2021年1月から、Google マイビジネス ヘルプコミュニティダイジェストというYouTubeチャンネルを開設しており、月2回配信しています。これはGoogleマイビジネスを広く知ってもらい、適正な運用をしていただくためのプロダクトエキスパートの活動です。
進行と配信をGoogle マイビジネス シルバープロダクトエキスパートの私が、解説はプラチナ プロダクトエキスパートの永山卓也氏が行っています。
今回は、3月11日配信のGoogleマイビジネス ヘルプコミュニティダイジェスト【気になる質問ピックアップ】で取り上げた、GoogleMapヘルプコミュニティの質問「ルート検索の問題」について、永山師に解説いただきました。
質問:GoogleMapで違うところに案内される
「働いている会社の場所が違う為に、Googleマップを使って会社に来られる方が、場所が違う所を案内していますと言われます。修正は出来ますか? 宜しくお願い致します。 」
GoogleMapの自店情報はチェックした方が良い
GoogleMapもチェックしておかないとダメですよね?
例えばお客様が検索をするのが Google 検索やGoogleMapと考えると、自分たちのお店や施設にたどり着くまでの行程は、1回チェックした方がいいです。マイビジネスの機能ではないところでいろんな動きが出てで、その中での不具合や不都合を解消しないと、きちんと来客に繋がらない、来客してもいい体験になってないケースがあるので、ルート検索結果はチェックしていただいた方がいいと思います。
そもそもルート検索をしたときに、現在地やどこかの場所から、自分達のお店や会社まで経路検索するわけですが、基本的にピン(マーカー)が立っているところに一番近い公道、道までを案内する仕様です。
GoogleMapのシステム変更による住所データ更新の問題
住所は正しいかもしれませんがマーカーの位置が間違っている場合、裏に案内されるという問題があります。もう1つの問題として「住所」があります。一昨年くらいかな、Google マップのシステム、地図のデータ自体が刷新され、住所データが正確なものでなくなっていたり、更新が遅れている部分がとても多いです。
今までは日本の地図会社のデータがそのまま実装されていたので、間違いがほぼなく、あっても1年後には修正される状態だったのですが、2年前から住所データがかなりあやふやな状態で止まっていることが多いです。
例えばここ1、2年の間に住所の地番に枝番が分かれたとか、新規造成地の場合で住所ができてから間もないと、Google の方がデータベースに登録できていないケースもあります。
Googleは定期的に住所データベースに載せる作業をしているんですよね?
それこそ都市計画図から拾っている場合などいろんな話は聞くんですが、完全に公開しているわけではありません。特に、一昨年くらいの改変からゼンリンの地図情報がベースではなくなったため、取れる情報がかなり減ったと思います。。ただ、衛星写真から見るデータを年1回でなく頻繁に更新をしているようなので、ある程度、道に関しては少し情報が増えている感じがします。
逆に、地番など住所に関しては、得られる情報が少なくなっているので間違いが増えています。Google マップを使って会社に来る場合、車のナビゲーションは住所で入れたりすることもあるので、住所を調べている場合もありますよね。番地が間違っていたり、新規造成地域で枝番まで行かずにその手前側のエリアの情報から「ここです」と違う場所を案内されるなど、いろんな可能性はあります。
Googleが住所を認識しているか、ピンが立っているところが本当に会社の住所に立っているかなど、見るべきところはすごくたくさんあります。
ヘルプコミュニティの質問で、住所を入れても「ありません」と表示されるのも、 Google のデータベースに載ってないからですよね?
様々な理由があります。例えば載ってないからなのか、もしくは、割とあるのは字(あざ)を省略しているケースなどです。Googleのデータベースに載っているほうは字(あざ)が付いている文字ぶれに対応していますが、「字(あざ)」という文字は漢字なので、横棒などの何丁目などと比べると、省略していいのかどうかGoogleには判断がつかないみたいで、住所そのものが表示されないケースもあります。
私道・山間部など道路案内が途中で終わるケース
例えば会社の前までの道が私道だった場合、そこまで案内しないケースがあります。
私道を削除申請を出したらGoogleマップ から私道は消えますよね?
消える場合もありますね。都市計画図が反映されると、私道の部分は場合によっては載ってなかったりします。公道でたどり着けるところまで案内されることもあります。
これは考え方なんですけど、マイビジネスの領域ではないんですよ、もうすでに。地図にある、目の前の道に対して、これはこういう道だとちゃんとGoogleにフィードバックをかけておかないと道路の間違いが直らないと問題が起こります。そこを利用する方が少なければ少ないほど、そういう問題が発生します。
都市計画図があまり反映されていないような、田舎になると山に囲まれてて、衛星写真から見ると道がないように見えるので、道が生成されていないケースでは、目的地の手前側で案内を終了されているケースがものすごくいっぱいあります。
道路案内が間違えていることをどうお客様に伝えたらいい?
経路を案内するときに、たまに「・・・」ってGoogleMapに表示されている時がそれですか?
歩きで行くという意味で、Googleは歩けると思っているのですが、実際は歩けないこともあります。Googleマイビジネスで修正できるのはピンのマーカーの位置や住所表記だけなので、お客様からもそういう情報をGoogleマップにフィードバックして直してもらうなり、マイビジネスの方ではどうにかしてお客様に伝えれば良いですよね。
それはどうやって伝えるんでしょうか?
やり方はいっぱいあると思います。告知することです。普通の店舗であれば…それこそ岬の突端でやってるような眺めの良い飲食店があるとするじゃないですか。たどり着けないという前提が分かっているなら、投稿欄やビジネスの説明にそういう風に記載すれば、少しはそういう問題を防げますよね。
ルート検索が増えてきても、たどり着けないとしたら意味がないので、それを少しでも防ぐことができる。例えばそれが宿だった場合には、当然、投稿機能やビジネスの説明などの機能が使えないので、例えば チラシなどを作って、それを写真に撮って載せるとか。Google マップ検索の場合に「この辺が案内されるので」とチラシを作ってそれを写真に撮って載せるなら、写真なので問題ないですね。
GoogleMapの経路間違いを修正する手順
自分の会社に案内しようと思って見たら経路が違ってる場合には、具体的にどういう手順にすればいいですか?
まずは住所が間違っているかどうか。住所でGoogleのデータベース側が間違っているなら、「情報の修正を提案」で間違っている旨をポチッと押して、そのままフィードバック。道があるないに関わらず、道の問題であればAndroid携帯からの申請がお勧めです。 Android だとどういう道があるかきちんと書けるので、それで伝えることができます。Android 端末がない場合は、パソコンで詳細な内容が書けます。今後この機能は更に細かく修正提案が掛けられるアップデートの予定があります。
自分のお店だったとしてもGoogleMapからユーザー申請ですよね。その時のアカウントはオーナー管理しているアカウントの必要性がありますか?
オーナー権限の領域ではないのでどちらでも多分いいはずです。というかマイビジネスの領域ではなくMapsの領域なので、マイビジネス側のサポートも基本的にフォローできません。なので誰が申請しても一般利用者扱いになります。
もし自分が iphone しか持っていなければAndroidを持っている人に貸してもらって修正すればいいですね?
貸してくれた人も、自分も両方で申請したら良いと思いますよ!
主要な駅やバス停からのルート案内をチェックしよう
マイビジネスだと抜けがちな情報が割とあります。都市部でも、雑居ビルの裏への案内とか、駐車場を抜けるような案内があったりするので、ルート案内は見た方が良いですね。
自分の会社やお店の場合、ルート検索を自分自身で行う事は無いと思いますが、ルート検索をしてみると「あれ、ここを案内されるのってちょっとまずい」ということがあったり。逆に私道を案内されて通行止めで迂回させられることになり、お客様を逃している可能性もあると考えると、ちゃんと自分でルート検索を確認したほうがいいですね。
主要な駅、バス停、近くにコインパーキングからのルートはどこを歩かせるのかをチェックしたほうがいいですね。
店舗の方であれば、営業時間内にチェックして下さい。何故かというと、ルート検索は基本的に混み具合や状況によって変動します。例えば、あまりにも街中が混んでたら、街中を迂回するような大回りのルートを提案しています。なので、ある程度検索される時間帯。現実的なところでは営業時間内にするのがいいでしょう。
自分の店舗のルート検索で裏口に案内されていて修正したい時、マイビジネスに登録している店舗はマイビジネスの管理画面でピンを動かしたらいいですか?
そうです。一応、ガイドライン上は、ピンは中央に入れてくださいと書いてあります。中央が当たり前ですけど、僕は人間なので、中央と言われて1ミリも誤差なくズレること無くというのは絶対無理。一応ガイドラインに従った上で、中央の前、玄関寄りとか入り口寄りという言い方になります。例えば玄関にピンをベタ付けというのはガイドラインに沿ってないので、注意してください。
ピンって中央に打たなきゃいけなかったの?知らなかった!
これは弊害もあって、あんまり手前側に打ちすぎると、店の前にたむろしていたり佇んでいる人たちが「来客」とカウントされて逆に「混んでる理由」になり、とても混んでいるように誤認されます。
店舗もそうなんですけど、駅の改札口のない方から出てしまうこともあるので駅からのルート検索も試した方が良いです。
そういうのが事前にオーナー側で把握できているなら、マイビジネスを使って注意喚起ができたり、書くことができますよね。それによってユーザビリティー性が高まるので、ちゃんとしているなとお客様に思っていただけるし、お客様の顧客体験もより良くなるので見ていただきたいです。
一般的な運用業者、支援業者の目線だとそういうことは基本的にあまり考えません。ビジネスオーナーが自身で見て、ちゃんとその目でルート検索を確かめてみることが必要だと思います。
この部分をYouTubeで確認したい人は
3月11日の【ヘルプコミュニティ 気になる質問ピックアップ】をご覧下さい。
(時間は「気になる質問ピックアップ」のコーナーにセットされています)
参考ヘルプページ
ルートの間違いを報告する手順
https://support.google.com/maps/answer/6194894?hl=ja&ref_topic=3093612
担当者紹介
■永山 卓也 /Takuya Nagayama
商工、観光分野のマーケティング支援をアナログ、デジタル両面から官民問わず行なっている。地方自治体や大学での公演から、小規模事業者の情報発信戦略やコンサルティング、マネジメント業まで幅広い「ローカルビジネス」の専門家。2020年度 観光庁 DMO外部専門人材。Google マイビジネスプラチナプロダクトエキスパート、Googleマップ ゴールドプロダクトエキスパート、Google 広告シルバープロダクトエキスパート。ごはんが好き。
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■今井 ひろこ /Hiroko Imai
小規模宿泊施設の集客コンサルタント。クチコミやお客様アンケートを活かして、Web・Googleマイビジネス・SNSなどのデジタルツール、チラシ等のアナログツールのサポートをしています。観光協会、商工団体の研修にも多数登壇。趣味はスキューバダイビングと地元の観光ガイド。夫は民宿を経営。Googleマイビジネス シルバープロダクトエキスパート。
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※GMBヘルプコミュニティダイジェストは非公式チャンネルですが、Googleよりスクリーンショットなど許可を得て使用しています。GoogleプロダクトエキスパートはGoogle Product Programにおいて認定されたユーザーです。