先日、ある新聞社から電話取材があり
「野菜が高騰しています。何か対策されていることはありますか?」
との質問を受けました。
安いところまで買いに行っている。
農家さんから特別に横流ししてもらっている。
野菜の量を減らしている。
代替え野菜(高価な葉物野菜を別の野菜へ)にしている。
等の回答を期待されていたのでしょうか。
私の回答は
「特に何もしていない」
です(笑)。
仕入れ業者さんとの信頼関係もありますしね。何か月も高値が続いたら問題ですが、1,2か月の高騰に対して慌てても仕方ないです。
ただ、ご当地柄200円の白菜が400円になることよりも、3千円の松葉ガニが6千円に。1万円が2万円になってしまうことの方が深刻です・・・。
おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
さて、”仕入れ”を少しでも安くしたいのは確かにあります。でも、地元で購入し、地域内経済循環を起こさないといけないというのもあります。
経費を抑える、といえばもっと大変な固定費はたくさんあります。
それは昨日お話した民泊問題に絡めてのものもあります。
昨日のお話の続きになります↓↓↓。
民宿やゲストハウスは”事業者”です
元々”民宿”というのは自宅の余った部屋を旅人に貸し出す、というところから旅館の違いと言われていました。でも今の時代、民宿が旅館化してきています。私の宿も”民宿”と名乗っていますが、今の時代ですと、部屋に鍵がなかったり、食事の個別対応とかしなかったらクレームが頻繁に起こっていると思います。そう言ったところを随時対応したら実質旅館のようになっていきました。
そんな状況ですから、ただ泊まるだけで良い、もっと宿主さんとの距離の近い民泊が流行ってくるのは、宿泊施設の多様性としてはありだと思います。
民宿が旅館化していった昨今、改めて民泊がクローズアップされる流れは悪いことではありません。
旅行する人がもっともっと増えることも大切ですから。
でも、民泊は民業圧迫になっています。
これは事業者としては切実です。例えば電気や水道・下水道代の基本料金一つとっても違います。民宿であっても「事業者」なわけですから、基本料金が事業者価格で、一般家庭の何倍にもなります。
NHKの受信料もそうです。部屋数を公表しているわけですから、その台数分のNHK受信料の請求が来ます。
こういったものを団体加入で安くする制度があります。そうなると旅館組合に入会したりして、そういった年会費も必要になります。
何より、保健所や消防署の認可もとらなければならず、毎年その点検書の提出も義務付けられており、そこに費用も発生します。
これらのお金を支払って事業を行っているわけです。
民泊はこういった経費が不要となります。
別に民泊を反対しません。でも、民泊を許可するのと、いわゆる旅館業法の規制を緩和するのとでどう違うのでしょう。
民泊の本質が見えてくる
実は私の宿の前3軒。空き家です。
隣の小学校。5年前60名いた全児童数が30名を切りました。
人口減少、空き家対策、待ったなしの状況になってきています。
そういった空き家を若い人が何らか活用する機会にしてほしいと思います。
とはいえ、じゃあ民泊が良いのか。
普通に簡易宿泊所の許可をとってゲストハウスをオープンすればいい。その時に何らかの規制緩和を検討すればいい。
なぜわざわざ民泊なんて進める必要があるのか?
本当に都市部の宿泊施設の部屋は足りていないのか?
もちろん、シェアサービスやAirbnb等海外からの流れが来ているからというのもあります。でも、現有制度を変えずに新しい仕組みだけを入れていくのはおかしいです。
新たな仕組みを導入すると同時に、これまでの制度を見直す、あるいはこれまでの制度を変えることで運用できないかと考えるべきではないでしょうか。
稼働率の低い民宿やゲストハウスならば、旅館業の資格を返還して新たに民泊事業者としてオープンした方が良い、なんてことになります。(現実は様々な地元の協会のしがらみがあり、難しいでしょうけど)
そう考えていくと、昨日お話した通り、民泊は観光の為ではなく、誰かの利権の為に勧められている気がしてならないのです。
誰かを仕合せにするためではなく
誰かが得をするための法律になっていないか?
本来、全てのビジネスは誰かを仕合せにするために行うものです。
多様性という言葉でごまかして、本質から逸れたことをやっちゃいかんと思うのです。
正直、”民泊”という言葉が先走りしている感があります。
ホームステイスタイルのホスト対応型民泊ならば、むしろ私も応援したい。でも、家主不在でマンションの空き部屋を転がす空き家対策として民泊を進めるのは”観光”分野とは切り離して議論していただきたい。
”観光”に対する愛なき民泊はいりません。
それは”観光”の未来につながる道ではありません。
私が民泊を賛成と反対の両面を感じているのはそういうことです。
コムサポートオフィス代表
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