「民泊新法」国会審議通過!
順調にいけば2018年1月より施行となります。
宿泊業者の皆様。どんな影響があるのか、しっかり把握しておきましょう。
上記の記事を読んで思ったのがやはりビジネス視点、営利目的視点で語られているということ。
NHKニュースだと・・・
昨日の私のブログ記事の方がわかりやすいかも(笑)。
おはようございます!普段は民宿の親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
今回、なぜ「民泊」をテーマに私がブログを書こうと思ったのか。
多くの人が「民泊」について。更に突き詰めれば「民泊と旅館・ホテル・民宿・ペンション」の違いについて知らないんじゃないかと思ったからです。
私自身もそんなに詳しいわけではなく、改めて勉強したいと思ったから。
何より、違いを知ることで改めて旅館や民宿の長所や欠点を知ることができるんじゃないかと思ったからです。この視点、大切だと思います。
なぜ、ホテル・旅館業界が反対したのか?
まず、「民泊」そのものについて、ホテルや旅館の各種団体から猛烈な反対が起こりました。大型ホテル・旅館さんは大反対でしょう。私たちのような小さな民宿・ペンションの場合は逆に「旅館業を破棄して民泊登録できないか?」と検討したくなります。
理由は、固定資産税や光熱費の基本料が旅館営業である場合と、一般住宅とで大きく違うのです。特に水道や下水道代、電気代は、事業者である時点で基本料金が一般家庭の何倍にもなります。「たくさん使うから」というレベルではないのです。
また、保健所・消防署の許可と様々な設置義務のある備品。今だと耐震補強にかかる費用も必要です。旅館営業の許可のとれる建物にするには一般家庭からは想像できないほどの設備投資と維持管理費がかかるのです。
これが免除される、ましてやビジネスとして成り立つのであれば、旅館業法の仕組み自体が崩壊してしまいます。
結果として今回、旅館業法も改定となり、民泊サービスに関連して、無許可営業など違法な事業者に対する罰金をこれまでの3万円から100万円に大幅引き上げ、その他の旅館業法に違反した者に対する罰金の上限額も2万円から50万円に引き上げになりました。(旅館業法 第10条および第11条関係の改定)
これまで違反しても大した金額じゃなかったんですねf^^;
お客様にとってのメリット・デメリット
もっとも大きな差はコストに対してです。先述したように営業許可をとらずに商売をすることで、様々なコストカットができます。つまり、お客様にとっては安くで宿泊できるメリットが出ます。
反面、様々な「宿泊するにあたって」のリスクを受け止めなければなりません。宿泊施設ではなく、一般家庭に泊るのです。衛生面、防犯管理面での旅館・ホテルレベルの厳しい基準はクリアされていないということになります。
ただ安く泊まりたい、ということであれば、衛生面、安全面をクリアした、例えば「簡易宿所」の許可を取ったカプセルホテルなどがあります。
私は「民泊」の魅力は”ホストファミリーに触れること”だと思っています。なので、「安く泊まりたい」だけのニーズで家主不在型の民泊スタイルが今後も増え続けるとは思えませんし、そんな宿泊施設を作っても犯罪の温床を作るだけです。
宿泊施設にどんな影響があるのか
では、私たち宿泊施設にとってどんな影響があるでしょうか。
「民泊」によってお客様が減ってしまう、と考えるのは本末転倒です。もしもそう考えるであれば、自分たちは宿泊施設としての”価値”を提供していないということです。
今回、「民泊」と自分たちとの違いを知ることで、自分たちの強みを改めて確認する良いきっかけになるのではないでしょうか。
私たちの業態、1泊2食での宿泊を提供している宿、特に地域食材を提供している宿には今のところ影響が少ないです。
「民泊」は基本素泊まり、食事の提供がありませんので。私の宿のある地域のように宿はあるけど飲食店はない、というところではなかなか流行りにくいと思います。
とはいっても、あくまで現時点では、です。泊食分離が進む近年、宿を食堂として、近くに食堂ができればB&B(ベッド&ブレックファースト)の宿泊施設の需要も増えてくるでしょう。
価格にフォーカスした集客では益々民泊の宿泊施設にお客様を奪われてしまうでしょう。
でも、問題はそこではありません。
あえて注意しないといけないのは「民宿」「ペンション」といった小規模宿泊施設であると私は考えています。
先にも述べましたように、「民泊」の本質はホストファミリーとの交流、すなわち距離の近さです。
これって本来、「民宿」や「ペンション」の強みだったことです。
先ほどは「地域料理」が価値、と言いました。でも、この部分にこだわり、食材にコストをかければかけるほど価格帯が旅館やホテルに近づき、接客も小規模宿泊施設の良さ、お客様との距離感を離していってしまうことになります。
お客様との関係性、つながりの経済が重要な時代。お客様と事業者との距離感が大切な時代に、小規模宿泊施設にとって最大の利点を「民泊」にとられてしまう可能性があるのです。
「民泊」ではない「宿泊事業者」としての利点を持ちつつ、小規模宿泊施設としての距離の近さという利点も活かす。
今年中にしっかりと構築しておきたい。私はそんな風に思っています。
あらためて問います。「民泊」に決して負けないあなたの宿の強みは何ですか?自問自答してみましょうね。
コムサポートオフィス代表
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