今回のブログでは、Googleビジネスプロフィールで停止や無効化された方に向けて、回復するまでの手順の紹介や、Googleビジネスプロフィールのヘルプコミュニティに寄せられる相談に多い、主な3つの停止・無効化のパターンを、プロダクトエキスパート活動の経験からご紹介します。
2024年3月上旬、Googleビジネスプロフィールで停止・無効化された場合の回復方法が変更されました。それにより、今までは割とゆるゆるだったガイドラインが厳格に適用されるようになり、停止から回復できずに、公式ヘルプコミュニティに相談するケースが急増しています。
私はGoogleビジネスプロフィールの公式プロダクトエキスパートとして、毎日、ヘルプコミュニティに寄せられる質問や相談に回答するボランティア活動をしています。
3月中旬以降、Googleビジネスプロフィールで停止・無効化された場合の回復スキームが変更になって、それまで停止されたときの相談はサポートチームが受けていたのに、ヘルプコミュニティへ相談を回してくるようになりました。その結果、毎日、停止や無効化されたビジネスの回復方法について相談に載っているうちに、あまりの多さに、次のコミュニティガイドを作るほどでした。(ブログを書いた2024年4月27日現在、1ヶ月あまりで閲覧数1000回を超えました!)
停止や無効化された時に、ヒントになる「Googleからの停止通知」
以前は停止になったときに、何が悪かったのかがざっくりとしてよく分からない文章のメールが届いていました。
3月の改訂で、今では2カ所を見ると、引き金になった違反の種類が分かり、何が原因だったのか、ほぼ分かります。(原因は1つとは限らないんですけどね)
赤枠の部分で見るポイントは以下の通りです。
①違反の種類
どんな違反をしているのか、該当するポリシーを記載。
(「禁止および制限されているコンテンツ」を参照ください)
②「詳しくは、Googleの●●●●●●●●をご覧下さい」
ここに示されたURLをクリックすると、詳細に示された内容の部分に遷移。
(「Google ビジネス プロフィールのポリシーの概要」を参照ください)
ここで引用されるヘルプページ「Google ビジネス プロフィールのポリシーの概要」を見ると、その原因がGoogleビジネスプロフィールのガイドライン違反によるものと、Googleアカウントの違反が原因で停止されるケースに分類されます。
まず、そこを切り分ける必要があります。(→そのどちらも原因ってのも、もちろんあります)
停止されてから回復までの道筋
申請フォームが3月中旬以降、変更されて、今は以下のようになっています。
①停止された際に届くメールを見て、ガイドラインに遵守するように修正する
②証拠書類を準備し、写メかPDF化する(→これが2番目に重要!)
【※証拠書類(追加審査リクエストフォームから抜粋)】
●再審査を請求するリスティングの情報と一致するビジネス名と住所が記載された事業登録証か営業許可証。受け付けられるのは、正式な事業登録証、営業許可証、納税証明書などの書類です。日本の場合だと、確定申告書、税務署に出す開業届などです。
●事業登録証、営業許可証、または納税証明書の記載と同じ会社名と住所が記載されている公共料金の請求書。電気、電話、ガス、上下水道、ゴミ処理、リサイクル、テレビ、インターネットのいずれかの請求書が該当します。
③回復させる必要性、そして、ビジネスプロフィールのどこを修正したかをテキストでメモ帳などに記載しておく(→3番目に大事)
④再審査請求管理ツールで【再審査請求】をクリックした後に、「証拠を追加」(赤枠部分)をクリックして、指示に従い、証拠書類2点を添付し、ビジネスプロフィールの修正箇所を丁寧に記載し、送信します。
ここが一番重要なポイントですが、「証拠を追加」を押してから60分以内に証拠書類を添付して、ビジネスプロフィールの修正箇所を必ず書いて送信しなければ、再審査は受理されません。
(重要な手続きなのに、「証拠を追加」の青字の何と小さい事よ・・・)
⑤審査結果はメールのほか、再審査請求管理ツールでステータスが表示されます。目安は2−5日くらいです。
⑥もし「不承認」となった場合には、更にビジネスプロフィールを修正して、「再審査請求の追加審査フォーム」から、もう1回だけ審査をお願いすることができます。もし、再審査を申しこむのであれば、証拠書類は1回目よりも多く提出したり、復活しなければならない理由や、1回目から更に修正した点を丁寧に記載し、この審査でGoogleの中の人を説得できるようにしてください。
証拠書類などはZipファイルで追加できますので、もし実店舗であれば看板がハッキリ映る外観写真と、お客様と対応する応接室の写真も合わせて追加ください。
⑦審査結果はメールで来るほか、再審査請求管理ツールでステータスを見ることができます。
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https://support.google.com/business/contact/local_appeals
停止・無効化されたビジネスの傾向やパターン 主な3つのパターン
停止や無効化されたビジネスについて、英語と日本語のヘルプコミュニティの相談を見てきて、申請につまずくビジネスの傾向やパターンが見えてきました。今回はガイドライン違反による停止事項から、相談の多い3つのパターンを選んで、ご紹介します。
開業前のビジネスプロフィールで、オーナー確認後に、開業予定日を登録した
開業前にビジネスプロフィールは確かに登録できるのですが、開業予定日を登録する順番を誤ると停止されます。
開業前のビジネスプロフィールの登録方法は以下の通りです。
①ビジネスプロフィールを新規に登録する。
②オーナー確認をせず、その画面で「後で」を選択し、一旦終了する。
③ビジネスプロフィールの編集画面の一番左上のアイコン【プロフィールの編集】をクリック。
④画面の中で「開業日」に、開業予定日を入力
⑤その後、ビジネスプロフィール編集画面で「オーナー確認をする」をクリックしてオーナー確認を行う。
・・・以上のように、オーナー確認を完了する前に開業予定日を入力しないといけません。これを誤って、オーナー確認後に開業予定日を入力した場合、Googleは「既に営業している店舗を登録したんじゃないの? まだそこでお店が営業していないのに、営業してると偽って登録したの?Googleを騙したのか!」となってしまいます。
ですので、違反の種類は
「詐欺的なコンテンツと虚偽の振る舞いに関する Google のポリシーに違反しているコンテンツは許可されません。詐欺的なコンテンツとは、故意に他者を欺いているコンテンツを指します。」
になっています。
新規店舗のオーナー登録は、たいていは動画によるオーナー確認となり、内装や看板、電話が無いと登録できなくなっています。以前の「ハガキによるオーナー確認」よりはハードルが高いと思ってください。
たーまにGoogleのプロダクトをよく使っているユーザーさんがオーナー登録するときに、携帯電話の番号でオーナー確認があっという間にできたり、オーナー確認をスルーされる時があるんですよ。なので、トラブルが絶えなかったりするわけで・・・。
もしビジネスプロフィールの停止が解除されないまま、開業していないのに、Googleマップに「営業中」と表示されてしまっている場合には、ビジネスプロフィール編集画面から、又はGoogleマップのユーザー申請から「臨時休業」と登録して表示させているビジネスもあるようです。まぁ、出鼻くじかれる感じになりますよね。
登録操作を誤って開業前に「営業中」と表示されることだけは防ぎたいので、私がそういう事業者から相談されたときには、開業後にビジネスプロフィールを登録することを勧めています。(そもそも、開業前のビジネスは検索結果にすぐに表示されないし) それまではSNSなどでの発信、公式サイト、町のフリーペーパーなどで情報発信をするほうがリスク少なくて良いかもしれません。
Googleビジネスプロフィールのビジネス名と看板の表示名、証拠書類、公式サイトのビジネス名が一致しない
最も多く重篤なガイドラインの違反である「ビジネス名」。Googleは実店舗での営業では特に「ビジネス名と原則一致した固定看板を掲示する」ことを求めています。その他、キャッチコピーなどを含めない、全て大文字にしないなど、ガイドラインを設定しています。(詳しくは以下を参照ください)
この条件に従わず、ビジネス名にキャッチコピーを入れる余りに、看板に記された名称や証拠書類に書かれたビジネス名と一致せず、通らないことがあります。
ただし、会社名(商号)と屋号が一致しないことはよくあることなので、一致しない理由と、会社名と屋号の関係が分かる公式サイトや書類、ショップカードの画像を添付することで、再審査をパスできる可能性があるようです。
元々、ビジネスプロフィールの対象外だった
以前のビジネスプロフィールの登録は、ガイドラインはあるもののゆるゆるでした(断言!)。写真を登録しなくても、ハガキや電話で認証を通してました。ところが、ビジネスプロフィールの登録数が増えてきたり、ハガキが届かない国が多いことから、ビジネスプロフィールのオーナー確認方法の多くが電話、又は動画を撮影して送信することになりました。
特に「動画によるオーナー確認」の場合、周囲の風景から外観から店内から全て撮影するので、ビジネスプロフィールの対象外であるビジネスでは承認されないことが増えてきました。
これは私の想像なんですけど、ビジネスプロフィールの対象外の可能性が高いビジネスの傾向をGoogleはつかんでいるのか、「怪しいものは停止する」ことが増えて来ています。その他、海外のプロダクトエキスパートがおっしゃってるんですが、ユーザーからの申請で「ここにビジネスは存在しない」というフィードバックがあった場合に、Web上の情報やビジネスプロフィール、ストリートビュー写真を見て、怪しい場合は停止しているのかなと思います。
そもそも、すべてのビジネスがビジネス プロフィールを Google に掲載できるわけではありません。ガイドラインには対象外のビジネスも掲載しています。
ビジネス プロフィールの掲載が許可されないビジネスの例は次のとおりです。
●別荘、モデル住宅、アパートの空き部屋などの不動産賃貸物件や販売物件。ただし、販売または賃貸業務を行うオフィスはオーナー確認の対象になります。
●所有権や代表権を持たない場所で継続的に実施するサービス、教室、集会。
●見込み顧客の発掘を行う代理店や企業。
●オンラインでのみ営業する、ブランド、組織、アーティスト、その他のビジネス。
●私書箱または遠く離れた場所に設置された郵便受けは、ビジネス プロフィールの住所として使用することはできません。
これ以外にも、掲載が許可されないビジネスも存在します。(私の経験上です)
- 民泊物件。宿泊施設のビジネスプロフィールを登録するためにはフロントやスタッフが常駐すること、看板を出すことや、所在地を表示していること、等の条件があります。
- 遊漁船自体や個人タクシー自体。待ち合わせ場所を所在地として登録することができません。また、非店舗型(拠点では営業せず、出張するタイプのビジネス)としての要件を満たさない可能性が高いです。(プロダクトエキスパートの回答より)
- 大部分のキッチンカー。移動式のキッチンカーは遊漁船そのものや個人タクシーと同様で、非店舗型の登録も認められていません。(以前は、同じ場所に出していて、固定看板が設置されているなどの条件があれば登録できました。今は分かりません。)
- 政治家や建築家、写真家、音楽家など。事務所は登録できますが、人は”店舗”でないため登録できません。(一部、士業などで登録できる例外規定もあります)
- 性的サービスを提供するビジネス。公式サイトに入る時に18歳未満で無いか確認するようなビジネスは、ビジネスプロフィールの内容を登録する時点でポリシーに抵触することが多く、すぐに停止されるようです。(お客さんからの口コミや写真投稿でアウトになることも)
- 季節営業のビジネスで、ビジネス拠点に営業期間を記した固定看板が無い店舗。
- コワーキングスペースやバーチャルオフィス。(例外として、コワーキングスペースに個室を借り、ビジネス名が記載された固定看板を掲示し、常駐するスタッフがいる場合は、所在地を表示し登録することができます。)
- 自宅や賃貸マンションを借りてその場所で営業しているが、固定看板を掲示していない。
特に一番最後に記載した、固定看板が無い実店舗営業のビジネスは、新規のビジネスプロフィールの登録でも、動画によるオーナー確認では看板が映らず申請が通らないくらいなので、注意が必要です。
(余談の話)Googleアカウント自体がペナルティを受けてませんか?
そもそも、ビジネスプロフィールのオーナーや管理者のGoogleアカウント自体が何かしらのペナルティを受けていた場合、無効化されているケースもあるので、まずは、全員のGoogleアカウントが潔白かどうか確認してください。(それが実は先決だったりします)
無効化されている方向け 原因を把握するためのYes-Noチャート
もし、自分のビジネスがビジネスプロフィールの対象なのか、そうでないのかを調べたい方は、以下のYes-Noチャートを作ってみたので、こちらで検討してみてください(PCの方は画像をクリックすると拡大します。)。当てはまらない場合にはサポートチームに相談してください。
参照ページ及び動画
- 停止または無効化されたプロフィールを修正する
- ビジネス プロフィールのコンテンツと制限に対する再審査請求
- コミュニティガイド:【Googleビジネスプロフィールで問題に遭遇した皆さんへ】
- How to Use the Google Business Profile Appeal Tool(再審査請求の方法の動画解説:英語)
(字幕を日本語表示にすることが可能です。英語字幕の表示を「有効」にし、設定アイコンをクリックして「字幕」を選択します。 「自動翻訳」をクリックし、 翻訳して表示したい言語に「日本語」を選択すると、 日本語字幕が表示されるようになります。) -
(このコミュニティガイドを動画でプロダクトエキスパートが解説しています:74分)
最後に
今回のブログでは、Googleビジネスプロフィールで停止や無効化された方に向けて、回復するまでの手順の紹介や、Googleビジネスプロフィールのヘルプコミュニティに寄せられる相談で、最も多い3つの停止・無効化の原因をご紹介しました。
この3つ以外にも停止や無効化される要因は多種多様にあります。例えば、代理店アカウントの無効による停止で、管理していたビジネスプロフィール6500件が一斉に停止した、というゾッとする相談もありました。
停止されたり無効化されると、Googleマップに正しい情報が掲載されませんし、管理もできなくなります。そうならないようにガイドラインを遵守して利用していただきたいです。
ガイドラインやポリシーは、知らぬ間に更新され、厳格に適用されることもあるので、今までは良かったけど、いまはダメ、というものも少なくないのが現実です。数年前のことがもう役に立たないのです。(国によっても異なってくることもあるんで、難しすぎますね。)
もし停止や無効化に関してお困りの方は、Googleビジネスプロフィールヘルプコミュニティにご相談下さい。私以外にも公式プロダクトエキスパートからアドバイスをもらうことができます。
最後に、再度、停止・無効化からの対応について、コミュニティガイドをご紹介致しますので、今、停止されてお悩みの方は、こちらをご一読下さい。
【追記】
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