どんなに宿が忙しくても、会いたい人には会ってみたい。聞きたいお話は聞きたい。
金曜日の夜は月一回但馬で有識者を呼んで開催される講演会、但馬コネクションの日。
講演テーマは以下の内容。
日 時: | 2017年 11月17日(金) 19:00 〜 22:00(受付開始 18:30) |
ゲスト: | 渡辺良機 氏(東海バネ工業株式会社 社長) |
テーマ: | 「競争しない競争戦略」 |
芸術家や自然環境系の方の講演が多いのですが、今月は珍しく?!経営のお話。
久しぶりに行ってきました!!
おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
今回の講演者は大阪に本社のある製造メーカー東海バネ株式会社の渡辺社長。
工場が豊岡にあり、昭和9年の設立以来一度も赤字決算なしの超優良企業です。
社員を大切にすることでも有名で、豊岡を中心に地元民の雇用にも積極的。なんと、結婚祝い金は100万円(但し、3年以内に離婚したら返金w)、4人目のお子さんが生まれたら100万円とか、豊岡市への定住も応援されています。
2008年にはポーター賞を受賞。ポーター賞とは
・同業他社と異なる競争戦略を持っている
・利益が出ているビジネスモデルである
・儲けを継続している
の3条件に当てはまる企業が受賞されます。
(参考)ポーター賞とは?↓↓↓
東海バネさんが超優良企業である理由
東海バネさんが超優良企業である理由は、受注平均ロットが5つという完全オーダーメイド型のバネ工場であるという点。
詳しくはこちら↓↓↓
東京スカイツリーやロケット、人工衛星などに使われる特殊バネを製造されています。
特殊な鋼材の在庫を常に持たねばならず、職人を育てるのに5年以上かかる。製造業において、決して簡単に利益の出せる構造ではありません。にもかかわらず、決して大量生産への舵をとらなかった。
言うだけは簡単です。それを戦前から続けている。高度経済成長期もバブル期も決して量産品には手を出さなかった。手間がかかっても、効率が悪くても、オーダーバネというニッチな商品構成を変えなかった。
この自社のルールを実直に守り、続けて来た。そのことが凄いと思いました。
また、先代社長の頃は赤字にはならないまでもほとんど利益の出ない構造だったとか。オーダー品であるにもかかわらず、ユーザーからの価格交渉に対して素直に応じてしまっていたからだったそうです。
きっかけとなったのは、1975年にバネの業界関係者30人ほどで行った海外視察での2つの気づき。
一つ目はドイツで出会ったある製造メーカーの社長の考え方に触れて。
その社長に
「お客様に高いと言われたらどうするか?」
と質問した際に帰ってきた言葉。
「高いから買わないと言われた時点でもう交渉はしない。オーダーメイド商品は機械ではなく人間が作ったもの。人間は機械と違って償却できない、むしろ、熟練の年月によって価値は上がっていく。なので、職人のオーダーメイド品は値引きしてはいけない」
こんな感じのことを言われたそうです。
二つ目は50人ほどが働いているフランスの3Kな工場で。
環境的には決して良くない工場だが、給与はものすごく良い。人が嫌がるような現場で働かなければならない仕事をする場合は、賃金が高くて当然。何より、職人の仕事は正当に評価される。
・人間の手作りしたものは高い。
・嫌なしんどい仕事をしている人は給料が高い。
このことは国を問わず”道理”であるべきなんだ。
この視察をきっかけに
言い値で買ってもらえない商売はしない
職人をリスペクトし、従業員を大切にする
という方針で行くことを決めたそうです。
勿論、30才前後の若者が社内でそんな理想論をかざしてもなかなか聞き入れてもらえず、当時は社内でも苦労されたそうですが・・・
社員のモチベーションを上げるには?
職人をリスペクトし、従業員を大切にする。
職人をリスペクトし、従業員を大切にする
これって、当たり前のようでいてなかなか実現できない事業者さんは多いはず。私が渡辺社長から一番聞きたかったのはこの部分。
どうやって日々、従業員のモチベーションをあげていくのか。
これに対して渡辺社長は
会社は社員のためにあると心から思うこと
と言われていました。
具体的には
社員にとって自慢できる会社であること。
自分の今やっている仕事で自分が成長していると実感できること。
自分の成長を会社が認めてくれているということ。
とのことでした。
帰宅後「東海バネ」で検索してみると・・・
このリンク先をみると、20代でも確かにお給料良いです。
更に興味深かったのが待遇面で書かれていたこと。
本人の意思があり、目に留まれば、毎年海外視察として様々な国に行くことができます。
とありました。
海外視察での気づきを実直に実践された渡辺社長ならではの”待遇”だと思います。
本人が成長を実感する。
会社が成長を認める。
これってホント、大切ですね。
コムサポートオフィス代表
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