先日、ガイド養成講座とマーケティングセミナーを合体させた講座を”ジオガイドアドバンス講座”ということで開催しました。
なかなかこのお話をされる方はまだジオパークの世界においては少ないはずです。
普段はマーケティング会社。時々ジオガイド。でもって、ガイドビジネスについての学術的研究もしている。
これ、コムサポにしかできない講座なんじゃないかと自負しています♪
おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
今、”ジオガイド”の名で活動されている方で、ビジネスが成り立っている人ってどれぐらいいらっしゃるでしょうか。
おそらく、全国で片手もいないと思います。仮にいたとしたら・・・
恐らくその方、別に「ジオガイド」と名乗らなくても「エコガイド」や「ネイチャーガイド」って名乗ってお金のとれるガイドさんだと思います。ズバリ、ジオパークが存在していなくても食べていけた人たちです。
では、ジオガイドとお金のとれるネイチャーガイドとの違いは何でしょうか?
ガイドは勉強したことの発表の場ではない
知識から入ることは決して悪いことではありません。ガイドならば地域のこと、地域でPRできる自然・文化・風土等様々なことを学び、説明できるようになっておくべきでしょう。
でも、それをお客様に伝えてガイド料をいただくのは非常に難しいです。なぜならば、お客様がガイドに求めているのは”知識”ではないからです。本やパンフレットに書いてあること、Webで検索すれば書いてあることは帰って調べればわかります。あるいはその場でスマホでググることだってできます。知識的なことを聞きたくてお金を支払ってまでガイドをつけたい人なんて、ごく少数です。
お客様が知りたいのはガイドブックに
掲載されているような専門知識ではない
お客様はガイドが勉強したことの発表会を聞きに来ているわけではありません。ただただその土地を楽しみたいのです。ガイドの一番の役割は「知識の伝達」ではなく「楽しませる」ことです。
ガイドの存在価値をマーケティング発想で考えよう
では、ガイドにおいてお金を頂けるほどの価値ってあるのでしょうか。実はいくらでもあります。その為に今回、以前城崎温泉で行った和歌山大学井口先生のワークを取り入れました。
知識をしっかりと持っているガイド。これは10円のうまい棒です。このガイドの存在価値を百円、千円、1万円に高めるにはどうすればよいか。
うまい棒を高くで売る方法は思いつくならば、ガイドだって高くで売る方法を思いつくはずです。
ここで間違えてはいけないのは、10円のものをダマして百円や千円で売ろう、というのではありません。お客様にお金を支払ってもらうだけの満足度の高いガイドプログラムを考える、ということです。
発想を逆転させよう
自分たちのガイドでいくらお金をもらえるか
と発想しがちです。
これだといつまでたっても一人300円、とか500円、という発想しか生まれませんよね?
ここをガイドして1万円いただくには(しかもそれで喜んでもらうには)どうすればよいか
と考えるのです。
これがマーケティング発想です。
なぜ、このマーケティング思考ができないのか。
ジオガイドにおいて言えるのは、ボランティアガイド思考、補助金運営思考が浸透してしまっているからです。
この思考の問題点は地域の力で「稼ぐ」という発想を奪ってしまうことです。
ジオパークが登場した時、ジオパークを説明できる人=ジオガイドの育成が求められました。いわゆる先行地とされるジオパークが積極的に行政が中心となってガイドシステムを構築しました。
元々アクティビティガイド、エコガイドをされていたところは問題ありませんでした。現行のビジネスにジオパークのエッセンスを組み込めばよいだけです。
でも、この時に量産されたジオガイドはその多くがボランティア、もしくは補助金で成り立ったガイドでした。
若い人が職業として行うことはできないし、補助金がなくなったら存続できない。いわゆる「持続可能」ではないわけです。
今こそ必要なのは「稼ぐ力としてのガイド」の存在。もちろん、ボランティアガイドを否定するわけではありません。ボランティアガイドだけを育成するのではなく、きちんと稼げるガイドも育成すること。
では、「稼ぐ」ってどういうこと?
それを考えるのがマーケティング思考なんだと思います。
「お金を稼ぐ」ということを前面に押し出すことに罪悪感を持ってらっしゃる方が多いのは事実です。
でも、ボランティアや補助金中心のガイドシステムを構築しても、人口減少や補助金削減と共に消えゆく仕組みとなってしまいます。
持続可能な地域にしていくために。
マーケティング思考で考えるのは、地域を持続可能にしていくために避けては通れないことだと私は認識しています。
コムサポートオフィス代表
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