宿泊予約はOTA?公式サイト?どちらが良いのか問題について

宿泊施設の集客

ツイッターでバズっているこちらの投稿。

かなり賛否が出ています。

まあ、確かにお客様の立場から見れば宿の勝手を言われても、ですね。

ひととまるさんも意見を挙げられているのを見て。

私も意見を書きたくなったので急遽ブログにて。

こんにちは!普段は民宿の経営者兼看板親父♪
コムサポートオフィス副代表のガク(@kasumi_kadoya)です!

本来は共存すべきである宿とOTA

まず、前提として、OTAと宿泊施設はWin-Winの関係でないといけないと思っています。私は基本、手数料を送客手数料とは思っていなくて、広告料であり、ツール利用料であると思っています。


私の宿はこれまで楽天トラベルと
相性が良く、
これからもご縁があれば
利用させていただきたいと思っている

例えば楽天トラベルは10%の手数料を支払う代わりに、カスタマイズページやメルマガ機能、クーポン機能が無料で使える。ブッキングエンジン(楽天の場合はR-with)も無料。もっと言えばGoogle Hotel Adsももしも自分で運用するとしたら(現状日本では宿が個々にはできないが)広告出稿のノウハウを学び、広告料をGoogleに支払わなければなりません。

その工数やコストを考えると10%ぐらいは許容範囲かな、なんて考えています。

ただ、このWin-Winの関係性を崩したのがメタサーチの登場。その発端となった海外OTAの日本進出かなって感じています。

Google Hotel Adsもメタサーチ

今や行きたい宿泊施設をGoogleで検索すれば、Google Hotel AdsによってOTA毎の価格を一覧で確認できます。実際私も毎年行く沖縄の泊港近くのホテルはこちらから最安値を選んでいます。


OTAによって価格が違う
Google Hotel Ads

上記のホテルさんは公式サイトだと8000円なのにAgodaだと4782円って、もうなんでこんなことになっているのかよくわかりません。

海外OTAは世界中の様々な国のローカルOTAとサプライヤー契約しているため、何かのキャンペーンを絡めて安く販売されてしまっていることがあるようです。

国内OTAであっても、例えばヤフートラベル で初めての予約クーポンや5のつく日、旅!旅!サンデーとかのキャンペーンを絡めるとびっくりするぐらい安くなることがあります。

もうですね。OTAで販売すること自体が自社が安くしていなくても勝手に値引き戦争に巻き込まれる状況になっています。おつきあいのあるOTAが少なくても、そのOTAがどこかの国のOTAで販売していると、自宿の意思に反してたくさんのOTAで販売されている結果となります。

コロナショックに対して安売りでしか対応できないOTA

ここにきてコロナショックという全世界を巻き込んだ不況を及ぼす事態が起こってしまいました。それに対してOTAはどのような対策を取ったか。まず、お客様のキャンセルを間際でも無料キャンセルできるよう配慮を、という通達が来ました。

ただ、中にはノーショウ(予約したまま来館しない)の場合もキャンセル料は請求しないように、という指示を出すOTAもありました。これは正直容認できません。

近年、災害の度にふっこう割なるものが登場していますが、その多くがOTA経由。ふっこう割でOTAが利益を得やすい状況を作り出している矛盾もあります。

まあ、そんなこともあり、私は思わずこんなツイートをしました。

アフターコロナの時代にOTAは存在するのか

正直、今の大手OTA寡占状況は長くは続かないんじゃないかって私は思っています。価格競争を増長し、宿泊施設を疲弊させるだけの存在ならば、そもそもいらない。

Google検索だけで旅の計画ができてしまうGoogle Travelや数少ないクリックで自社公式サイトにて予約が完了できるBook on Googleが対応してくれば、OTAが世の中に必要とされるかどうか。

【特集】「Book on Google」の全貌を徹底解剖 Google上でのホテル予約は、Booking.com最大の脅威になるか
Booking.com(ブッキングドットコム)は、全世界70の国と地域で2,800万件以上の宿泊施設を掲載し、…

今の価格競争のカオスと化したOTAが生き残れるでしょうか。お客様にとって最適な宿泊先を提供できるプラットフォームでいられるでしょうか。

繰り返しますが、私はまず前提としてOTAと宿泊施設はWin-Winの関係でないといけないと思っています。価格競争のプラットフォームとしての存在価値しかなくなってしまうようでは、お客様より先に、宿泊施設が離れていくことになります。もちろん、宿泊施設が個々に代わりの予約導線を作らなければならないという前提条件はありますが、お客様に価格以外の適正な価値を届けられないのであれば、存在する意味がありません。

何れにせよ、選択の岐路に立たされています。OTAが好き、お世話になっているとしても、数年以内になくなってしまう可能性があることも頭の片隅に置いておくべきでしょう。それぐらい切羽詰まった状態になってきている。私は今回のコロナショックがそんな大変革をもたらすカンフル剤になるのではないかと感じています。

OTAに頼らない集客。公式サイトからの予約導線。重要になってきそうです。

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コムサポートブログを書いている人
コムサポートオフィス 今井ひろこ/今井学

私たち夫婦は、兵庫県の日本海側・豊岡市を本拠地に、全国の小さなお宿やお店の集客問題の解決に取り組んでいるコンサルティング事務所「コムサポートオフィス」を運営しています。私たちが実践して培ったノウハウや日々の実践例を、この公式ブログでお伝えしています。なお、ブログネタは宿泊施設の集客などに限らず、一般の事業者向けのものも多いです。

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