何年か前の話です。
私の宿では小学生のお子さんがお子様ランチを希望された場合、小学生プランではなく、幼児プランでお申し込みいただいてもOK、という風にしました。
詳しくはこちらに掲載しています。
以前から私の宿ではこのようにしています。
いや、以前からでもないか。こうなるまでにちょっとした葛藤がありました。
おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
子供は有料?無料?
今でこそ旅館やホテルのみならず、民宿やペンションでも幼児料金というのが存在していますが、一昔前は子供料金というのが曖昧でした。
インターネット予約の普及のおかげででしょうか。申し込み時にお子さんの有無、朝食、夕食、お布団の有無が明確になっていったのは。
昔はお客様がチェックインされてからお子様連れということが発覚、なんてことがうちのような小さな民宿では”あるある”でした。
食事も布団も使わなければ子供は無料。
昔はそんなラフな時代がありました。
今は賠償責任とか利用者人数の管理とかでそんなアバウトな時代ではなくなりました。
当館のような民宿でも
幼児料金は食事・布団付で6500円、食事のみ4300円、布団のみ3200円、何もなし1600円、みたいな感じで規定しています。
思えば、お茶や水が自販機で有料で売られていたり、幼児料金が当たり前になったり、もちろん、その分、宿泊業者に対する責任もクチコミも厳しくなってきていますが、時代の変化を感じます。
お子様ランチの件で思ったこと
当館が小学生でもお子様ランチOKとしたのは結構前になるのですが、最初からそうではありませんでした。
私自身、幼少期の記憶でこんなことがありました。
私は妹と5歳年が離れています。私が小学6年生の時に妹が1年生。外食でレストラン等に行った時、「お子様ランチの注文は◯歳までとなります」って但し書きがありますよね?あれが嫌だった記憶があります。
妹は美味しそうで旗の立っているお子様ランチを注文しているのに、自分は注文してもらえない。うらやましい・・・。
時は過ぎ去り現代。
お客様から電話にて
うちの子小学生なんですが、あまり食べないし、大人の料理が苦手なんです。お子様ランチにしていただくことはできないでしょうか。
というお問い合わせをいただくことが何度かあったんですね。
そこで私が、
「じゃあ、幼児様で申し込んでいただいて良いですよ〜」
ってお受けしたのが始まりです。
でも当初、母親(女将)から
それを受けると子供料金を安くしようと意図的にお子様ランチで申し込んだり、ともすれば子供は何もいらないから無料にみたいな話も増えてくるんじゃない?
場合によっては中学生や高校生でも「あまり食べないから」と、小学生で申し込んでくるなんてことも。
っていう意見が出たのです。
確かに、昔だったらそういうケースはあったかもしれません。でも、今はそんなことほとんどない。私はそう思っています。
当館にお越しのお客様は値段で選んでいない
なぜ、そんなことはほとんどない、と断言できるのか。
お客様は値段で選んでいないからです。いえ、厳密に言えば、値段で選ぶようなお客様が検討するような発信をしていないからです。
価格設定、価格帯が安いほど値段で選ぶお客様が集まります。
いえ、それ以上に言えること。
◯◯円引、◯割引、半額、といったようなフレーズを広告やWebに乱発している事業者のところほど「値段で選ぶ」お客様が集まります。
他店より安くで販売します
と言えば、どこよりも安くで買いたいお客様が集まります。
1円でも安くで販売します
と言えば、1円でも安くで買いたいお客様が集まります。
「値段で選ぶ」お客様が集まるということは、「値段で選ぶ」お客様を事業者自身が自らの発信で集めているのです。
ということは、逆を言えば、そういったお客様が集まらない発信をしていけば良いのです。
・商品やサービスの価値
・この商売にかかわる思い
・お客様にどんなハッピーや負の解消を提供したいのか
しっかりお伝えすることです。
安易な値引きは価値を伝えることの放棄
セールで集客するのと、お客様が欲しいと言った後に値引きするのとではまったく意味合いが違います。
お客様は値段で選んでいる
と思っている事業者ほど、自分も値段で選んでいるのです。
でもね。
冷静に考えてみてください。
必要なものが安ければ嬉しいですが、欲しいと思っていないものがどんなに安くても買いませんよね?
先に「安い」と言ってPRしても、それを検討している人の元にその情報が入らない限り、安さという価値は意味を持ちません。
最初のお子様ランチの話に戻ります。
小学生でもお子様ランチOKとするのは、お客様の宿泊料金を安くするためにしているのではありません。
お子様ランチが食べたい、という世の中のウォンツに応えただけです。ある一定の年齢になったらお子様ランチを注文できないという固定観念を崩すことで、お客様に喜んでいただけたのです。
「お客様は値段で選んでいる」
という固定観念を持っていると、柔軟な発想はできません。例えばカニシーズンになると
(まだ幼児である)子供もカニが好きなんです。大人と同じ料理にできませんか?
って問い合わせもいただきます。
その場合は、お子様ランチプレートの幼児料金でなく、小学生料金でお申し込みいただきます。
お客様は値段ではなくウォンツで選んでいるのです。
コムサポートオフィス代表
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