いよいよ本日、「民泊新法」が閣議決定します!!
早速昨日夕方のニュースに
このブログをお読みの皆様。
私と同業者の宿泊業者、その関係者さんが多いですよね。
「民泊新法」が成立すると、自分の商売がどうなるのか?
宿泊業に絡んでいるビジネスをされている皆様。
来年から実施されるであろう法律、今のうちにしっかり把握しておきましょう。
おはようございます!普段は民宿の親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
どんな法律なのか、概ね決まっている部分から説明していきますね。
なぜ「民泊新法」が必要なの?
そもそも何のために「民泊新法」(住宅宿泊事業法)なるものが出来たのでしょうか。
一番の目的は外国人観光客増加による都市部での宿泊施設不足に対応するため。また、地方においては空き家対策、増え続ける空き家を活用するためです。
「民泊」とは個人宅の空き部屋、あるいは個人の空き家を賃貸住宅や下宿(下宿には1か月以上という定義があります)としてではなく、短期宿泊で貸すことです。
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勝手に人を泊めてお金をとっちゃダメなの??
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実はダメなんです。日本には旅館業法というのがあり、個人宅の空き部屋であっても「宿泊料を徴収して人を宿泊させる営業」を行なう場合には、旅館業法上の許可が必要です。
旅館業法とは、ザックリ行ってしまうと、衛生面での保健所、安全面での消防署等の許可を得た上でないと営業できませんよ、という法律です。
なので、現時点で旅館業の登録なくやっているいわゆる「民泊」は、違法営業になります。
ならば、営業できるようにしよう。だからと言って、安全面で問題が生じてしまっては本末転倒。旅館業法を緩和した法律を作ろうとしているのが今回の「民泊新法」です。
「旅館業法」と「民泊新法」の違いは?
では、この2つの違い、気になりますよね。大きくいうと3つあります。
(1)「旅館業法」は営利目的、 「民泊新法」は文化交流・休眠地活用が目的
「民泊新法」をビジネスチャンスとしよう!!という流れがありますが、実はこれ、間違っています。
今回の「民泊新法」案の中には営業日数上限180日というのがあります。
宿泊施設をやっている立場から言います。
180日縛りがあったら利益は出せません!!
営業できる日数が1年の半分以下なのです。
つまり、「営利目的」で宿泊業を行なうことはできないのです。
これ、もっと長くすれば良いのに、と思うかもしれません。
そうすると現在の宿泊施設、例えば民宿やペンションが「民泊」に切り替えてしまいますよね。基準が厳しく、かつ許可をとるのにお金のかかる「旅館営業」をとらずに営業できればありがたいです。お客様に対しても今より安くで営業できます。
そうなると、実質安全基準を落とした宿泊施設を増やしてしまうことになります。
ちなみにアイデアというのは色々とあるものです。既に180日制限を見越したサービス、アイデアがあります。
繁忙期の4-10月180日を民泊で。11-3月の閑散期を賃貸(留学生向けルームシェア)で、といったアイデアです。
でも、この手のアイデアって仲介業者だけが儲かる仕組みです。「民泊活用」ありきであるのも「民泊新法」の考え方と矛盾しています。
(2)「民泊新法」には「家主居住型」と「家主不在型」がある
まず、宿泊施設において「家主不在型」というのは唯一簡易宿所としての許可を得た貸別荘ぐらいでしょうか。「家主不在型」は
相続した田舎の実家の空き家をなんとか有効活用させたい
儲からなくても良いのでなんとか維持費と修繕費ぐらい出したい
といったニーズに応えるものです。
「民泊新法」を利用して田舎でゲストハウスを!
と考えている人もいそうですが、先にあげた180日縛りがあります。「簡易宿所営業」の許可をとって行うべきです。
都会のマンションの1室を「民泊」として利用する。マンションの管理人さんが部屋の一部を「民泊」として活用されていることを知らなければ実質「家主不在型」です。
現在問題になっているのはまさにこのパターンです。自分がマンションに住んでいるとして考えてみて下さい。近所の部屋に住んでいる人が日によって変わっているのです。しかも、その人の身元は保証されていません。(旅館業法では外国人を宿泊させる際、パスポートのコピーが義務付けられています)
わかりやすい漫画があります。
「民泊でひどい目にあいましたレポート」
上記の漫画は民泊の危険性が本当に良くわかります。
対外国人に対する「民泊」とは本来、営利目的ではなく、「家主居住型」、すなわちホストを窓口とした異文化文化交流目的で行うものです。
「民泊新法」とは都会で「家主不在型」をビジネスで運営していこうということを抑制する法律であると私は解釈しています。
(3)「民泊」は特定の用途地域でも営業を行うことができる
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用途地域って何なのーーー
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って話ですよね。
用途地域(ようとちいき)とは、都市計画法の地域地区のひとつで、用途の混在を防ぐことを目的としている。 住居、商業、工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるもので、第一種低層住居専用地域など12種類がある。 都市計画法に基づいて、おおむね5年に一度、全国一斉に用途地域は見直される。
ザックリ言ってしまうと、エリアごとに営業できる事業の縛りがあります。宿泊業を行なえるのは12種類ある用地地域の中の6種類。つまり、半分は営業できない用途地域があります。
民泊ならば残り全てで営業できるというわけではなく、いわゆる旅館やホテルだと営業できない住居専用地域でも民泊営業ができるということです。
具体的にどういったところかというと、「駅から離れた住宅街」です。なのでこれ、あまり民泊するメリットありませんよね。
民泊で収益性を求めることはできない
3つの違いをまとめると結論は一つに集約されます。
「民泊」は営利目的ではない。収益性を求めることはできない。あくまで都会部での外国人との異文化交流、あるいは地方の空き家対策です。
都会でも田舎でもたまたま空き部屋のある人が維持費、固定費をまかなう程度に民泊を受け入れる、といった程度のもの。
「民泊新法」は事業として行うことを目的としておらず、事業として行うのであればちゃんと「旅館業法」の手続きを行ってね、というものです。
宿泊事業者にとってどんな問題が出てくるの?
さてさて。以上が今回の「民泊新法」に関する概要です。
では、私たち宿泊施設の事業者にとってどんな影響が出てくるか。
ようやくメインのお話になりますが、長くなりましたので続きは明日。
まずは「民泊新法」についての概要をお話ししました。
皆さんも上記をお読みいただいた上で「どんな影響がでてくるのかなぁ~」と考えてみておいてくださいね。
コムサポートオフィス代表
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