今回は、2021年7月16日配信のGoogleマイビジネス ヘルプコミュニティダイジェスト【Googleマイビジネスよもやま話】で取り上げた、「写真をいっぱい入れたら上位表示されるというのは本当ですか?」をテーマにお話しを伺いました。
2021年1月から、Google マイビジネス ヘルプコミュニティダイジェストというYouTubeチャンネルを開設しており、月1-2回配信しています。これはGoogleマイビジネスを広く知ってもらい、適正な運用をしていただくためのプロダクトエキスパートの活動です。
進行と配信をGoogle マイビジネス シルバープロダクトエキスパートの私が、解説はプラチナ プロダクトエキスパートの永山卓也氏が行っています。
量は上位表示の要素になるのか?
写真だけに限らない話をしていきます。「投稿いっぱいしたら上位表示されるのって本当ですか?」とか「写真をいっぱい入れたら投稿されるって本当ですか?」とか、もっと言うと「クチコミをいっぱい入れてもらったら上位表示されるかって本当ですか?」っていう話をします。
これ、順位を変動する要素としては使われています。
閲覧回数とか質とかも含めて見られる事は前提にあり、数がないよりは数があったほうがいいだろうという二元論で話をすると「本当」です。
・・・本当なんですけれども、ここからが重要!
本当なんですけれど数で順位を上げようとするのは「お勧めしません」。
写真をいっぱい入れることはオススメしない理由
良くも悪くも沢山あるなかの小さい一つの要素でしかない
上位表示を狙うために写真をいっぱい入れるのは、基本的にお勧めしません。理由はいっぱいあります。
まず、いっぱい入れて上位表示されるのであれば、少なくとも人気のラーメン屋なんていっぱい写真が入ってる。さっき言ったように、知名度の関連で「なんで写真が全然入ってない店舗の方が上に行くんだ?!」みたいな状況は、普通にやっていたらあるじゃないですか。
結局、良くも悪くも沢山あるなかの小さい一つの要素でしかないんです。上位表示されるための要素ってめちゃくちゃいっぱいあるんですよ。もちろん比重もあります。上位表示させたら閲覧回数が増えて、その分だけパイが増えるという考え方はあります。
ただ、以前も話した「上位表示は意味があるのか」という前提や、検索順位は検索する場所からの距離など条件によって変わるので、その条件を全部リサーチかけていくのが必要な状況はあまり無いです。ある程度Googleマイビジネスを運用している方であればやってもいいですが、5位から4位に上がったら来店客数が増える重要な要素につながるのかというと、正直そこまでの影響は無いでしょう。
50軒ぐらい店舗があり、まったく検索結果に掛からないので何とか10位以内に、20位以内にしたいのであれば、確かに確認し、狙っていく価値もあります。あまりに底にいる順位ばかりでは閲覧数も伸びないでしょうから。
ただそのためのアプローチとして、写真などの投稿数だけを稼ぎ上位表示を狙うのは、あまりいい方法とは言えない、という感じです。
写真をたくさん入れようとすると無理がある
なぜかというと、写真をいっぱい入れようとすると、だいたい無理をするからです。無理なくおすすめの写真がたくさんあって選べないほどあるならいいんですけど。
店内の写真も、狭いお店だったらこの角度しか撮れないということですか?
本当に見せたいアングルや本当に見せたい写真は何?ということですよね。
例えば、「何十枚か写真入れてください」という記事はよくあります。そんなに自分としてはお勧めしないけど、30枚もないからとりあえずこれで埋めちゃおうということもあるでしょう。投稿も一緒ですよね。何もネタがないけど、とりあえず毎日投稿するためにこれ載せて、というのは、僕は邪魔な情報にしかならないと思います。
むしろそれが原因で、見てほしい情報に行き着きにくくなる。もしかすると顧客転換するお客様、検索者を逃しているかもしれないと思って、投稿や写真を考えて入れていただく方がいい。
すぐにドーンと垂直状態で効果を上げたいのはわかりますが、おすすめできる写真がまだ少ないなら、徐々に撮影しつつ上げていく方が基本的には良いと思っています。
インサイトの「写真」の罠とは?
写真を大量にアップに誘う罠みたいな話があります。
写真の表示枚数の表示ですか?
マイビジネスのインサイト機能には、「写真がどのくらい閲覧されているか」を他店と比較する項目があるんですよね。「他店が何%上回っているので、写真いっぱい投稿してくれ」みたいな表示があり、それを見て写真をどんどん入れると、確かに表示回数がどんどん増えていくんですよ。ただこれが罠な感じで、「写真一覧画面でサムネイルが表示されたものもカウントする仕様」なので、写真を入れれば入れるほど上がって増えていきます。
Google としては情報をたくさん入れてもらいたいからだと思うんですが、先ほどお話したとおり、順位変動要素のひとつではあるのですが、優先すべきは「お客様に魅力が伝わるか」なので、魅力が伝わらない写真はお客様転換率としてはマイナス要因とも言えると解釈して情報整備を行うといいでしょう。
写真を沢山入れることで、例えばものすごい順位の変動が見られるのであれば推すこともできますが、言ってしまったら、写真いっぱい入ったりしてもそんなに上位に表示されないって、逆に相談もあるじゃないですか。写真もいっぱいいれたのに上位表示されない、なんで?って言う話、ヘルプコミュニティでもよく聞きますよね。
影響として考えるとしたら、お客様に転換する情報のほうを優先していただいた方が僕はいいと思っています。
クチコミはいっぱい集めるメリットがある
厳密に言うとクチコミだけはちょっと趣が違います。こちらは上位表示というよりは、あまりに少ない数のクチコミだったりすると、悪いクチコミも悪目立ちします。ある程度、量があった方がオーナー側の心の余裕も出るので、上位表示って言い方とは別枠ですが、クチコミをいっぱい集めるメリットはあります。ただし、ガイドラインは守ったうえで、ですけど。
心の余裕、すごく大事なんですよ。「悪いクチコミ入りました、消してほしい」って思うのは、10件、20件しかなくて悪目立ちしている状況だからというパターンは多いです。そういう意味では、集めるメリットはありますが、あんまり上位表示、上位表示って考えると、周辺地域の店舗と比べて という部分もあるので、圧倒的なものでない限りは期待したほどの作用は見いだせないでしょう。
そこまでクチコミが集まっていると、知名度もそれなりに上がっている有名店だったりするので、これって知名度要素の方が大きいんじゃないかといういうケースが結構目立ちます。
上位表示されるか否かと言われたら、「される要素のひとつ」という回答になります。影響としては周辺の競合店舗にもよりますが自身で投稿した写真の数などよりは影響します。しかし、それだけが順位を決定づける要素ではないので、複合的に考え取り組んで頂ければなと思います。
やっぱり肝心なのはお客様のほうを見てマイビジネスの運営をしているかっていうことなのでしょうね。
まぁ 、Googleの方を見ないといけないケースもあると思うんですよ、僕個人的には。「なんで Googleはこのキーワードを引っ掛けてくれないんだ」とか、いろいろ Google のほうを見ないといけないケースもあるにはあると思うんですけれど。
上位表示って結構不安定なものでもあるので、上位表示に関してだけは、追うより先に、まずは求められている情報が何なのかを見ていただいて、求められている情報をとりあえず全て入れ込もうというメンタルで動いていただいた方が良いかなぁと思います。
このコーナーをYouTubeで確認したい方は
下記YouTubeチャンネルをご覧下さい。
(時間は「Googleマイビジネスよもやま話」に合わせています。)
▶参考ヘルプページ
インサイトについて
https://support.google.com/business/answer/7689763?hl=ja
担当者紹介
■永山 卓也 /Takuya Nagayama
商工、観光分野のマーケティング支援をアナログ、デジタル両面から官民問わず行なっている。地方自治体や大学での公演から、小規模事業者の情報発信戦略やコンサルティング、マネジメント業まで幅広い「ローカルビジネス」の専門家。2020年度 観光庁 DMO外部専門人材。Google マイビジネスプラチナプロダクトエキスパート、Googleマップ ゴールドプロダクトエキスパート、Google 広告シルバープロダクトエキスパート。ごはんが好き。
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■今井 ひろこ /Hiroko Imai
小さな宿の集客コンサルタント。クチコミやお客様アンケートを活かして、Web・Googleマイビジネス・SNSなどのデジタルツール、チラシ等のアナログツールのサポートをしています。観光協会、商工団体の研修にも多数登壇。趣味はスキューバダイビングと地元の観光ガイド。夫は民宿を経営。Googleマイビジネス シルバープロダクトエキスパート。
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