先日、Facebook友達のゆうちゃんのブログでるるぶトラベルの手数料値上げの情報を知りました。
ヤフートラベルの終了で、予約サイトの手数料が上がってくるのは間違いないでしょう。私自身、既に半年前に予言させて頂いていました(苦笑)。
おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。
るるぶトラベルと言えば、じゃらんネット、楽天トラベルに続き、国内予約サイトの3番手。(2強からは少し引き離されていますけどね)旅行会社大手JTBが運営する予約サイトです。
この値上げによって手数料がほぼ横並びとなりました。これ、どこまで上がるでしょうか?
予約サイト手数料の現状
予約サイト(OTA…宿泊施設様と契約し、宿泊プランをインターネット販売する旅行会社、ともいう)は現在国内と海外に分けて考えても良いかもしれません。
国内予約サイト
じゃらんネット、楽天トラベル、るるぶトラベル。ザックリ言ってしまうと3社とも手数料は10%です。ポイント率やPPC広告負担等踏まえると、楽天トラベルもA契約で7%と言われていますが、実質10%ぐらいかかっていると思っておいた方が良いです。
つまり、今や大手3社はほぼ同じ手数料と思っておいて下さい。
また、それぞれに対してオンライン決済での予約が可能です。その場合の手数料はプラス2%。現地決済される場合でもクレジットカードで支払うお客様は多いです。この場合だと3%前後のプラス。
国内主要サイトの手数料はカード手数料込みで12~13%というのが私の中での感覚です。
海外旅行サイト
海外予約サイトと言えばブッキング・ドットコム、アゴダ、エクスペディア等が有名です。こちらの手数料は12~15%です。
但し、アゴダとエクスペディアはオンライン決済でのカード手数料込み、ブッキング・ドットコムは現地決済での手数料です。
海外の方がやや高め、という印象を持つのは、夕食が含まれていない宿泊販売が一般的な海外の影響かと思います。
例えば、海外での宿泊では、1泊2食付という概念がありません。素泊まりか、朝食付(B&B)プランです。日本の旅館、民宿は夕食付で提供するのが一般的。夕食が最も原価コストのかかる部分です。
実は、「黒船」としてエクスペディアが日本にやってきた時、手数料はもっと高かったのです。当時日本の予約サイトが10%以下でやっていたのを見て下げてきた、というのが実態です。
今だから話せるのですが、私はむしろ、海外予約サイトが15%ぐらいでやってきたら、国内予約サイトも軒並み15%まで値上げしてくることを予想していました。
が、国内予約サイトは別の方法をとってきたんですね。
広告収入で補てんしている2強国内予約サイト
じゃらんネットは8%が10%に。楽天トラベルは8%据え置きですが、PPC広告費用と消費税込み手数料マジックで実質10%です。
10%ぐらいならば海外の15%ぐらいに比べると、と思ってしまいそうですが、実は別の収入先を持っています。それが広告収入です。
バナー広告やキャンペーン収入の多い楽天トラベル
元々楽天トラベルはキャンペーンでの広告収入が巧みでした。私の場合、以前冬はカニ特集に参画したり、ポイント10倍、クーポン等。それぞれ月ごとに支払いがありました。最近では宿クーポンというのも始まり、こちらでの手数料支払いも発生していきそうです。ちなみに私は全ての参画を止めました。なので、手数料10%以外の支払いは発生していません。
ただ、予約サイトに登録しただけでお客様は来ません。アクセス数を増やす手段を講じなければなりません。
販促パックという固定収入を得たじゃらんネット
楽天トラベルでは無料で利用できるフォトギャラリー、メルマガ機能、宿ブログ等がじゃらんネットでは月税別2万円と有料です。つまり、月100万円しか売上のない宿だと2%余分に手数料を支払っていることになります。
今年から販促クーポンというのも始まりました。もちろん、楽天トラベルと同様にポイント10倍やバナー広告も有償で行っています。
つまり、2強はどちらも売上に対する手数料は10%までに固定し、手数料以外のところで儲ける方にシフトしていったのです。
この部分での売上に特化し、販売手数料をとらないやり方に挑戦したのがヤフートラベルでした。しかし、それが終了したというのは事実上広告のみで行うビジネスモデルの敗北宣言です。
手数料が売上に与える影響
皆さんは手数料が売上に与える影響をきちんと計算できていますか?販売価格の8%は消費税です。私の宿の場合税込16200円という価格のプランが多いです。税別15000円という意味ですね。更に10~15%の手数料です。これ以外に宣伝広告費が別途かかる場合もあります。中小零細企業の広告費は売上の5~10%ぐらいと言われています。
食事付の場合、仕入れコストは何%にしていますか?これは泊食分離で考えないといけません。1泊2食付で15000円のうち素泊まり分はいくらですか?5千円だとすれば朝夕食の料金が1万円です。そのうち仕入れが40%ならば4千円、50%ならば5千円です。ということは、仕入れコストは全体の25~30%ということ。
これらを合算すると既に宿泊代金の半分以上がなくなっています。残りで設備維持費や人件費をまかなうことになります。
私の感覚ですが、手数料+広告宣伝費が15%。これが限界です。私が宿クーポンや販促クーポンが危険だなぁ~と思う理由。これは、値引きと手数料のダブルパンチで利益を削るからです。
そういえば私、サラリーマン(営業マン)時代にものすごーく言われていたことがあります。
値引きは売上価格を下げるのではなく利益を急激に下げる
ということ。
そりゃそうですよね。
売上が10、利益が5の商品があったとします。2割引したところでお客様は10のうち2減った認識しかありません。でも、販売者側は5のうち2も減ってしまうのです。
更には楽天トラベルの宿クーポンは値引き前の価格に対しての手数料です。
詳しくはこちら↓↓↓
海外予約サイトはとんでもない手数料率を準備して黒船来航の如くやってきましたが、泊食一体型販売の日本の旅館でその手数料を徴取することは難しかった。
国内予約サイトも10%から先になかなか進む事は出来ない。
そこで、手数料据え置きで別のやり方にて徴収しているわけです。もちろん、じゃらんの販促パックや楽天トラベルの宿クーポンをするしないは各事業者さんの自由です。
でも、予約サイト内広告というのは、客室10室以下の宿でも100室以上の宿でも支払う金額は同じなのです。はっきり言ってしまえば、小規模施設が手を出すものではありません。
年商10億円の宿にとって年間税別24万円の販促パックは微々たるものですが、年商1千万円とか2千万円の宿にとってはとてつもなく思い出費ですよね。
ですからこう考えて下さい。15%のうち既に手数料で10%。カード手数料で更に2~3%。つまり、あと15%までの余力は2~3%しかないのです。
余力をどこにつかうのか絞ろう
2~3%の余力をどこに使うか。あくまでも小規模宿泊施設の場合です。ここで私が考えたのは、
注力する予約サイトを絞る
ということ。
私が楽天トラベルしかやっていない、じゃらんネットをやっていないのはそのためです。
数ある予約サイト。今はサイトコントローラーがあるので、数出して間口を広げておいた方が良い。そう思うかもしれません。でも、私は逆にグーグルで屋号を検索したら
あるいは最近では
正直、一番相性の良いと思う予約サイトだけに絞ってやった方が効率よく集中して集客しやすいです。
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その予約サイトから入ってこなくなったらどうするの???
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大丈夫です。私は10年後、20年後、今のこの予約サイト主流の時代は終わると思っています。
別の集客手段に変わっているでしょう。なぜ、そう言い切れるのか?
じゃらんネットも楽天トラベルも20年前は存在していなかったんです。であれば、20年後なくなっている可能性もあります。
一つの予約サイトだけに絞るのは不安、と思うのと、そもそも予約サイトでの集客に未来はない、は同じことと私は考えています。
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20年後、予約サイトはなくなっているの???
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私がどう考えているか。
続きは明日。
コムサポートオフィス代表
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