宿泊予約サイトっていくつあるんでしょうね。
いわゆる国内2強はじゃらんnetと楽天トラベル。
それ以外にもたくさんあります。
黒船組がブッキングドットコム、アゴダ、エクスペディア。
おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
その他と言ってしまいましたが、個性的な路線のサイトもあります。一昔前ならば高級志向の一休.com。今ならばRelax。安売り、値引きをフックにしたトク―とか。
どことお付き合いするか。最近はサイトコントローラーというものが登場したため、在庫管理が楽になったため、販売間口を広げるためにたくさんの予約サイト(OTA)に登録した方が良い、という流れになってきていると思います。
私もねっぱんを使っています♪
インバウンドをやっていない宿泊施設の場合
外国人観光客の受け入れ。いわゆるインバウンドに積極的でない宿泊施設の場合。海外のOTAとは取引をしない方が良いかもしれません。
Google検索からの空き室状況が
全て海外OTAになってしまいます!
Google検索とは本来、直予約、自社サイトへの動線を得るためのもの。
Google検索で空き室状況がいきなり出てきた場合、Webに詳しくないお客様は一番わかりやすく表示されているところから予約をされる可能性が高い。
となると、Google検索からの動線は一番露出の高い部分です。自社サイトであるかのように空き室状況として提示されているのは、国内OTAよりも手数料の高い海外OTAばかりなのです。
直接宿泊しようと屋号検索したお客様をインターセプトして予約サイト経由にされてしまっています。
支払わなくてもよい手数料が突然15%も発生してしまうのです。
こんな商売が成り立っているのも「なんだかなぁ」ですし、そうやって利益をかすめ取られていることに気付いていない事業者が多いというのも大問題です。
とりあえず、海外OTAに参画していなければ。部屋提供を止めれば。
以前は確か国内OTAへのリンクがあったように記憶しています。
国内OTAはこの部分のリスティング広告から撤退したのでしょうね。
この辺の詳細は昨日のブログをご参照ください。
国内予約サイト(OTA)だけの場合
国内予約サイトだけでもたくさんあります。
これらも数多く登録した方が良いのか。
お客様に自社を知ってもらう可能性を少しでも多くしたい。
その為には一つでも多くの予約サイトに登録した方が良い。
これまではそんな考え方でした。
サイトコントローラーの登場がその管理のわずらわしさも解消した。
でも、実際に私がやっていく上で違和感が出てきたのは
どこの予約サイトにも部屋提供しているはどんなお客様もウエルカムと言っている
ということになるのではないか、ということ。
もちろん、私の宿が50室とか100室とか部屋数がある場合はそうするでしょう。
でも、私の宿のように10室以下の宿の場合。
宿としての魅力があれば、一つの予約サイトだけで一ぱいにできるでしょうし、魅力がなければいくつ予約サイトに登録しても結局は一緒なんじゃないかなって思ったのです。
むしろ、一つの予約サイトで良い評価を集中させた方が、その予約サイトでの掲載順位が上がり、見つけてもらいやすくなります。
じゃあ、どこの予約サイトに絞れば良いのか。
自分と相性の良いサイトを見つければ良いのだと思います。
予約サイトの絞るという発想
私は楽天トラベル1社に絞っています。理由は色々ありますが、だからと言って他の宿泊施設さんに楽天トラベルを強くお勧めしているわけではありません。(勿論、私の目から見て”楽天トラベル”向きだな、とお勧めする宿はあります)
私が楽天トラベルに絞ったのは
・ユーザー層がじゃらんnetよりもやや高め。自社層にあっていた。
・宿の個性を表現するツールが数多くあり、独自化を表現しやすかった。
・私自身がWeb集客が得意だった。
という理由があります。
この夏に楽天トラベルトップマイスターとなった竹野海の音さんにも最初「あなたの宿は楽天トラベル向きだと思いますよ」と最初にお伝えしました。
他にも以前、相談を受けた方にじゃらんnetに絞った方がいいよ、とアドバイスしたお宿さんもあります。
・若年層ターゲットの宿だった。(じゃらんnetはホットペッパービューティ等で若年層会員に強い)
・自社サイトや楽天トラベルのカスタマイズページを作る予算がない。SNSも苦手。自社サイトに予約を集中させる手段を持っていないので、いっそのことじゃらんnetに予約を集中させた方が良いと判断)
といった理由からです。
小さな宿が2強の予約サイトどちらからもたくさんのお客様を送客してほしい、と思うのって実は効率悪いです。
見せ方も伝え方も変わるのです。下手すると自社のイメージとは異なるお客様が来てしまい、思いがけない低評価のクチコミをもらってしまう、なんてこともあります。
特にじゃらんnetはクチコミの”点数”が集客に与える影響力が大きいです。悪いクチコミ、点数をもらうことが致命的。小さな宿はクチコミ投稿数も決して多くないので、悪い点数をもらうと平均点に与える影響力が大きいんですね。
なので、自社にあわないお客様がいらっしゃるケースの多い予約サイトは避けた方が良いです。
以前、予約サイトは一休のみ、とされているお宿さんもありました。これもそういった考え方かと思います。
私のお勧めの考え方
私は予約サイトについて相談を受けた時、ほぼこのようにアドバイスします。
(1)最初はたくさんやってみた方がいい
まず、最初は色々な予約サイトに手を出してみたらいいよ、とお勧めしています。
その際、サイトコントローラーの契約を忘れずに。今、その辺をまとめて設定してくれる業者さんもあります。
但し、販売チャネルを増やすためではありません。
自分にあう予約サイトを見つけるためです。
ここを間違えるとうまくいきません。
(2)あわない客層の多い予約サイトは止めよう
その中で客層が「あわない」と思った予約サイトは思い切って止めちゃいましょう。そう。送客があっても”止める勇気”を持つことが大切です。
最初に色々な予約サイトと取引してみるのは、自分の宿と相性の良い予約サイトを見つけるため、と思うことです。何事も取引してみたいとわからないこともあります。
ただ、単に契約だけして送客のある予約サイトってなかなかありません。時には予約サイト内広告も必要な場合も。そういった広告費を複数の予約サイトにかけるのは難しいですよね。
(3)自社にあうお客様層って?自社の強みって?
あうあわないがわからない、止める勇気を持てない。この原因は自社の強みがわかっていないからです。こういうお客様に喜んでもらえる。喜んでもらえるお客様が多い予約サイトだけを選ぶ。
自社の強みを理解し、自社にあうお客様が来てもらえるような発信、写真・キャッチコピー、プランタイトルや内容にすることが大切です。
(4)小さな宿ほど間口を狭めよう
客室数の多い宿は少しでも間口を広げなければならないかもしれません。でも、小さな宿は
「どんなお客様でも良いから来て下さい」
だと今後誰からも選ばれない宿になってしまうリスクは高くなります。自社と相性の良い予約サイトととことん仲良くする。これも一つの方法です。
(5)最終的には楽天トラベルとじゃらんnet どちらか一方にした方が良い
これが難しいかもしれませんね。でも、自社の独自性と相性がわかれば、どちらか一方に絞ってしまうのが良いです。特に小さな宿ほどは。
理由は、かけられる予算を一つに集中した方が良いからです。例えば楽天トラベル。部屋提供数でA契約とC契約があり、その差が2%あります。年間1千万円の売上があったら20万円余計に支払いしなければなりません。たくさんの予約サイトに部屋提供すればするほどA契約のアロットメント(半年間95%以上の客室提供)を守れなくなります。
続いてじゃらんnet。強制ではありませんが、本気でじゃらんnetだけに絞って集客するならば販促パックに入るのも一つの方法です。ということは年間24万円の販促費が必要になります。これだけのお金をかけるのだったら、私ならばその費用対効果を出したいと考えます。
どちらにせよ最悪なのは楽天トラベルはC契約で高い手数料、じゃらんnetは販促パックに入っている。どちらにも余分のお金を支払ってどっちつかず。どちらからも中途半端な集客しかない、となってしまうケース。
これが一番避けなければなりません。私の想像ですが、このパターンになってしまっているお宿さん、多いのではないでしょうか。
(6)インバウンドを本気でやるなら海外OTAもあり
昨日のブログ、今日の冒頭で海外OTAについて否定的な意見を書きましたが、本気でインバウンドを考えるのであれば、海外OTAとの取引を開始するのも悪いことではありません。現状のまま国内集客では厳しいのであれば、インバウンドも要検討事項です。
以上、私が質問された場合にお応えできる範囲内のことを書いてみました。もちろん、これが絶対ではありません。事業者さんそれぞれ思うところはあると思います。小さな宿が自社の独自性を発揮して価格競争に巻き込まれることなくやっていくにはこの方法が良いのではないかな、と思っています。
広く浅く、間口を広げるは誰からも選ばれない。お金や手間を投入するならば一つの予約サイトに絞る。小さな宿にはこれがベストなんじゃないかと思うのです。
コムサポートオフィス代表
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