【予約していたお客様が来ない。確認電話すると「キャンセルし忘れてた」と言われてしまった。そんな時どうします?】
ちょっと前ですが、ビックリする記事を目にしました。
無断キャンセル、罪悪感なし? ネット予約普及、苦悩の飲食店
無断キャンセル、罪悪感なし? ネット予約普及、苦悩の飲食店
キャンセル料払わず道内の飲食店やホテルなどが、予約を受けたのに客が来ず、キャンセルの連絡もない「無断キャンセル」に頭を悩ませている。インターネットで手軽に予約できるようになり、客側の罪悪感が薄れていることが一因で、キャンセル料を踏み倒される例も相次ぐ。忘年会シーズンを迎え、飲食店は予約した相手への事前確認を徹底し、予約サイト運営会社は過去に無断キャンセルがあった利用者の新たな予約を制限するなどの対策を強化。専門家は「予約した時点で契約は成立しており、客は利用しなくても代金を請求される可能性がある」と警告する。
これ、、、
犯罪です。
実際にこれをやってお店に訴えられて損害賠償が成立した例もあります。
宿業も含め、私たち飲食業にとってはこれ、はびこってしまうと死活問題です。
特に今の時期、仕入れの高いカニ料理の日帰りプランもやっていますので、他人事ではありません。
おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
実はこういった記事って記事になること自体があまり良いことではありません。
こういった人がいるという記事の紹介=こういったことをやっても良いと思う人が増える
という側面があるからです。
その典型的なのが、全国で広がっている給食代未払い問題です。
犯罪と分かっていても、周りの多くの人がやっている、取り締まりが厳しくなければ、どんどんやる人が増えていくのです。
出来れば避けたいものですが、そういえば私も過去、日帰り昼食でノーショー(来なかった)というのを何度か経験したことがあります。
実は、しっかりキャンセル料を徴収させていただいたこともあります。
どうやって??
と思いますよね。
この体験談が多くのサービス業の方の参考になるかもしれませんので、お話させていただきます。
10000円/一人の日帰りカニ昼食20名様が来ない
まず、これはもう15年ぐらい前のお話です。私が家業を継いで5年目に起こった出来事です。
予約の11時半を30分超えてもお客様がいらっしゃらない時がありました。20名様ですのでその日の昼食はその一組様だけ。
スタッフも何人かお昼の出勤していただいて、いらっしゃらないお客様をずっと待ってもらっていたのです。
12時を過ぎてもいらっしゃらないし、遅れるという連絡もないので私がお客様(幹事さん)の携帯電話に連絡。
すると、電話の向こう側から宴会の盛り上がっている声が聞こえてきたのです。
待てど来なかったお客様は、なんと他のお宿さんで宴会をされていたのです。
聞いてみてわかったことは、この団体さん。幹事二人体制でされていたようで、それぞれが同じ宿に予約したと思い込んでいて、実は別の宿に予約していたようなのです。
私の宿のある香住地区には約150軒の民宿があり、「かどや」「かめや」「さどや」と、似たような屋号の民宿が多かったのが原因だったようです。
さて、皆さんはこの場合どうしますか?
まあ、事業者の立場からすれば、キャンセル料を徴収したいところです。
私がやった方法。
宴会終了後、私の宿に立ち寄ってもらい、用意していたカニを持って帰ってもらいました。
つまり、電話交渉で幹事さんに
かに料理ですので、すぐに発泡箱に詰めて冷凍しておくことは可能です。これをお土産として持ち帰り、引き取ってもらえませんか?
とお願いしました。
それで幹事さんのOKをもらい、すぐさま発泡箱を20個用意、お土産パッキングの作業をしました。それをいくらだったかなぁ・・・。1箱6千円か7千円で引き取ってもらいました。
12800円/一人の日帰りカニ昼食5名様が来ない
これはここ数年で起こったことです。11時に予約のお客様が12時になっても来ない。この場合もお客様に電話。聞けば、5名のうちの一人が病気になり急きょ入院に。そのあわただしさでキャンセルするのを忘れていた、とのことでした。
皆さんならばキャンセル料、どうしますか?気の毒な状況でありますが、キャンセルのし忘れはお客様に非があります。前日までに1本電話すればよいだけだったのですから。私はこういった場合でもキャンセル料はいただくことにしています。
何より、目の前に準備された料理があるわけです。これを無駄にはできません。この場合も一晩凍結、翌日以降に郵送してそれをキャンセル料として引き取っていただくことでお客様と交渉しました。
この時の場合も、お客様はそれでOKとのことでした。
とは言え、プラン変更のお電話をわざわざ頂いていたお客様だったので、こういったことは起こらないだろうと前日確認等せずにすっかり油断していました。
一方的にお客様を責めるだけでは解決しない
宿の当日キャンセルでも何度かこのパターンで対応させていただいたことがあります。
お客様がいらっしゃらない場合の私の交渉方法です。
このような場合、私が最初にお話するのが
もう、私の目の前にお料理が準備されてますよ
ということ。そこから交渉はスタートします。ただ、だからといってキャンセル料云々の話はしません。
これを引き取っていただけませんか
というお話をするのです。
そこでNOと言われたら、キャンセル料のお話に持っていくのですが、自分の非を認めたお客様の場合、これまででNOと言われたことがありません。
宿泊のお客様もあわせれば、この方法もう5回以上やっています。
もちろん、私の宿の場合は冷凍郵送ができる、さばく前ならば生きたまま送ることのできる”蟹”という食材だからできたことです。
あらゆる飲食店さんで融通の利く方法ではありません。
ただ、考え方なんです。お互いが妥協、損しない方法がないかと考えること。
例えば宿泊の場合、大雪渋滞でこれ以上進めない。どうしようか、と相談の電話をいただくこともあります。そんな場合に、この方法を用いたことがあります。イメージとしては宿泊をカニ料理の通販に変更した、と言った感じです。
ポイントは、お互いが納得できる”相談”をするというスタンスです。
事前に手を打っておくことが一番大切
もちろん、上記はあくまで自らの日を素直に認めた良心的なお客様と交渉した場合であって、昔は「電話してもつながらない」とか「キャンセルしたはずだ」と言いきられることもありました。
こういったケースに関しては事前確認等で同じミスを犯さない習慣をつけることが大切です。
例えば、2か月以上前の予約であれば再確認のメールか電話をしておく。特に人数が多い場合は「いよいよ明日ですが、人数の変更はございませんか?」とか「明日は雪模様ですが、予定通りお車でお越しになられますか?」とか、単なる確認ではなく、ひと言添えるような形で連絡すればよいでしょう。
常連さん、関係性のあるお客様ならば問題ないでしょうが、新規のお客様は慎重に。いちいち連絡をとってると嫌われる?逆です。接触回数が多いほどお客様は親近感を持って下さいます。今は電話以外にもメールというお客様が好きな時間に確認できる方法もあるのですから。
以上のように事前に気を付けておくことで、万一生じた場合も先述のようなちゃんと対応して下さるお客様になるのではないかと思います。
可能であれば、良心的や事業者と良心的なお客様で、トラブル時はお互いが誠意を持って話し合いができる関係でありたいですよね。
最初にあげた新聞記事の事例が増えて行ってしまうと、事前決済、先払い予約金が当たり前の世の中になってくるのかも・・・。外国人観光客の増加でその傾向も待ったなしですが、後払い文化が普通の日本の場合、それはそれで寂しい世の中ですもんね。
コムサポートオフィス代表
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