DMOとDMCの違い、DMOは「観光」ではなく「地域づくり」と考えよう!

セミナー・講演会聴講

台風の関係で休講日があったこともあり、昨日の最終日はテストの時間も急遽講義になりました。学生の皆さんはテストが急遽レポート提出に。

そういえば、去年私のブログの振り返りがレポート提出に無茶苦茶役に立ちました、と今回声がけしてくれた4回生の生徒がいました。今年もアテにされているのかなぁ・・・(笑)

 

おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。

さて、振り返りたいことは数々ありますが、今回のメインテーマは観光プロデュース論。特に今の日本の場合は、DMOがどのように活躍するかがとても重要な課題となります。

今日は改めて、DMOについて今回聴講内容を踏まえた上でまとめたいと思います。

DMOとDMCを分けて理解しておこう

まず、DMOにおける大きな誤解。

DMOとは

Destination Management Organization

の略で日本語訳すると

「目的地 経営 編成・体制」

=目的地となった地域(当地)全体の経営管理体制

と言う意味です。

つまり、特定の事業者の経営組織・団体のことではありません。

あくまでDMOとは、体制、仕組みのことです。

俗にいう「○○(地域名)DMO」というのは、むしろDMC

Destination Management Center
※Centerではなく、Campanyとしている場合もある

です。

DMOは様々な産業連携をしている体制のことを指します。


仕組み、体制の実働部隊がDMC

観光庁の組織図は誤解を生む

DMOの説明で、観光庁のサイトに掲載されている図がこちら。


観光庁の資料より

観光庁で掲載されている図ですから、観光ベースに書かれているのは当然です。

でも、ゴールが「観光による地方再生」となっています。

いくら「様々な組織連携」と言われても、この図を見る限りは「観光」のために様々な事業者が協力しなければならないように見えてしまいます。

正直、「観光」がゴールである限り、多くの事業者が自分ごととして解釈できません。

そこで、山田桂一郎先生はこの図を改ざん、いえ、正しく変更した以下の図を用いていつも説明されます。

地域一帯の魅力的な観光地づくり
→地域一帯の魅力的な地域づくり・そだて

観光客の呼び込み
消費額と波及効果の向上

観光による地方創生
地域力による地方創生

と書き換わっています。

また、図の左にDMOの役割として

1)多様な関係者の合意形成

2)各種データ等の継続的な収集・分析、KPIの設定からPDCAの確立

3)戦略の整合性に関する調整・仕組み作り、プロモーション

の3点書かれていますが、さらにもう1点追加事項があります。

地域全体で、CLTVを獲得するためCRMを構築、活用

※CLTV・・・カスタマーライフタイムバリュー。一人の顧客が生涯どれだけの価値を生み出すか。簡単に言うと、常連さんの売上。

 CRM・・・カスタマーリレーションシップマネージメント。顧客情報をデータ化して管理することです。

です。

常連さんの満足度とリピート率を高め、地域全体の総力戦で地域にお金を生み出す仕組みを作り出すことをDMOとしています。

そのためには

データ収集、分析、地域全体でのKPI設定とPDCAの確立。

CRMを活用することでCLTVが高まり、地域に多くのお金が落ちる仕組みを作るということです。

データ収集の方法、エゴや利害関係を打破するための地域連携の仕方などを今回学びました。

そちらのフィードバックもしたいところですが、まずは

DMOをしっかり解釈、理解すること

が重要です。

DMOとは仕組み、体制のことで、具体的な組織、団体はDMCになります。

その体制が「観光」だけのために行うのではなく、「地域づくり」のために行うということを理解しておくこと。

まずはこのことが大切です。

長くなりましたので、今日は基本の「き」であるこの部分をまとめておきたいと思います。

 

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