先日、山陰海岸ジオパークのガイド部会の会議がありました。
山陰海岸内から様々なガイドの責任者が集まっての会議。
その会議の中で、マーケティング的な気づきがありましたので、お話したいと思います。
おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
ガイドで生計を立てている人と立てていない人との温度差
ジオパークにおいてガイド部会として話をしていてどうしてもかみ合わないところがあります。
これ、この地域でもそうだと思うのですが、ボランティアガイドとアクティブガイドの感覚の違い。
ボランティアガイドとは無償でガイドをやっている人、という意味ではありません。「ガイドで生計を立てていない人」という意味です。
アクティブガイドとは「ガイドで生計を立てている人」です。
これ、どっちが正しいとか、どっちが偉いとかという話ではないんです。
地域にはどちらも必要です。
でも、一緒に会議をするとかみ合わない部分が多々出てきます。
そんな中で、金銭感覚の違いを認識することがよくあります。
ガイドの料金、どうやって決める?
ガイドで生計を立てている人と、ボランティアで無償、もしくは低料金でやっている人の違い。
この是非の話をするのではありません。
今日のお話はガイド論ではなく、一般的なビジネスにおいて、人件費を考えずに安くで価格設定をしてしまう人に知っていただきたい話です。
ついつい安売りしてしまう人にお読みいただきたい話です。
価格設定の仕方です。
さて、皆さんが観光ガイドとして商売を行う際、ガイド内容と価格、どちらを先に決めますか?
多くの方が
ここでこんなガイドをしよう
料金はこの内容だといくらぐらいもらおう
と、価格を設定していないでしょうか。
つまり、ガイド内容を決めてからそれに見合った価格を決める。
世の中の相場というのもあります。
例えば、私のやっているダイビングガイドの場合、現地サービスでビーチダイビングをすると大体1万円ぐらいです。(レンタル器材代等によって料金は変わる)
これが観光ガイドの場合。
一か所の観光地をガイドするだけだとついつい一人100円とか300円。あるいはバス1台1000円とか2000円とかしてしまいがちです。
仮にその拘束時間が1時間程度であったとしても、人一人あたりの人件費がまかなえるでしょうか。ボランティアや補助金で運営されているのであれば良いかもしれません。
が、それだと事業として持続できません。補助金が打ち切られる。あるいはボランティアメンバーがいなくなった時点で事業が消滅します。
やはり、商売として食べていくだけの報酬のもらえる、事業として成り立ったガイド運営が必要になります。
ダイビングや山岳ガイドのように一人1万円前後もらえるガイド。
それはダイビングだから、山岳ガイドだから、だと我々は考えてしまいがちです。
確かにダイビングや登山は高付加価値になります。であれば、観光ガイドだって高付加価値にすればよいわけです。
つまり、ガイド内容を決めてから価格を決めるのではなく、価格を決めてからガイド内容を決めるのです。
じゃあ、観光ガイドで高価格帯設定できるのか。
その考え方については以前お話ししました。
観光ガイドで高価格は無理。
最初からそう決めつけてしまう人には無理です。
でも、アイデアが創出できる人にとっては、可能性無限大です。
この考え方は全ての商売に当てはまる
この考え方、全ての商売に当てはまります。
例えば、自分がうどん屋さんをしたとします。
うどん屋さんは国産小麦を使った手打ち麺から駅の立ち食いそばまで料金はピンキリです。
自分が1ぱいいくらの価格のうどんを販売したいか。先に値段を決めれば、その価格に見合った食材や味を用意できます。
この価格設定だと自分が決めた値段から揺るぎません。
その値段に定めた理由が明確だから。
逆に味や食材を決めてから
これ、いくらで販売しようかな
って考えると、どうしても世の中の実勢価格に流されます。
つまり、競合他社の価格を見てしまう。
最初に高くで設定しても売れなかったら安易に価格を下げてしまう。
1000円で売りたいものを800円、700円と安売りしてしまう。
売り手自身が価値を認めきれていないから安売りするのです。
安売りできないぐらいの価値、それをはっきりと言えれば、最初に決めた価格は揺らがないのです。
先に食材や味を決めますか?価格を決めますか?
商品が先に決まっていてしまっては価格を下げることは簡単でも、上げることは難しい。
先に価格を決めてみて下さい。
価格を決めてからその価格にふさわしい内容をブレストするのです。
大切なのは薄利多売、数を追いかけないこと。
情報過多、多趣味な時代でかつ、人口減少社会です。
それを良いって思って下さる人にしっかりと思いを、価値を伝える。
多利少売を考える。
どんなに売れても数を増やさない。
買えない人が増えれば増えるほど
まさにそれは観光ガイドの現場が証明しています。
300円のガイドを1万人するよりも1万円のガイドを300人です。
300円のうどん1000杯ではなく、1000円のうどん300杯です。
特に地方ほど価値の高い食材、物語を作りやすいのですから、プライスファーストの考え方は必須です。
コムサポートオフィス代表
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