先日、宿ブログにクレジットカードに関する記事を書いたら思いのほか反響がありました。
なぜ、田舎の民宿や老舗旅館ではクレジットカードの使えない宿が多いのか。
カード端末の操作に長けた若い人が少ないから。
シンプルですが、これが原因です。
手数料とか、現金として振り込まれるスパンとか、様々な理由はありますが、一番の原因はこれです。WEB集客というのも同様。紙媒体での集客ができなくなってきた今、パソコンを触れない世代の方には厳しい時代です。
おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
さて。今日のお話は宿ブログでやることではないので、コムサポブログで書かせて頂きますね。
日本ではなぜ、クレジットカードが地方のお店で普及しないのでしょう。先述の高齢者の営む個人事業主のお店や宿ならばわかります。
例えば、売上もそれなりにあり、カード操作も可能なスタッフもそろっていそうな道の駅。カードの使えないところが多いです。私の住んでいる北兵庫の道の駅でカード利用ができるところはありません。
カード端末の取り扱いが苦手な年配者しかレジにいないということはないはずです。カードを入れるだけの売上はあるはず。カード手数料を懸念しているのでしょうか。
私は立地条件の良い道の駅であれば、手数料よりもカード利用できることによる売上増のメリットの方が大きいと考えます。
道の駅に限らず、比較的規模の大きいお土産屋さんやレストランでもクレジットカードの使えないお店が多い。お客様にとって不便極まりない話です。この傾向は地方ほど顕著。なぜこんなに普及していないのでしょうか。
高齢者問題、後継者がいないことによる端末操作の問題だけではなさそうです。
カード手数料が高い、入金が遅いと思っている
昔は銀行から斡旋してもらう形でしかカード端末を置く方法はありませんでした。手数料は5%以上。現金が入ってくるのは2~3ヶ月後。そんな風に思っている人が多いです。
未だ、その手数料だと思っている事業者さん、地方ほど多いです。
実際はそんなことありません。今や楽天スマートペイやスクエアを使えば、最短で翌日払い、手数料も3%台です。
スマホかタブレットがあればすぐに導入OK
「楽天スマートペイ」
私の場合、旅館組合からの斡旋端末なので2%台です。
クレカ支払いは事業者側にメリットがないと思われている
そもそも海外はなぜあんなにカード払いが進んでいるのでしょう。
私は昨年末ロンドンで地下鉄代や屋台で買ったタコス、数百円の支払いでさえ、カード払いでした。
海外の事業者は、どんなに中小零細企業でもカード払いの受け入れに抵抗を持っていません。なぜ、日本人はこんなに抵抗があるのか。この辺は日本独特の風土や考え方に起因しているようです。
例えば、海外では強盗、盗難に備え、極力現金を持っていたくない。入出金の管理も島国の日本とは異なり従業員も100%信用できない。極力キャッシュレス化したい事情もあると思います。
お金を入金するのに手数料のかかる国もあるようです。貯金して金利をいただくのではなく、お金を安全に預かっていただく感覚ですね。日本人の場合、そういったセキュリティ感覚はありません。
なので、手数料は手数料。現金で頂けるものがカード経由になると手数料分損をする、といった感覚しか持てないようです。
「カード利用可」の宣伝効果は高い
18年前から導入している私の感覚では、「クレジットカードが使える宿」という認識を持ってもらえることは、明らかに選んでもらいやすくなっています。常連さんも他の宿に浮気されにくくなる抑止力もあると感じています。
紙媒体やPPCで広告出すよりも「カード利用可」というレッテルの方が宣伝効果は高いと断言できます。
例えば食べログで検索した場合。
絞り込み検索に「カード可」があります。
地方ほどここにチェックを入れるとビックリするほど該当店が減ります。
例えば兵庫県の養父・朝来エリア。
ここに、「カード可」に絞り込み検索をかけます。
広告費も何も使わなくても「カード払いをしたいお客様」という層に今ならば、アピールできます。
地域としての導入などが検討されない
とは言え、選択肢があまりにも少なければ、旅先として検討されない地域になってしまうのではないでしょうか。
私は、カード対応を増やすことは本気で観光でやっていきたいのであれば、地域全体で取り組んでいくべき課題だと思います。
まとまってカード会社と交渉し、手数料交渉を行うべきです。商工会、観光協会、飲料組合、加工組合、何だっていいです。手数料率の低い端末をあっせんできることで、組合としての価値も高まります。
特にインバウンドを推進している地域はカード端末必須。
インバウンドで補助金は申請しているけど、カード端末は置いていない、なんて事業者さんがあったら、それ、インバウンド本気でやる気ないです。補助金目的です。インバウンド系の補助金申請は、その事業者がカード対応しているか否かのチェックがあってもいいと私は思っています。
Wi-fiや禁煙もそうですが、クレジットカード利用の推進も、事業者だけで行うのではなく、地域として未来のグランドデザインの中に組み入れていくべきです。
先述しました道の駅。地域の物産を集めているわけです。個々の農家さんだとなかなかカード販売できません。そういった場を提供することも価値になっているのではないかと思います。
クレカ対応はお客様へのおもてなしの一環です
クレジットカード対応はお客様の利便性を上げる上で必須事項です。もしも、手数料がネックであれば、それはお客様対応よりも「手数料」を優先させているということ。手数料が5%以上の時代、支払いが2、3ヶ月後の時代ならばわかります。
団体交渉してもっと手数料を下げる努力をしましょう。2,3%であれば、販売価格に上乗せすることも検討しましょう。
カードの種類によっては1,2%ポイントのつく時代です。カードで2,3%高い程度であれば、カード支払いを選ぶお客様もあるでしょう。
事業者側にとってはメリットはなくても、お客様にとっては大金を持ち歩かなくてもよいというメリットはあります。自分がお客様の立場ならばカード払いを優先させませんか?
カード使えないってなったら「不便だな」と思いませんか?
カード手数料分高くして売りたくない。
お客様は現金販売にした分、少しでも安くした方が喜んでもらえる。
それは違います。
お客様の立場から見れば、カード手数料分の数%ぐらいであれば高くてもカード利用可にしてほしい。
現金を持ち歩かなくなった今の人たちはカードの使えないお店からは必要最低限しか買いません。お金に余裕のある人ほど現金を持ち歩いていないので買わないのです。現金販売することで数%分安くしても、そのお客様を取り逃がしてしまっているのです。
高単価、高額にもかかわらずカードの使えないお店。ズバリそれはお客様視点のないお店です。(繰り返しますが、カード端末が操作できないという地方ならではの問題は別です)
だからこそ、地域で取り組み、3年後5年後の地域の未来を考え、今から取り入れていくべきだと思います。
地方の事業者の皆様。お客様のクレカ難民問題。真剣に考えませんか?
コムサポートオフィス代表
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