昔は新聞や雑誌に広告を出すのが当たり前でした。
冬になるとスポーツ新聞に日本海側のカニ旅館の広告がたくさん掲載していましたし、我々宿業界の場合は旅行雑誌もありました。
今日はそんな有料広告からの気づきをお話したいと思います。
おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
昨日のブログ記事。ランチパスポートの三方負担の仕組みを見て、色々と思い出したんですね。
広告って紙媒体からWebに移行しているけど、パターンは同じだなって。でも、効果は変化している。このことに気づいていないと、有料広告はお金を捨てているようなものになりかねません。
まずは、過去の広告からの流れを思い出してみてほしいです。
広告代+割引という二重苦
皆さんは、年間の支払いの中で広告代の占める割合ってどのぐらいで考えていますか?
紙媒体広告全盛の頃、私の中では売上の10%ぐらいまでかな、と考えていました。ただ、実際は広告によっては投資した広告料に売上が満たないものや、あっても広告料の倍程度、と言ったものも多くありました。
インターネットの普及につれて、紙媒体の広告の反応率がどんどん落ちて行ったというのもあります。
ただ、それ以上にきつかったのは、広告を出す時に注目を集めるために付加した”特典”です。10%引きとか1000円引きとか。そういったものをつけるというのが当たり前の時代もありました。
我々の業界の場合、お得に泊まるために電話予約時にお客様は「じゃらんを見て」と言っていただく。紙媒体広告全盛時のやり方でした。
今にして思うと広告代と割引、支払いの二重苦だったんですよね。
三方負担は昔からあった
事業者側の負担を少しでも和らげようとしたのが三方全てで負担を分割するのが三方負担型です。昨日紹介したランチパスポートがそうです。
例えば雑誌には、フリーペーパー的なものと有料ガイドブック的な者の種類がありました。
フリーペーパー型で分かりやすいのは地域のミニコミ誌ですよね。
お客様は無料で雑誌を手にすることが出来る。
雑誌を作る資金は事業者が広告代という形で負担している。
雑誌じゃらんなどは有料雑誌ではありますが、紙面のコンテンツやボリュームから考えるとワンコイン以下で購入できるという点で格安。事業者の広告代で運営されていた雑誌と言えるでしょう。
フリーペーパーと異なるのが「るるぶ」をはじめとするガイドブック。
こちらは比較的掲載料は安価。但し、お客様もガイドブックを購入する、という意味でコスト負担がありました。お客様の負担がないフリーペーパー型に比べると、ガイドブック型は三方負担型と言えます。
今の時代に置き換えてみよう
今の時代は以前紙媒体で有料広告していたのが、インターネット上に変わっただけです。単に広告を出す、というのが多様化しているのがWebの世界。でも、本質は紙の頃と変わっていません。強いて言うならば、情報量が過多になっている反面、紙媒体時代よりもお客様層を絞りやすくなっているという良い面もあります。
ただ、伝え方の本質も同じ。
例えば、昨日お話したランチパスポートは三方負担の分散型です。この問題は、事業者側が「広告代」として割引していることを忘れてしまうこと。単に安売りに来たお客とみてしまうんですね。お客様はランチパスポートという金銭的負担をしているのですから、通常の割引クーポンで値引きをしたのと同様にいい加減に扱われると嫌な気持になるわけです。
ランチパスポートもアイデアとしては
良いのですが、問題もある
じゃあ、お客様に広告費の負担をさせずにやる方法は?これがフリーペーパー型です。Webの普及で簡単に割引情報を発信できるようになった。それにより少々の割引率ではお客様が反応しなくなってしまった。そこで強烈なインパクトを残す禁断の割引手法が登場した。それが半額の共同購入型クーポンサイト(グルーポン、ポンパレ等)であり、更に無料にまで発展してしまったのが「マジ部」です。
このような流れを見てみると、「有料広告」と「安売り」は親密な関係にあるのは今も昔も変わらない事が分かります。
でも、私はこれらの手法は、全て見せ方を買えただけの小手先のテクニックに過ぎないと感じています。
総じて感じているのは
有料広告を出す意味がなくなっている
ということ。
これは紙媒体でもインターネットでも変わりません。
情報過多時代、広告の伝達力が弱まっている。
更に割引をする体力が事業者側になくなってきているからです。
では、有料広告は何のためにするのか
有料広告を出す意味がなくなっている。
効果が落ちてきている。
じゃあ、やらなくて良いのか。
私はそうは思いません。
ただ、有料広告で予約や注文のゴールまで持っていくのが難しくなってきているだけです。
要は広告の意義は
「存在を知ってもらう」
為だけのものになったということ。
「価値を知ってもらう」
のは分けて考えないといけません。
つまり、広告を出したからと言って、じっと待っておけばよいわけではないのです。
広告を出した上で、ブログやSNSを活用する。お客様が商品やサービスを端的に知ることのできるランディングページを持つ。いざという時に予約・注文できる場を持つ。
この動線を構築しなければなりません。
ブログやSNSでの発信力のある人ならば、別に有料広告は不要です。手前みそながら私の宿がそうです(笑)。
良い発信をしているのに誰も見てくれない。目に留まらない。(良い発信をしていることが重要です!)そこを補うのが広告です。
以前のように広告で受注まで完結すると思ってはいけません。