マーケティングでも集客でもテクニック的なこととベースとして持っておかなければならない考え方の部分があります。
パソコンでいうところのOSとアプリに似ています。
「OSを更新しない限り、最新アプリを入れても起動しない」
ビジネスにもジオパークにも言えること。
宿の集客において、
「平日も満室にするにはどうすればよいか」
という一つの事象に対しても同じことが言えます。
平日は週末に比べてお得な特典をつけよう。安くしよう。
平日を埋めるために平日休みの方向けの広告を打とう。
毎年平日来て下さっているお客様には必ずお手紙を書こう。
平日はインバウンドの受け入れをやってみようか。
テクニック的な手法は色々あるでしょう。
でも、そのベースとして持っておかなければならない考え方がずれていると、どんな手法を駆使してもなかなか効果は上がりません。
おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
繁忙期と閑散期について
1年を通じると繁忙期と閑散期があります。閑散期の平日を満室にするのは簡単ではありません。でも、繁忙期の平日を満室にするのは難しくありません。
繁忙期というのは地域全体でお客様のニーズが高まっている時です。比較的楽に集客できる時なんですね。それでも
週末は埋まるんだけど平日がなぁ・・・
という声を同業者である宿仲間さんからよく聞きます。
実は私も5年前までは繁忙期のカニシーズンも集客に苦労していました。
繁忙期のはずの松葉がにシーズンも
土曜日満室にするのが精一杯の時期がありました
でも、この考え方というか、ロジックが分かった瞬間に平日もたくさんのお客様にお越しいただけるようになりました。
今日はそれを公開しちゃいます。
繁忙期の平日を埋めるコツ
私の宿の場合、ザックリ言うと松葉ガニシーズンの11~3月が繁忙期。4~10月が閑散期です。特に雪が降る前、11月から12月が勝負。この2ヶ月間は平日も満室にしたいところ。
あるロジックに気づいてから、私は繁忙期の平日を満室にするのが簡単になりました。
「平日がなかなか埋まらない」
という人はこの考え方をしていないんだ。
ある人と会話をしていた時に気づいたのです。
では、その考え方をお話しします。
平日を埋める方法は・・・
繁忙期期間中の土曜日を全て満室にする
ことから始めることです。
え???
いやいや。
/
平日の集客聞いてるんだよ!週末は関係ないよ!
\
そうツッコミ入れたくなっちゃいますよね。
では、逆に質問です。例えば松葉ガニシーズンである日本海側の宿泊施設さま。土曜日の集客。3月末の土曜日まで全て満室になっていますか?
「土曜日を全て満室にする」
というのはシーズン期間中の土曜日を全て満室にする、ということです。直近とか向こう1ヶ月だけではありません。
今お話ししているロジック。考え方。
これで終わりではありません。
土曜日が全て満室になると、次は
日曜日と金曜日を満室にすること。
サラリーマンや公務員以外の人は以外と気づいていません。
宿業しか経験のない人=週末休みの感覚を持っていないサービス業の人
です。
1日有給をとれば宿泊旅行のできるのが日曜泊と金曜泊
ということをあまり認識されていません。
土曜日が埋まった後は、いきなり平日のことを考えるのではなく
繁忙期間中の日曜日と金曜日を満室にすること
を目指します。
私も20代の頃サラリーマンでした。でも、有給の取りにくいメーカーに勤めていましたので、金曜日や日曜日に休みを取る、という感覚がありませんでした。
でもこれ、普通のサラリーマンならば当たり前で持っている感覚。特に今、「働き方改革」で有給をとることが推進されている時代なのです。
(1)繁忙期間中の土曜日を満室にする
(2)繁忙期間中の金曜と日曜を満室にする
5年前のどん底から這い上がるきっかけとなったのは、まずはカニシーズンにこの(1)と(2)を目標に頑張ったことなのです。それが出来るようになったのは3年前。
そこからは去年、今年と11,12月が平日もほぼ満室、という結果になりました。
10月20日時点での11月の空き室状況
10月末には全ての日が満室になりました
予約開始をいつスタートさせるかが重要
ちなみに現在、予約スタートは6か月前から行っています。
11月の予約ならば5月です。私はこの5月、一気に11月から3月まで繁忙期5ヶ月間の予約受付を開始してしまいます。
すると、土曜日だけに関していえば1週間ほどで11月から3月、すべて埋まります。
早い予約はキャンセルが多い。なので、あまり早くから予約を受け付けたくない。
そう言われる施設さんもあります。
確かにそういった傾向はあります。でも、「予約の取れない宿」「平日も満室の宿」になれば、キャンセル率はどんどん下がっていきます。要は、旅行の優先順位を上げてもらえる宿になることです。
この日が空いているから旅行に行こう
ではなく
この宿の予約が取れたからこの日に旅行に行こう
としてもらうこと。
そうなるにはリピート率を上げる。土曜日の宿泊はできるだけ常連さんになるようにすることです。(6か月より少し前に常連様だけの予約受付をしています)
仮に間際キャンセルになっても、土曜日ならば比較的埋まりやすいですよね?平日も満室の日が多ければ、週末のドタキャンも怖くなくなります。
今は「今週末の土曜日空室出ました」とブログやSNSで宿が自ら発信できる時代です。予約サイトでは「当日予約」特集もあります。平日のドタキャンは埋まりませんが、土曜日のドタキャンは何かと埋める対策があるものです。
とにかく大切なのは、早め早めに予約をスタートさせること。お客様の立場になってみれば、土曜日が満室、金土日が満室、平日も満室、と3つのグレードで宿の人気度合いをはかることができます。
繁忙期に土曜日すらポコポコ空いている宿って嫌ですよね。クチコミだけではなく、こういったところもお客様から見られる対象になっているのです。
予約の6か月前スタート。最初は私も抵抗がありました。楽天トラベルのアロットメント契約のため、嫌々スタートしたのが実情です(笑)。でも、これをはじめてみた結果、土曜日→金日曜日→平日、と埋まっていく様子が可視化して行ったのです。
実は大型ホテルや旅館は当たり前でやっている「レベニューマネージメント」というやつなんですよね。(こんな専門用語は覚える必要ありませんw)
予約のスタートは早ければ早いほど良い。平日がなかなか埋まらないお宿さんは、直近2,3か月しかWebでの予約受付(予約サイトを含む)をされていないのではないでしょうか。
ベースになる考え方(まとめ)
テクニックではなく考え方。平日が埋まる考え方とは。まず、土曜日を満室にすること。続いて金日曜日を満室にすること。最後に平日集客を目指す。
直近ではなく、シーズン中全てを通してで「土→金日→平日」と順番に埋めていく感覚を持っておくこと。
1月の土曜日に空室があるのに、11月の平日が埋まったりしません。金日曜日が埋まったりしません。
2月の土曜日に空室があるのに12月の金日曜日が埋まったりしません。平日も言わずもがな、です。
直近の集客だけを考えていませんか?
目の前の空室だけを埋めるのに必死になっていませんか?
間際になると値引きとかとなってしまうのは、まさにこの考え方のベースがないから。
目の前の平日を埋めることよりも2月や3月の土曜日を埋めることを考えましょう。12月や1月の金日曜日を埋めることを考えましょう。
その習慣が身に付けば、おのずと平日も埋まりだします。
逆を言えば、この考え方を持たない限り、平日はおろか週末すらなかなか埋まりません。
キツイ言い方をすると、日本におけるレジャー型宿泊施設の場合、
土曜日すら埋まらない宿が平日にお客様が入るわけがない
のです。
直近とはいえ、平日を埋めるのには相当の労力が必要です。
近くの平日よりも遠い土曜日を埋める方が労力は低いです。
なので、曜日ごとに順番で集客していくこの感覚が大切です。
以上は恥ずかしながら、実体験から得た教訓です。
2,3月の土曜日も埋まってないのに
「11月の平日全然お客様がない、どうしよう。」
「あ、ポ〇パレってのがあるからやってみよう!」
って間違いを犯したのが7年前の私ですww
そんな失敗もしてきているので、厳しい言い方も思い切ってしちゃうんです。
3年ぐらい意識していけば、土曜、金日曜、平日と順に埋まっていく循環ができます。その為には空室管理が重要です。そういった意味で特に最近、サイトコントローラの重要性を感じています。
この考え方をベースにサイトコントローラをうまく利用する方法を明日からお話しますね。
コムサポートオフィス代表
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