先日、新たなホテル予約の動きとして以下のようなブログを宿の方で書かせて頂きました。
あくまでも消費者側の立場に立って宿ブログの方で書きました。
最近、ホテル予約の際、事前カード決済のみ、予約した直後でもキャンセル料100%というプランが複数軒出てきている、というお話です。
まだまだ知らない旅行者の方が多いと思い紹介させて頂いたのですが、旅行業界、宿仲間の皆さんを中心にとても反応がありました。
お話をしていくうちに、これが当たり前の時代がもうすぐやってくるかもしれない、と思うようになってきました。
その理由をお話ししたいと思います。
おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
昨日のコムサポブログでもその序章としてのお話を書きました。
今、宿業界で問題になっている間際キャンセル。いわゆる仮予約的に宿を押さえ、キャンセル料のかかるギリギリに行くかどうか決める、といったものです。
実際に守られないことが 収益構造を阻害しているキャンセル規定
8月の土曜日をぜーんぶ予約。行ける日を確定させてから行けない日の予約分をキャンセル。
第一希望の宿をキャンセル待ちしておいて、第二希望の宿をとりあえず予約しておく。キャンセル待ち第一希望の宿が取れた時点で第二希望の宿をキャンセル、みたいなやり方も。
クリック一つで手軽に予約&キャンセル
この手軽さが困ったことに・・・
ネット予約が普及してきてお客様もクリック一つで予約&キャンセルのできるネットの利便性を活かした活用方法をどんどんするようになります。
が、宿側の予約は旧態全のまま。
私が30歳の時に宿のお仕事をはじめてビックリしたのはキャンセル規定があってもそれを守らないお客様が多いということ。
これは宿対お客様の間どころか、宿対旅行会社でもそう。キャンセル料のかかる間際に大量キャンセルならまだしも、キャンセル料が発生する間際でもキャンセル。キャンセル料を要求しても「次の送客で穴埋めするから」の一言でうやむやに。実質キャンセル料なんてない業界、もっと言えば、こんなルールすら守れない業界にビックリしました。もちろん、宿側の立場の弱さにも驚きました。
対お客様でキャンセル料を請求した場合、ちゃんと支払われるお客様の方が近年増えてきました。特に20~30代のお客様はちゃんと払われる傾向にあります。
「そんなの聞いてない」「予約の時に言われていない」「他の宿ではとられなかった」と、ごねて支払わないのは意外と年配の方に多いです。
いずれにせよ、キャンセル規定がキャンセルの抑止力とならないようではビジネスとして波状しています。実際、キャンセル料金の未回収、ブラック顧客の共有化等の問題が宿業界の収益構造を阻害する一因として挙げられています。
でもこの問題、宿泊施設側がキャンセル料はもらいにくい、もらえない、という風にあきらめてしまっていることに一番の問題があるような気がします。
確かに未回収のキャンセル料を把握し、請求し続ける手間を考えるとあきらめた方が早いかもしれません。でも、この悪しき慣習をどこかで断ち切らないと、ネットの利便性と共にこの手の踏み倒し予約は増えることはあっても減ることはないのです。
仮予約、間際キャンセル乱発による客室稼働率への悪影響
更には昨日お話しした繁忙日、人気日の早くからの仮押さえ、キャンセル料のかかる直前の大量キャンセル。急な空室が埋まらない、人気日なのに空室が出る事態も生じてきています。本気でその宿に泊まりたかった人が泊まれない状況です。
インターネット予約は様々なお客様の間口を大きく広げたメリットもありましたが、海外からの予約も入ってくるようになりました。
日本の商慣習は信用取引です。仮にキャンセルが発生し、キャンセル料をいただくとしても発生してからの後請求です。海外では予約した時点でデポジット(保証金)を要求されます。(実際はFAX等によるクレジットカードの番号提出)
予約保証金をとらない日本の予約システムは仮予約し放題、予約キャンセルもしないまま放っておいても大丈夫という事態も起こしてしまいました。
実際私の宿も以前に、海外からの空予約がたくさん入って困ったことがありました。
近年、予約システムに事前カード決済を導入されることが多くなりました。これにより、連絡なしキャンセルは減りました。が、キャンセル料の発生を3日前とか1週間前にしていると、そのギリギリまでキャンセルしてもらえないという問題が新たに発生しました。
事前カード決済は世の中の仕組みを変え、
グローバルな方向へ持って行った
そこで、既に始まってきたのは予約と同時に即時キャンセル料の発生、しかも予約した時点で100%のキャンセル料を事前カード決済から徴収という予約プランを作るホテルが出てきたのです。
詳しくはこちら↓↓↓
皆さんはこの流れ、どう思いますか?
私はこの流れ、止められないと思っています。お客様の性善説に基づき、信用取引をし続けていたこれまでのやり方はもう日本でも続かなくなっている。少なくともインターネット予約とネットによるカード決済が便利になってきた今の時代は、その時代にあった商取引に変わってくるのではないか、と思うのです。
どんな宿でも今からすぐに始められる
自社サイトの予約システムに対しては制限があるかもしれませんが、予約サイトに関しては全てを事前カード決済でしか予約を受け付けられないようにする、ということは今からすぐにでもできます。
更に、キャンセル規定も予約時即キャンセル料発生という設定もできます。キャンセル料を100%にすることも可能です。
こんなこともできます。
同じプランタイトルを閑散日用と繁忙日用2つ作成し、閑散期用は現地決済OK、繁忙日用は事前カード決済のみでキャンセル料即時発生とする。
既にそれをできるシステムは予約サイトに参加している宿泊施設であれば、皆さん持っています。
但し、そのためにはお客様の支払いをクレジットカードで受けるというのを当たり前と思う文化にもう慣れる必要があるということ。
実はこの問題、カード導入すら消極的な日本のサービス業だからこそ旧態全なまま、という背景があると私は感じています。
勿論、日本のクレジットカード手数料が我々事業者にとってまだまだ高いからというのもあります。国もクレジットカードの利用促進を我々観光業に促すのであれば、もっともっとカード手数料を下げる施策をしてほしいと思います。
何より、カードを導入することで、キャンセル料がきちんと徴収できる仕組みづくりができる。間際キャンセルを指せない仕組みを構築できる、ということを業界全体で取り組んでいかなければならないと思います。
もう既に始めているホテルがあるのです。
まずは、事前カード決済をはじめてみること。繁忙期だけでもキャンセル料のかかる仕組みを検討してみる。個々の事業者さんが問題意識を持って取り組む時期に来ています。
コムサポートオフィス代表
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