今回は、2022年5月31日配信のGoogleビジネスプロフィール ヘルプコミュニティダイジェスト【気になる質問ピックアップ】で取り上げた、予約リンク・予約システムの変更方法について解説します。
飲食店や美容院など、「Googleで予約（Reserve with Google）」を使っている店舗だけでなく、Googleが提携しているサービス会社の自動リンクが貼られているケースもあります。コロナ禍が収束期に入り、再開するお店も増えてきているためか質問が増えてきましたので、押さえておきましょう。
2021年1月から、Google ビジネスプロフィール ヘルプコミュニティダイジェストというYouTubeチャンネルを開設しており、現在は月１回配信しています。これはGoogleビジネスプロフィールを広く知ってもらい、適正な運用をしていただくためのプロダクトエキスパートの活動です。
進行と配信をGoogle ビジネスプロフィール プラチナプロダクトエキスパートの今井ひろこが、解説はGoogle ビジネスプロフィール ダイヤモンド プロダクトエキスパートの永山卓也氏が行っています。
質問：「予約システムの変更について」
「予約」といっても、表示箇所が複数存在する
Googleビジネスプロフィール（旧：Googleマイビジネス）で予約を獲得したい場合、方法が複数あります。
※注釈（言葉の意味）
「サードパーティー」とは、ビジネス プロフィールで他のビジネス オーナーが所有するビジネス情報を管理する承認を受けた代理人を指します。「予約管理サービス プロバイダ（以下、予約プロバイダと略）」とは、Googleで予約（Reserve with Google）を扱うことができるサードパーティーのことです。
「席を予約」は予約プロバイダと有料契約する「Googleで予約」
店舗の情報画面にある「予約ボタン」。
この予約は「Googleで予約」、Googleが予約プロバイダであると認めたサービスに関しては、予約ボタンがつきます。予約ボタンから、独自の予約システムで予約席の予約などができるシステムです。これを使うには、どの予約プロバイダにするかを決める必要がありますが、Googleビジネスプロフィールの管理画面からは設定できません。
管理画面メニューに「予約」と言う項目はあるけど、実際は「Googleで予約」の紹介が書いてあるだけで、あそこから設定できる項目はありません。説明やヘルプページに飛ばされます。
複数の予約サイトと有料で契約している場合、「席を予約」がどこの会社に紐付いているかというと、最後に設定したプロバイダか、逆に後から契約したプロバイダがこの紐付けの設定をしていなければ、最初に設定したところに紐づくことが多いです。プロバイダとの契約条項の中に「Reserve with Google（Googleで予約）」の仕組みが約款に書いてあると連携してしまいます。３つ４つ契約していてもそれ全部の予約ボタンは設定できません。
複数設定したい場合は「予約リンク」
店舗情報の下側、電話番号の下に、予約を受け付けるホットペッパーや、ぐるなびなどのリンクが表示されていますが、これは予約ボタンではありません。先ほどの「Googleで予約」とは別の設定項目で、Googleビジネスプロフィールの情報設定画面の中にある「予約リンク」です。
予約リンクは複数の予約プロバイダを設定できて、優先させたいリンクは星マークをチェックするんですが、自由に設定できる訳ではないんですよ。
サードパーティーURLは「予約リンク」に設定できない？！
ここで問題になるのがサードパーティーです。食べログやホットペッパーがそれに当たるんですけど、このドメインをそのまま予約リンクに設定すると弾かれます。サードパーティーと有料契約をしたけど、予約ボタンではなく予約リンクのほうを貼りたい場合は、サードパーティーに連絡しないと予約ボタンを外してくれません。
注意していただきたいことが、ランディングページを作って予約先一覧を表示させたり、クッションページを作ってそこから自動的に予約リンクへ転送させると、サードパーティーのドメインが弾かれるようなことが避けられるかも、と思うかもしれません。が、少なくとも自動転送させるページのURLを貼ると、一発アウトになるケースがあります。
悪質サイトのように全然違うURLのページに飛ばして一発停止になる例が結構あります。ホットペッパーのURLが貼れないから、短縮URLや転送ページを使ってホットペッパーへ移動させる設定するとアウトなので、注意してください。
その場合には、契約しているサードパーティーへ連絡して、「予約リンクの方が紐付けできないのですが」と相談したら、紐付けはこちら（サードパーティー）側でやってみますということになる。それで、「設定できているはずですが…」とサードパーティー側から返ってきた場合は、Googleビジネスプロフィールのサポートセンターに連絡して、紐付けがうまくいかないと相談すれば、不具合は解消されます。
公式サイトURL設定欄に、予約URLを貼るのをお勧めしない理由
自社ホームページを設定するところに予約のURLを設定する方法もありますが、これは予約ボタンではなく、ウェブサイトとしての扱いになります。しかし、ホームページ設定欄に予約ページを設定するのはあんまりお勧めしません。Googleビジネスプロフィールだけでは案内が足らないので、Webサイトのボタン押したら、なぜか予約のページに飛ばされるというのは、（ユーザーにとってみれば）案内が不十分です。
公式ホームページの情報は、検索対策にとても有効に働きます。逆に予約ページは基本的にあんまり情報が載っていないですよね。公式ページを普通に載せた方が、当たり前ですがページにいろんな情報入っているので、Googleにもそれらの情報を伝えることができます。検索的にあんまり良いことにならないのでお勧めしません。
投稿機能の「予約」ボタンを有効に使おう！
一方、投稿機能を使って「予約」というボタンを設置することができます。これも予約機能の連携と言えるんですが、投稿機能で追加できる「予約」ボタンに関しては制限が少ないので、これを活用していただく方法もあります。（図はGoogleビジネスプロフィールマネージャ「投稿」→最新情報の投稿画面）
短縮URLを貼るのは駄目ですよね？
短縮URLは駄目ですが、自店と全然違うドメインのURLを貼っても全然問題ないし、サードパーティーだからダメという縛りもないので、投稿機能を使って、定期的にアピールしていくのもいいんじゃないかな。
お勧めしない予約リンクURL
Link Tree
Link Treeみたいなサービスはいけますか？
あんまりお勧めしません。Link Treeは、Facebook、Instagram、Twitterのリンクを一覧にしているものですが、それを貼るのはあまりよろしくないですよね。
自動転送しないので、基本的には問題ないのですが、ただ、Link Treeは情報があんまり入ってないので、投稿機能で使うならいいんですが、公式サイトとしての扱いでこのLink Treeを使うのはローカル検索にとってあまりに情報がないので、よくないと思います。
LINEのお友達登録リンク
最近はLINEを予約リンクに置いてるビジネスがありました
LINEのお友達登録ですよね？
お友達登録のURLでは停止される可能性があるやり方なので、あんまりお勧めしません。
結局、さっきのリダイレクトというか、リンク先に受け皿になるようなものがあればいいんですけど、（QRコードだけでその先に）情報が何もないので、下手すると「停止」になる可能性があります。LINEは世界レベルでは浸透してないので、Google側がその仕組みを知らずに誤認する可能性がありますのでリスクはあると思って下さい。
LINEって使い分けしたほうがいいサービスですよね？
LINE公式は、ある程度アナウンスしないとわからないと思うんですよ。例えば複数の予約チャネルがあって、予約サービスは何を使おうかという選択肢の一つとして、LINEからの予約だけに絞るとしたら、投稿やビジネスの説明文などに「当店はLINEで予約ができます」と載せて、誘導する必要があり、予約リンクにお友達登録のURLを貼るというのには疑問符が付きます。
サードパーティーの無料会員であれば、予約リンクに貼れますか？
例えば、食べログやぐるなび等に無料会員で登録している場合、予約リンクに、食べログやぐるなび等の店舗URLを貼ることはできますか？
あんまする意味がないというか…ローカルSEOに良いから、予約リンクで繋いだら何か情報を引っ張ってきてくれて、少しは検索対策になるんじゃないかという意見はわかるんですよ。言わんとしてることはわかるんですが、予約リンクだと思って行ったら、何も予約フォームがないので、プラスかマイナスか言われたら微妙だなーって思います。
予約リンクの候補が増えると、お客さんは結局どれ選んでいいかわからないです。だからマイナス、デメリットも結構大きいかなと思うので、僕的にはあんまり推奨はしません。
サードパーティーとの契約を解除してもリンクが貼られ続ける？
結構あるある話するんですけど、一度、例えば食べログなどとサードパーティーで有料契約してて、その後、解除してるケースって結構多いんですよ。いわゆる「解約」ですね。その場合に、なぜか紐づけが解除されないケースがあるんです。
紐付を外してもらってなかったら、予約を無料でやってもらえるってことですか？
違います。予約リンクは残ってるけど、予約リンクから先に飛んでも予約できなかったりするんです。だから今回のご質問だと、食べログにて予約を取ってないため、と書いてあるけど、有料契約してないという可能性もあるんです。
たまたま、複数のサービスプロバイダに有料契約をしてるけど、一方でしか予約を取ってないということかもしれませんが、ただ、割とあるのが、有料契約を外しても、なぜかリンクだけ残っちゃったっていうケースは、ものすごい多いんですよ。
この場合はどうするんですか。
この場合は、サードパーティ側のサポートセンターに連絡して、「既に契約を解除していますが、まだリンクがGoogleに残っていますので、修正して欲しい」と連絡をしてください。
それで、サードパーティー側から「こちらはもう外していて、（解除）処理しています」と返事があれば、次にGoogleビジネスプロフィール側のサポートに連絡して、修正をかけてもらうという2段構えで対応することになります。
…これ結構あるあるなんですよ。
投稿したけど反映されないとか、電話番号変えたけど反映しないみたいなことって割とあるんですよね。予約リンクも同様にすぐに反映しないということはあると思ってください。
例えば契約を解除してからどれぐらい反映に時間かかるものですか？
予約ボタンを付けたり外したりする場合、下手すると3日、4日は普通にあると思います。ただし、遅延が起こったり、何故かロックされる状況もあるので、そういう修正の変更って、通常項目であれば見て「変わってないなぁ」と思うけど、こういうところは目立たないので放置されがちなんですよ。ですので、たまにチェックしてください。
このコーナーをYouTubeで確認したい方は
下記YouTubeチャンネルをご覧下さい。
（時間は「Googleビジネスプロフィール 気になる質問ピックアップ」に合わせています。）
▶参考ヘルプページ
●サービス提供事業者経由で予約を設定する https://support.google.com/business/answer/7475773?hl=ja
●Google でビジネス プロフィールを編集する →ウェブサイト https://support.google.com/business/answer/3039617?hl=ja
●ローカル ビジネスのリンク
https://support.google.com/business/answer/6218037?hl=ja
●ローカル ビジネス リンクの表示順序
https://support.google.com/reserve/answer/12174393?hl=ja
担当者紹介
■永山 卓也 ／Takuya Nagayama
商工、観光分野のマーケティング支援をアナログ、デジタル両面から官民問わず行なっている。地方自治体や大学での公演から、小規模事業者の情報発信戦略やコンサルティング、マネジメント業まで幅広い「ローカルビジネス」の専門家。2020年度 観光庁 DMO外部専門人材。Google ビジネスプロフィール プロダクトエキスパート、Googleマップ ゴールドプロダクトエキスパート、Google 広告シルバープロダクトエキスパート。ごはんが好き。
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■今井 ひろこ ／Hiroko Imai
地方の小規模な宿泊施設や店舗の集客コンサルタント。クチコミやお客様アンケートを活かして、Web・Googleマイビジネス・SNSなどのデジタルツール、チラシ等のアナログツールの活用をサポート。観光協会、商工団体の研修にも多数登壇。趣味はスキューバダイビングと地元の観光ガイド。夫は民宿を経営。Google ビジネスプロフィール プラチナプロダクトエキスパート。
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※ Google は Google LLC の商標です。
※ ロゴ等はGoogle LLCからの許可を得て使用しています。
※GMBヘルプコミュニティダイジェストは非公式チャンネルですが、Googleよりスクリーンショットなど許可を得て使用しています。GoogleプロダクトエキスパートはGoogle Product Programにおいて認定されたユーザーです。
