「ジオパークでは観光客は呼べないからオワコンだ」は私たちの考えとは全く異なります

マーケティング

えっと・・・

まずは大好きなサッカーネタから。

ポドルスキ、日本でのサッカーの地位を問題視…浦和ACL制覇も「新聞の第一面は競馬」


サッカー好きな人は一読の価値あり

サッカーに興味ない人は以下だけ読んでもらっても良いかも。

「日本のリーグは眠っていると思う。間違った人たちが責任者となっている。たくさんのクラブは2002年ワールドカップやその後に建築された新しくて素晴らしいスタジアムを持っている。試合にはある程度の観衆が訪れ、雰囲気も良い。日本のファンは本当に熱心な応援をする。でも、リーグは何を目指しているのかと聞きたい。マーケティングがないんだ。

ここ、読んで「そのまんま置き換えられるじゃん!」って思ったんです。

 

おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。

私にはこう読めたんです(笑)。

「日本のジオパークは眠っていると思う。間違った人たちが責任者となっている。たくさんのジオパークは素晴らしい景観、ジオ的ストーリーを持っている。ジオパーク認定やその後に建築された新しくて素晴らしい拠点施設を持っている。ジオサイトには熱心なジオガイドがいて、雰囲気も良い。日本のファンは本当に熱心な応援をする。でも、ジオパークは何を目指しているのかと聞きたい。マーケティングがないんだ。

あ、ここでいう”責任者”とはJGNとか各ジオパークの協議会という特定の団体ではないですよ。別に責任者の責任にする気はないんです。ただ、全体としてジオパークで未来をどうしたいのか。その方向性が見えない、あるいは伝わってないということなんだと思います。

特にそれを理解している人としていない人のギャップが様々な地域で大きい。

これ、誰かを糾弾する問題ではなく、日本の構造的な問題。なので、Jリーグでもジオパークでも同じ問題が当てはまってしまうんです。

最近、大きなギャップを感じたのが下記新聞の記事です。

日本海新聞の記事より

一昨日、日本海新聞に弊社代表今井ひろこの「山陰海岸ジオパーク再認定のイエローカード」に関するコメントが掲載されました。


日本海新聞2017/12/24朝刊

この新聞記事「ジオパークがオワコン」という軸で話が展開されています。

実はこの「オワコン」というキーワード。この記事内容自体に異論はないのですが、私達夫婦が言わんとしている「オワコン」感と最初に「経済効果が不透明」という視点で述べられている「オワコン」感は全く異なるものであるということは言っておきたいのです。

ジオパークによる経済効果とは?!

記事の最初に

「ジオ振興が労働力確保など、産業界の課題解消につながるのか不透明」

という指摘から始められています。

確かにジオパークに認定されたからと言って観光客が増加したり、雇用が増えた、なんて事例はありません。

その通りです。

でも、ジオパークって認定されただけで地域活性化する、経済効果を生み出すものなのでしょうか。

世界遺産のように認定されると旅行会社などがガンガンツアーを企画してくれて観光客を送り込んでくれる。

そうもくろんでいた人たちにとっては当てが外れたことと思います。

でも、そう考えている時点で「ジオパークに認定されてどうなりたいのか」という理念やビジョンが全くない。「今、儲かるかもうからないか」という視点だけです。

ハッキリ断言できます。

ジオパークにそのような経済効果は全くありません。

ジオパーク活動をする価値

最近、ジオパークの価値をわかりやすく説明してくれる番組があります。

そう、ブラタモリです。


今年のJGN全国大会でも一つの分科会内で
「ブラタモリ」が取り上げられました

ジオパークの価値は、地域の価値に学術的な意味を持たせてくれることにあります。

例えば、「なぜ、当地の魚はこんなに美味しいんですか?」と聞かれた時

「それは海が近いからだよ」

程度の説明しかできなければ、その説明を受けたお客様、また再び来てもらえるだけの理由付けを持っていただけないでしょう。

我々夫婦が「オワコン」といったのは、せっかく「ブラタモリ」のような地域発見をジオ的な視点から探る良質な番組がブームになっているのに、各地域ではそういった地域の魅力探し、価値づけの努力を最近怠ってきているのではないか、と感じたから。

そういった活動が(特に当地山陰海岸GPでは以前に比べて)聞こえなくなってきているので

ジオパークがオワコン化している

ととらえたのです。

観光客が押し寄せるようなコンテンツはもう存在しない

エクスマ藤村先生が

「売れる商品なんてない、売れる売り方があるだけ」

とよく言われます。

「売れる商品なんてない、売れる売り方があるだけ」

モノが行き渡っていなくて、人口が増え続けている時代には良い商品さえ作れば、良いコンテンツであれば黙っていても売れました。

地域振興の場合、何かキラーコンテンツがあればたくさんのお客様が押し寄せたのです。

分かりやすく言えば、「カニ」とか「スキー」「温泉」です。食材でもアクティビティでも何か売りになるコンテンツがあれば、それで観光客が訪れて下さる時代はありました。

まずは今、そういった時代ではないことを認識すること。

日本全体が観光立国を掲げ、どこに行っても美味しい食材があり、温泉がある。どこもこだわっている。

そのこだわりに科学的な裏付けをしてくれるのがジオパークです。学術的な先生のお話から地域の特産品や景勝地の成り立ちを解剖できるのです。専門的なお話を分かりやすい言葉で置き換え、観光客にお伝えするのが私たち観光事業者や観光ガイドの役割。

まだ、温泉以上のコンテンツがあると探しますか?カニ以上の食材があると探しますか?

あるいは、売れなくなってきた商品やサービスに補助金を投入して延命措置をはかるだけですか?

もう一度言います。

「売れる商品なんてない、売れる売り方があるだけ」

です。

今あるものをどう売れるようにするかをしっかり考えること。

それが同時に地域の大切な資源を守ることになり、子ども達への教育にも活用でき、地域の誇りを造成させることが出来る。

これを総括してこそのジオパーク効果。

ジオパークでは観光客は来ないし、雇用は生み出せないからオワコンだ

ではありません。

むしろ、こういった発想があるのであれば、やっぱりジオパークに認定される価値が、地域全体に伝わっていないということ。

実際そのことを理解し、自分の事業に取り入れてうまくやっている方もいらっしゃいます。

これからの観光地のあるべき姿として、ジオパークに関係なくやっていかなければならない姿勢です。

「オワコン」について。以上、全く異なる2つの解釈があります。

地域の「なるほど!」を発掘し、価値にしていくブラタモリ的、いや、ジオパーク的モノの見方を「オワコン」にしてはいけません。

 

コムサポートオフィス代表
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