こだわりは必ずしも自社の強みにはならない。
昨日、そんな話をブログで書きました。
「誰よりも料理や食材にこだわっている」は宿や飲食店として本当に正しいのか?
こだわること自体は大切です。でも、自分だけがこだわっているとか、自分が一番こだわっていると思わない方が良い。
大切なのは、そのこだわりが誰を幸せにしているか。お客様に向いているか、です。
おはようございます!普段は民宿の経営者兼看板親父♪
コムサポートオフィス副代表のガク(@kasumi_kadoya)です!
自分のこだわりとお客様の満足度はイコールじゃない
誰もが質の高い食材を手に入れ、お客様に提供できる時代になりました。そんな中、自分独自のこだわりが、お客様にハッピーを提供することにならなければなりません。
お客様が何を求め、何を喜んでくださるか。全てはこちらの思い、こだわりとのマッチングです。一方的に自分が正しいと思うことではなく、お客様が求めていることを察し、応える。
下手すると「こだわり」は「押し付け」でしかありません。
お客様は美味しい○○を食べたいと思っている。
だから、その食材に誰よりもこだわりを持っている私のところに食べに来なさい
正直、私もそれが大切と思っていた時期がありました。
お客様が食通のグルメ旅、ひとり旅だったらそれでも良いでしょう。でも、実際のお客様はカップルだったり、グループだったり、ファミリーだったりします。自分以外の人と旅行をする目的があります。その中で「○○を食べる」というのは、手段であり、目的ではありません。
例えば、満足されたカップルならば「○○好きな主人が喜んでくれた」満足されたファミリーならば「○○を囲んで子供達も大はしゃぎでした」といった声が上がります。
多くの目的が「誰かと素敵な旅の思い出を作る」ことであり、「○○を食べる」ことではありません。
お客様のニーズ、ウォンツを知るには?
では、お客様の求めているもの、ことを知るにはどうすれば良いでしょうか。先ほど例にあげましたよね。もう一度書きますね。
「○○好きな主人が喜んでくれた」
「○○を囲んで子供達も大はしゃぎでした」
これ、クチコミを数多くいただくと目にするフレーズです。
そうなんです。「○○が美味しかった」は当たり前なのです。ただし、どう美味しかったのかは重要。そこに我々の勝手なこだわりではなく、お客様がどんな食べ方、どんな提供の仕方を美味しいと感じるかのヒントが隠されているからです。
極端な話、食材に向き合う時間よりも、お客様に接する時間が多いオーナー、女将のいる宿の方がニーズやウォンツを汲み取る力は優っています。
それをお客様が言語化してくれるのがクチコミです。
欠点が多くてもクチコミが高評価の宿はたくさんある
さて、今日一番お話ししたいところです。
男女別相部屋のゲストハウスのスタイルをドミトリーと言います。
日本にはカプセルホテルというスタイルもあります。
お金を支払えば、一人ででも一流ホテルの豪華なお部屋に一人でステイもできます。
香港のペニンシュラホテルにて
流石にこの部屋に一人は贅沢すぎた
さて、どの部屋に泊まってもクチコミ評価は5段階です。ドミトリーだと低くて、一流ホテルだったら高いというわけではありません。(もちろん、一流ホテルの方が満足度を上げる仕掛けが多数ありますが)
お客様が満足したら5、不満ならば1という点数はどこでも同じです。高級ホテルでも点数の高低はありますし、ゲストハウスやカプセルホテルでも点数の高低はあります。要は、提供したもの、ことが良かったか否かではなく、お客様が満足してくれたか否かなのです。
そう考えた時、たくさんおクチコミをもらえばもらうほど、自分のこだわりが高得点になるとは限らないというのを実感するわけです。
お客様はグルメレポーターでも評論家でもなく、ただ旅を楽しみたいだけなのですから。
逆を言えば、こだわりが強すぎると評論家のようなお客様しか来なくなってしまいます。
クチコミをたくさんもらい、自分の宿がどういった点を褒めてもらっているかを分析する。どういったお客様がどういった状況で喜んでもらえているケースが多いか、でも良いです。
喜んでもらえそうなお客様がイメージできれば、Web発信やお手紙、DMを送る際、そういったお客様に届くような文章、メッセージを日々心がける。逆に欠点も明確になるようであれば、「この部分は苦手なので、気になる方は来ないでくださいね」で良いです。
私の宿で先週もありましたが、電話問い合わせにて
「お部屋はどんな感じですか?」
というものがありました。
「民宿によくある平均的な客室です」
とお答えしました。それでは不満そうでしたので、
「お部屋にこだわりのあるようでしたら、当館も含め、民宿はお勧めしませんよ」
とはっきり申し上げ、問い合わせの時点でこちらから予約をお断りしました。私の宿は部屋が古いとか不潔ということはないと思いますが(禁煙ですし、ウォシュレットトイレも付いています)、さして広いわけではありませんし、隣が小学校ですから部屋からの景観が良いわけでもありません。
旅の期待値を「部屋」においている人はあらかじめお受けしないよう意識しています。
予約の時点で極力期待値のマッチングを意識するようにしています。つまり、悪いクチコミ点数をつける可能性のあるお客様は極力お受けしないようにしているのです。
欠点が多くてもクチコミ点数の高い宿は、長所を喜んでくれるお客様を積極的に受け、欠点を気にするお客様は最初から受けないようにしているのです。
どうやってそれを読み取る?答えは「クチコミ」の中に隠れている訳です。
「クチコミ」を分析することが大切です!
ただ闇雲に食材や地域の景観・イベントを発信、宣伝していても、お客様には届きません。何度も申し上げますが、こだわりの押し付け、押し売りは嫌われるのです。
発信するならお客様のクチコミを分析することで理解できる「お客様の幸福ポイント」です。
クチコミをどう活かすか。これからの時代は、この部分の勉強をやらなければなりません。
コムサポが5月の定例セミナーをクチコミを熟知したTrustYouさんの講演会にしているのはそのためでもあります。
ホテル・旅館・民宿が直販を増やすために
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・日 時 2019年5月16日(木)11:00〜12:30
・会 場 FLAP TOYOOKA (じばさんビル5階)
兵庫県豊岡市大磯町1 0796-24-5551
・対 象 宿泊事業者(民宿、旅館、ホテル、ペンション、ゲストハウス)
・定 員 20名
・参加費 500円
・主 催 コムサポートオフィス
現在12名参加、早くも残席が8名となりました。滅多にない機会ですので、宿泊関係者の皆様、ぜひどうぞ。
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