昨日のブログ最後に
「お金をかけずに短期間で急激に売上が伸びるような麻薬的手法はない」
と、断言しておきながら、全く矛盾した出だしで今日のブログをはじめますね。
お金をかけずにすぐに儲かる方法ってあるの?
厳密にはお金をかけずに
すぐに集客する方法ってある??
ないわけではありません。
おはようございます!普段は民宿の親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
あまーい誘いの言葉から始めてしまいました、今日のブログ。
商売をしていて一番頭を悩ませるのが集客。
どうやってお客様に知ってもらう?どうすれば多くのお客様にお越しいただける?買ってもらえる?
しかもそれを予算かけずに比較的短期間に。
方法がないわけではありません。
自社の強みを明確にできるのであれば、「テレビに出る」という方法です。
最近ではテレビ局や新聞、雑誌にプレスリリースを行う、という方法もありますので、何らかの話題性を引けるネタがあれば、テレビや新聞に取り上げてもらうのも難しいわけではありません。
私の営む民宿も何度かテレビ出演させていただいたことがあります。人気番組に出た後は反響がすごい!!今日は私の体験談から。もう時効かなってことでお話ししますね。
以前「いい旅夢気分」という人気旅番組がありました
2008年にテレビ東京系列「いい旅夢気分」という当時旅番組としては一番人気の番組に出演させていただいたことがあります。
しかもゲストが豪華。私の宿にお越しくださった際のメインゲストは西郷輝彦さんでした。私にとっては小学校の頃「どてらい男」で見た「もーやん」のイメージ。思えば、一番最初に「商売」というのを認識したのがこの番組「どてらい男」でした。
どてらい男「もーやん」
※YAMAZENのWEBサイトより拝借
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暑い夏に駅で少年がアンパンとジャムパンを売っていました。暑くて全く売れません。少年は半ばあきらめ顔。そこを通りがかったもーやんが「ワシが売り方教えたる!」といってその場で全てのパンを売り切ってしまいます。
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ワシが全部売ったる、ではなく、売り方を教えたる、だったと思います。(子供の頃の記憶なのであいまいです)売り方としては一人一人のお客さんに「なぜパンを買ってもらえないのか?」と聞いて回る。(リサーチ)お客さんは「こんな暑い日にパンなんて・・・のどが渇くやん」と。(原因)そこでもーやんは「みなさん、今水筒持っておられますね?私がそれに水を汲んできてあげましょう」と提案(負の解消)。暑い中、列車を待っている人たちは動きたくない。「水筒に水を汲んできてくれるならパンも買うよ」ということになった。
最後にもーやんは少年に「商売っていうのは汗かいてなんぼ、じっとしてても売れない」って感じのことを言っていた記憶があります。
でね。後日談ですが、このことを西郷輝彦さんに直接Twitterでお話させていただいたことがありました!!
@teruhikosaigo 私も小学生の頃みてました。低学年だったのに、覚えているもーやんのセリフ結構あります。印象的だったのは、駅でパンが売れない少年に水筒に水をくんでくることによってパンを売れるようにしたシーンです。今でもあのシーンが私の商売の原点だと思ってます。
— ガク@民宿かどや (@kasumi_kadoya) 2010年4月22日
それに対する西郷さんのお返事。
儲かるという字は、人がものを言う。とかね。原点にしていただいて花登先生お喜びだ。RT @kasumi_kadoya: 私も小学生の頃印象的だったのは、駅でパンが売れない少年に水筒に水をくんでくることによってパンを売れるようにしたシーンです。私の商売の原点だと思ってます。
— 西郷輝彦 (@teruhikosaigo) 2010年4月22日
このやりとりももう6年以上前。懐かしいです(^^)
あ、話がそれてしまいました。
そんな感じで芸能人と懇意になれるというのはテレビ出演の良さですね。その点に関しては私の財産です。宿に関していうと、西郷輝彦さんほどの超有名人がいらしたわけですから、その後の反響はすさまじかったです。
2008年1月に撮影。2月13日に放映された(テレビ東京系なので、兵庫県では見られない)際に、もう、その瞬間から電話が鳴りやみません!結局そのシーズンの3月31日まで、全ての日が満室になりました。
かかってくる電話がすごかった。
「〇月×日空いてますか?」じゃないんです。
「どの日が空いてますか?」なんです。
この時痛感したのは、数ある宿から選ばれる宿ではなく、もう最初からここに行くと決められた宿になることが大切なんだ、ということ。
簡単ではないですが、商売やるからには究極の理想はそこ。のちにエクスマ藤村先生から「差別化ではなく独自化せよ」と言われ、その言葉の意味を痛感しました。(この言葉の意味に関しては後日、もう少し詳しくお話ししますね)
2007年5月-2008年4月(私の会社は4月決算)は結果2月14日~3月31日の売上で過去最高となりました。しかし、次の年にはすぐに平常に戻りました。
リバウンドがハンパない
2008年5月から2009年4月。2009年5月から2010年4月。更には2010年5月から2011年4月へと、売上はどんどん下降線へと進みます。ちょうどリーマンショックがあり、世の中も不景気になり始めたころです。
更に一番の問題。ガンガン電話予約をとったせいで常連さんが電話をかけてきてくださった際には既に満室、お断りしなければならなくなってなのでしまったのです。
するとどうなるか。そこでもういらっしゃらなくなってしまうのです。更にはあれだけお越しになられた「TVを見て」のお客様は2回目は来ず。それはそうですよね。テレビでいらしたお様は話題性が重要。次にまたテレビで紹介されたお店や宿に行きます。時が経てばすぐに忘れられてしまいます。
そういって一度来ていただいたお客様をリピーターに、という意図を持てればよいのですが、テレビ効果で想定以上の来客があった場合、きめ細やかな接客は難しくなっています。
確かに一瞬は儲かります。でも、その間予約が取れなかった常連さんが去っていきます。2,3年経つとテレビ効果も薄れ、常連さんも失うというダブルパンチを受けます。実は私の宿が2010年~11年まさにそんな感じだったのです。
先日お話ししたダイビング事業での事故とこのリバウンドが重なり、2010年は私にとってまさに悪夢の1年でした。
テレビに出るのは麻薬か抗生物質
短期的に売上を上げたいのであれば、テレビ出演はとても効果があります。
最初にお話しした通り、予算をかけずに短期的に大きな売上を上げることが可能です。でも、私は経験してみて思うのはこのやり方はお勧めできないということ。
例えばこれが新規オープンしたばかりで常連さんのいないのであれば良いかもしれません。あるいは、大型店舗、大型宿泊施設等でキャパが大きい、従業員の給与も払っていかなければならないのであればそれも一つの方法としてあります。あるいは、閑散期だけに限定して何かPRできるものがあるのであれば、期間を区切ってやるのもよいでしょう。
しかし、ゆっくりと着実に常連さんを増やしながらやっていくのであれば、テレビ出演で一気にお客様を集めるやり方は小さな事業者ほどお勧めできません。漢方薬のようにゆっくりと効いてくる。足場を固めて持続可能な経営を目指すのであれば、目の前のお客様一人一人を大切にし、どうすればもう一度いらしていただけるのかを考える方が確実なのです。テレビ出演で一見さんを一気に集めてしまうのは過去の大切なお客様を同時に失うリスクがあるのです。
また、テレビ等で見た際の期待値が高い人が「思っていたほどではなかった」となった場合、あるいはキャパ以上に集客してしまった場合は、悪いクチコミにつながり、それが後々の集客を難しくしてしまうこともあります。
まとめ
テレビ等のマスコミ出演はもろ刃の剣です。それによって常連さんが予約できなくなったら本末転倒。一時的な集客効果があってもそれが数年後にどういった結果をもたらすかをよく考えた上で行いましょう。プレスリリース集客にはリバウンドがやってくるリスクがあることを忘れてはいけません。
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