2021年1月から、Google マイビジネス ヘルプコミュニティダイジェストというYouTubeチャンネルを開設しており、月2回配信しています。これはGoogleマイビジネスを広く知ってもらい、適正な運用をしていただくためのプロダクトエキスパートの活動です。
進行と配信をGoogle マイビジネス シルバープロダクトエキスパートの私が、解説はプラチナ プロダクトエキスパートの永山卓也氏が行っています。この回はゴールドプロダクトエキスパートの石川知紀氏をゲストにお招きしました。
今回は、3月25日配信のGoogleマイビジネス ヘルプコミュニティダイジェスト【気になる質問ピックアップ】で取り上げた、営業時間や営業時間の詳細の登録について、永山氏と石川氏に解説いただきました。
質問:対応出来ない場合があったときは、営業時間はどのように登録すればいいですか?
「弊社は老人保健施設の給食を作っている会社です。基本的に年中無休で、シフト制で休暇を取っています。そのため事務員が対応できない場合があります。その場合マイビジネスにはどのように登録すればでしょうか?」
毎度Googleから、祝日は営業していますか、などの質問がメールで来ます。弊社は食事を作る部門と事務を担当する部門があり、食事を作る部門は年中無休で常にだれか必ず居ります。ただ、事務を担当する部門は常時人が居るわけではないため、どちらで設定すべきか悩んでおります。どなたかご教示いただけませんでしょうか?
ショートアンサー:顧客対応の窓口時間を記す
ヘルプ記事が複数ページにまたがっていてややこしいです。Googleのいうことには、部門別に独立した窓口があるので、それを記しなさいと書いてあります。一方で 中小企業の場合、営業窓口が外部からの電話を取る窓口になりますので、顧客対応の窓口の時間を記しなさいという内容が書いてあります。
就業時間が営業時間ではない
永山氏からも解説をお願いします♪
基本的にここは就業時間を記載するものではありません。記載するのは、窓口としての役割を果たす部署がどういう形の営業時間で動いているか、です。
例えば、会社で残業していても、その時間の電話が取らないことがあります。だからといって(マイビジネスの)営業時間を延ばしたりはしません。だから、来客対応や電話対応できる時間で書けばいいです。
ローカルガイドの立場から、確実に連絡が取れる時間を設定してもらえると嬉しいですね。
ただ難しいのが、ローカルビジネスにおいて来店受付時間と電話の窓口の受付時間は違う場合があります。その場合は併記するなど、何かしら調整をする必要があります。業種業態でどちらを優先するかを考えてみてください。
「営業時間の詳細」が書けるようになっている
業種業態によっては、ほぼ電話で受けるようなデリバリー等もあると思います。お客様の来店か電話か、メインがどちらかによって調整は要ると思います。Googleマイビジネスも去年から営業時間の詳細が書けるようになったので、それらを使って調整できます。(下図参照)
飲食店はテイクアウトや注文受付がありますが、例えば私の勤務する印刷会社では注文受付時間から引き取り時間等の設定もできそう。登録しているビジネスカテゴリによって表示される時間の名称が変わるのかな、とチラッと思ってます。
基本的にはカテゴリーによって変更されます。
「営業時間の詳細」が誕生した背景は?
なぜ「営業時間の詳細」が作られたかというと、コロナ禍でデリバリーやテイクアウト、ドライブスルーなど、業態の変化がすごくあって、鳴り物入りでできた機能です。ですから、そぐわないものや対応できないものがあるので、「ビジネスの説明」で書いたり、別の部分に併記しないといけないと思います。まだまだ不完全、改良や改善の余地ありです。
ただ、これが設定できることで、かなり応用は可能になったと思います。
導入された当時は日本語に合ってなかったですよね?
だいぶエスカレーションして、かなり細かく「こういう形で」と伝えました。まだまだ全部は直ってないですが、マシになったかなぁと思います。最初は仕様として飲食店しか設定できなかったのですが、これが拡充した背景もあります。他でも受付時間や来店時間も含めて状況が違う場合もあります。
あ、ラストオーダー問題…
昔からある話です。飲食店で営業時間内だからと店に着いたら実はラストオーダーの時間が過ぎていたと。ラストオーダーの時間を表示できるようにしてほしいというリクエストは結構昔からありました。
ラストオーダーの問題を解決するために「注文可能時間」を設定したのですか?
元々はそういう機能で作られていたのはなく、コロナ禍でのデリバリーやテイクアウトだけの「テイクアウト可能時間」などの使い方です。これだとすごく限定的にしか使えないので、Googleから相談された時に、僕から日本語化ローカライズにあたって意見を述べました。それで応用が少し可能になったかなとは思います。
日本独特の表現になっている項目もある?!
これ(ラストオーダーの表記)、海外だとほぼ発生しない話だから全然話進まなかったんですよね 。
海外ではラストオーダーって確か余り呼ばなくて、ラストコールって言うのかな。だからラストオーダーと書くと、営業時間の書き方もぶれてくるので、注文可能時間となっています。日本でラストオーダーと書くと飲食店でしか使えない。注文可能時間と書くと、クリーニング店などのように違う使い方ができます。他の業種に使えるので注文可能時間にしてほしいとエスカレーションした覚えがあります。
飲食店だけで使うのではなくて、応用のきくカテゴリーであればどんどん使ったらいいということですね?
Googleにエスカレーションした時の意見書の控えが今手元にないですが、確かこのあたりについてすごく書いた気がします。日本と海外でかなり事情も違っていて、例えばハッピーアワーなんかもそうだと思うんですけど。
これは世界共通?
仕様は世界共通ですが、表現はかなりローカライズされた形になってると思います。僕も日本語と英語は見てますけど、インバウンド、海外誘客が増えると色々な課題が出てくると思います。
いろんな変遷があって、この1年でここまで使える形にまで持ってきて、さらに飲食店から他の業種に広げているのは、Google すごいですよね!
緊急性がすごく高かったんだと思います。Google の中でも、早く対応しなきゃ!と。元々そういうスタンスがあったので、実装がものすごく早かったと思います。
高齢者限定時間帯って日本だけじゃないですかね。海外にこれはあるのかな?
高齢者限定時間帯は、スーパーで使う用では無かったはずです。コロナ禍で高齢者の感染の危険が高いことから区分けをしている国があります。理由が異なってて、それ用に作られているんですが、実装の背景はともあれ、利用できれば利用しましょう。さっきの応用で、スーパーで「高齢者限定時間」と言うのかは分かりませんが、そういう利用の仕方があっても僕はいいと思います。
またコロナの感染が拡大してきているのでこういう情報はできれば、きちんと入れていただく方が良いと私も思います。
この部分をYouTubeで確認したい人は
3月25日の【ヘルプコミュニティ 気になる質問ピックアップ】をご覧下さい。
(時間は「気になる質問ピックアップ」のコーナーにセットされています)
参考ヘルプページ
Google でビジネス プロフィールを編集する
https://support.google.com/business/answer/3039617
特別ゲスト
■石川 知紀/Tomonori Ishikawa
地元密着型の印刷会社で営業として関連会社の担当を行いながら、制作部Web チームのリーダーとして企画提案、制作ディレクション、小規模ながら広告運用まで行う。メディア・ユニバーサルデザイン・アドバイザー、Grow with Google 講師、Googleマイビジネス及びGoogle広告のゴールドプロダクトエキスパート。
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担当者紹介
■永山 卓也 /Takuya Nagayama
商工、観光分野のマーケティング支援をアナログ、デジタル両面から官民問わず行なっている。地方自治体や大学での公演から、小規模事業者の情報発信戦略やコンサルティング、マネジメント業まで幅広い「ローカルビジネス」の専門家。2020年度 観光庁 DMO外部専門人材。Google マイビジネスプラチナプロダクトエキスパート、Googleマップ ゴールドプロダクトエキスパート、Google 広告シルバープロダクトエキスパート。ごはんが好き。
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■今井 ひろこ /Hiroko Imai
小規模宿泊施設の集客コンサルタント。クチコミやお客様アンケートを活かして、Web・Googleマイビジネス・SNSなどのデジタルツール、チラシ等のアナログツールのサポートをしています。観光協会、商工団体の研修にも多数登壇。趣味はスキューバダイビングと地元の観光ガイド。夫は民宿を経営。Googleマイビジネス シルバープロダクトエキスパート。
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