昨日のブログもなかなかの反響がありました。
昨日は「日本人」の感覚として「当日キャンセル」の考え方に対する違和感のお話をしました。
今日は逆にそれが当たり前、とするグローバルな考え方について考察してみたいと思います。これ、突き詰めていくとクレジット端末を導入していない宿泊施設が多い日本の宿の問題にもつながってきます。
おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
当日キャンセルで多少損した分があっても、その分以上にたくさん集客してあげるのだから別に良いでしょ?
この感覚、日本人には理解しがたいですよね。
「当日キャンセル」と「ノーショー」は違う
日本人の多くは宿泊予約をした際に、行かない場合はキャンセルをする、キャンセルをしなければ宿泊したことと同様の料金が発生するということを理解しているはずです。
実はこれ、厳密に言えばキャンセル料ではありません。
業界用語では「不泊、ノーショー」という、予約されていたお客様が来なかったし、来ないという連絡もなかった、という状況です。
「当日キャンセル」とは、当日に「行かない」という連絡が入ることです。ブッキングドットコムは「当日キャンセル無料に」と言っていますが、「ノーショーを無料に」とは言っていません。
予約サイトでもキャンセルとNO SHOW
とで処理の仕方が異なる
NO SHOWを複数回行うと会員資格没収等のペナルティのある予約サイトもあるようです。
NO SHOWは犯罪なのですが・・・
NO SHOWは犯罪です。「予約=部屋を押さえておいて行かない」というのは刑法233条における偽計業務妨害になります。
居酒屋さんを空予約したり、虚偽の出前等を申し込んだりするのもこれに当たります。
但し、当たり前ですがお金を支払えば犯罪にはなりません。
イタズラやこういったいい加減なお客さんをなくすための抑止力となるのがオンライン決済です。
といっても、日本人は性善説に立った商いが基本です。後払いOKというのもそういった感覚からです。
その為、カード決済ではなく、宿泊当日の現地決済も選べます。
対日本人だけならば現地決済だけでもまだやって行けますが、商慣習における考え方の異なる様々な国の人がやってくるこれからの時代はそうもいかなくなってくるのではないかと感じています。
ギャランティ・リザベーション制度ってご存知ですか?
今はインターネット予約の時代ですので少なくなりましたが、ひと昔前に海外旅行をする際、海外のホテルの予約を取ろうとすると、「クレジットカード番号をFAXで送ってほしい」と言われたことはありませんでしたか?海外通販の場合も同様。
日本人にとっては、海外にクレジットカード番号をFAXするって気持ちの悪いことだと思いますが、当時は普通に要求されていた記憶があります。E-mail等でクレジットカードの番号を送るよりもよほど安全な方法でした。
チェックインの際、現金で支払うつもりでもクレジットカードの提示を要求された事のあること、日本のホテルでも経験ありませんか?私はこれが面倒くさいのでなるべく事前のオンライン決済で予約するようにしています。
クレジットカードの番号がわかれば、そこから事前でも事後でもお金を引き落とすことが可能。これを正式にはギャランティ・リザベーション制度(又はカード・ギャランティ)と言います。
海外では当たり前の制度なのですが、日本ではあまり普及していません。
ちなみに楽天スマートペイではできませんが、スクエアだとこのギャランティ・リザベーションが可能です。
スクエアもこの夏からようやくJCBの取り扱いが可能になりました。
この夏以降であれば、楽天スマートペイよりもスクエアの方が使い勝手が良いかもしれません。
オンライン決済、あるいは現地決済でないとお客様のクレジットカードを切る事は出来ない。決してそうではありません。
お客様にご承認いただき、事前に(予約時に)カード番号をお知らせいただいた上で正式な予約とする、ということも可能なのです。
海外予約サイトの登場は「黒船」だと思う
昨日は、ブッキングドットコムに対して、あえて批判的な論説を行いました。
昨日の記事は記者さんの思惑が入っているので必ずしもブッキングドットコムの全てのお話と受け止められるわけではありません。
でも、はやり私は予約サイトが「当日キャンセル無料」をうたってはいけないと思うのです。
この記事、「キャンセル料無料」に
フォーカスしているのはまずい
宿泊施設が「当日キャンセル料無料」を自社の強み、ウリとしてPRするのは良いと思うのです。でも、予約サイトがいうことではない。
ましてや先述のギャランティ・リザベーションが浸透していない日本の宿泊施設においてはまだ馴染みが低すぎます。
逆を言えば、外資系の宿泊予約サイトが登場して突然こんなことを言い出したことを受け入れ、分析する必要もあるということ。
ギャランティー・リザベーションって何?
そもそも、クレジットカード端末すらない宿の多い私の地域では言葉の意味すら分からないでしょう。
つまり、今回の記事の内容。
我々から見れば非常識でも、グローバルにみれば我々の方が世間知らず、非常識ということです。
この考え方が理解できないということは、時代の流れについてけてない可能性もあるのです。こうなった経緯、社会的背景もしっかり認識しておく必要があります。
どんなに小さな事業者でもクレジットカード端末ぐらい持っている。
その前提で世界は進んでいます。
ギャランティ・リザベーションのできない端末も存在しています。日本はクレジットカード後進国なのです。
リスクヘッジなし、担保なしの性善説で商売を行っている日本人の商慣習がそろそろ限界にきている。小規模事業者に対してクレジットカード端末の普及を急ぐとともに、国全体でギャランティ・リザベーション等のリスクヘッジを推奨、喚起する流れを作ることこそ日本の今後の観光業にとって必要なことなんじゃないかなって思います。
リスクヘッジあってこそできることを、ちゃんと理解しておかなければなりません。
黒船来航に対して、批判するだけじゃなく、グローバルな流れも受け入れる準備に入っていくことです。
コムサポートオフィス代表
今井ひろこのブログはこちら
お問い合わせもこちらから
↓↓↓
今井ひろこドットコム