合、大きな強みがあります。
予約の際、あるいは宿泊の際、お客様から住所や氏名、E-mailという情報を得ることができます。
例えば私は過去3年で2度以上お越しいただいたお客様に年に2回、ニュースレターを郵送しています。
メールアドレスが得られれば、メールマガジンを配信できます。
また、顧客データが明確ならば、地域別に郵送、配信する。過去の宿泊履歴から回数や時期に応じて違った内容のものを送ることも可能です。
その際、大切になってくるのは「顧客情報」です。
マーケティングとは売れる仕組み作りでならなければなりません。
お客様の属性にあった情報をお届けすることで、CLTV(カスタマーライフタイムバリュー)を高めなければなりません。
地域でも事業者でも同じです。自分の地域、お店を気にいって下さっている属性のお客様に喜んでいただく情報をお届けすることで、お互いが気持ちよく遊び、接客できるwin-winな缶液性の経済循環を作る。
これはターゲティングというよりもセグメントとポジショニングのお話になります。
どんなお客様が自分の住む地域、あるいはお店を好き。それを提供できる内容ごとにセグメントする。その中で他地域や他店との違いをポジショニングして行く。
インバウンドを例にとるとわかりやすいです。
うちの地域は(うちの宿は)どこどこの国の人を中心に集客しよう
これはターゲティングです。
こういった属性の人を中心に集客しよう(例えば、50代カップルで1泊お一人様1万5千円~2万円前後の宿に泊まるお客様、いらっしゃる時期はいついつで、こういったアクティビティを毎回されている等)、そんなお客様に喜んでいただけるポジションをとる、といった感じです。
ちなみに私、この秋に宿のフロント会計をファイルメーカーに連動したものに切り替えました。
普段請求書を作る中で、顧客名簿のリストがどんどんたまってきます。そのデータを地域別、年齢別、リピート回数別、時期別等、分類や分析ができるようにしたのです。
冬の繁忙期、過去3年に2度以上お越しのお客様
といったような絞り込みを行い、そのお客様にだけダイレクトメールをお送りするということができます。
えっ?!システムはどれぐらいかですって???
決して安くはありませんが、IT補助金を活用して半額で導入しました。
フロント会計システムはレジ機能の省力化に活用すると思っている方が多いかもしれませんが、実際には日々蓄積されるデータを分析することで、自社のポジショニングを明確にするために活用するのが一番の目的です。
顧客名簿をそろえ、お客様の声をアンケートで集める。
これって宿泊施設ならば宿泊台帳とクチコミでまかなうことができます。
一般のお店でも、顧客リストとクチコミがいかに大切かということです。自分の宿、お店がどんな人に喜ばれ、どんなに人に価値を提供できているのか。
価値を提供できるポジションを探すことです。地域も事業も同じですよね。逆を言えば、事業を地域経営に置き換えた場合、顧客データを集めるところからスタートしなければなりません。それを分析するわけです。
その仕組みがDMOなわけです。
まずは顧客データの蓄積。そこからの分析。「観光」はあくまでその中の一つであり、地域経営全体の活性化のために何が必要なのかを分析できるデータを集めることの重要性を地域全体で理解することが大切です。
これ、浸透させるのはなかなか難しいですが、重要な視点です・・。
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