鹿児島旅行記、2泊3日でたくさんのお土産話があります。
ジオパークの話は後日最後の方に持っていくとして、まずは観光関連のお話、マーケティング関連の気づきをアウトプットして行きたいと思います。
おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
今年、鹿児島に行くのであれば、NHK大河ドラマ「西郷どん」は外せません。
4年前「軍師官兵衛」の際、姫路へ行くと商店街が官兵衛だらけでした(笑)。
鹿児島も・・・
砂むし風呂に行く道中、「いぶすき西郷どん館」というのがあり、1年間の期間限定展示だったようなので立ち寄ってみました。
指宿から見た「西郷どん」視点に対する違和感
個人的には無茶苦茶面白い展示でした。
私の中で興味深かったのは
「海洋国家薩摩」
という視点で展示されていたこと。
海外の情報を幕府よりも常に早く入手していた薩摩藩。
山川港という天然の良港を持っているという指宿市ならではの視点での展示です。
今回、鹿児島をドライブしていて感じたのは田んぼの少なさ。
展示にも書いてありましたが、桜島の火山灰が降ってくるという、農業に恵まれない地域性というのがあります。
だからこそ貿易が盛んで、特に南西諸島からの黒糖を中心とした産品は、人口に対する武士の人数の多い薩摩にとって大切な収入源でした。
でも、読み進めていくうちに私の中で違和感が生じました。
一つ目は薩摩藩が(厳密には薩摩の豪商が)行っていた貿易は当時でいうところの「抜け荷」、すなわち密貿易であったこと。
幕府を欺き、密貿易で稼いだお金が明治維新に大きく関与していたことは疑いもありません。
もう一つは南西諸島、奄美大島や沖縄などの博物館に行くと、「薩摩藩の圧政」が多く紹介されています。
ググってみたところ、徳之島の歴史について書かれた以下の文言がわかりやすいです。
「薩摩藩」の時代
島津氏は、琉球における明国との貿易の利益をねらって、琉球の都、首里を攻め滅ぼし、慶長14年(1609年)に奄美群島もその直轄の統治下におきました。徳之島も与人(よひと)と呼ばれる島役人によって間接的に治められていましたが、実情はその上の薩摩藩の代官が支配権の一切を握っていました。薩摩藩は、奄美人の同化を許さず、本島への往来を禁止、衣服など身なりを琉球風に規制するなど「藩内にあって藩内にあらず」の取り扱いをしていました。 この政策の裏には、藩が抱えていた莫大な財政赤字があります。藩は財政の立て直しを図るため、換金性の高い黒いダイヤ「サトウキビから造る黒糖」に目をつけ、黒糖の生産を奨励しました。黒糖産業は奄美を代表する基幹産業として発展し、延亨3年(1746年)には「換糖上納」により、米に変わって黒糖が年貢として納められるようになります。しかし島民は黒糖の自家消費も許されず、すべてが薩摩藩の専売制となり、農民はサトウキビの栽培に追われるだけの極めて苦しい生活状況におかれていました。この薩摩藩の圧政に対して犬田布(いぬたぶ)騒動などの暴動が多発します。薩摩藩の統治は、明治4年(1871年)の廃藩置県を経て、明治8年(1875年)の戸長制が敷かれるまで266年間続きました。
徳之島に限らず、奄美大島や沖縄(琉球)で、同じような圧政が行われていたわけです。
視座を変えることで状況は大きく異なる
ここでこの問題のどちらが正しいということを議論しようというわけではありません。
ダイバーという職業上、南西諸島に数多く訪れていた私にとって、「薩摩藩」の圧政に関する情報の方がこれまで多く入ってきていました。
でも今回鹿児島を訪れ、桜島という火山と共生している農作物の育たない厳しい地域性を目のあたりにしました。
どちらが正しいとか間違っているという話ではなく、人それぞれの立場によって真逆の意見になることもあるということです。
ちなみに兵庫県では今年、「県政150周年」とうたっています。
鹿児島県では明治維新150周年。
福島県会津若松市では「戊辰150周年」。
今年は全国的に「明治150年」の節目の年ですが、地域によってこの受け止め方は異なります。
多くの物事は2極対立軸で語られます。
自分が正しい、相手が間違っている、と。
でも、視座を変えるとどちらも正しい事があるし、どちらも間違っている事があるものです。
桜島の降灰によって農作物を育てにくい環境と海洋国家としての薩摩の位置付け。
「薩摩には鎖国はなかった」
立ち位置によって視座が違い、それによって行動が異なっていくわけです。
ハッとさせられます。
地域づくりでもビジネスでも同じです。
行政と民間。
プロとボランティア。
よそ者と身内。
事業者とお客様。
まず、双方が存在していることを認識する。
どちらかが正しいという主張に誇示すれば、最後は対立し、戦いに行くしかありません。
お互いが相手の視座を認識し、共にwin-winとなる発想を新たに生み出すことの大切さ。
ちょうど、プロジオガイドの話し合いの場を持った後に見た博物館の展示でしたので、そんなことを強く思いました。
プロガイドが集まってどんな話をしたのか?
すばらしいファシリテーションのもと、建設的な話ができました。
時系列では逆になりますが、詳細は明日。
コムサポートオフィス代表
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