2020年6月17日に開催した第6回コムサポートオフィスYou Tube Liveでは、GoogleマイビジネスとGoogleマップの公式ゴールドエキスパート永山卓也氏をゲストにお迎えして「GoToキャンペーンに向けて小さな宿ができること」と題して開催しました。
Google関連だけでなくローカルビジネス(特に小規模店舗事業)に精通していることから、近年各都道府県の自治体、地域団体にも数多く講演を依頼されている永山卓也氏。 Go Toキャンペーンを大手ホテル、旅行会社が儲かるだけのものにするのではなく、小規模旅館や民宿、ペンション、ゲストハウスが恩恵を受けるようにするにはどうすれば良いか。地方の小さな宿やお店が現時点でできること、これからやるべきことをテーマにお話ししていただきました。
永山師(と書いてしまいますが)は私たち夫婦のメンターのお一人で、私のGoogleマイビジネスの先生でもあります。SNSを中心にファンが多く、当日も70人以上の方が見て下さいました。
永山卓也/Takuya Nagayama
ローカルビジネスコンサルティング、店舗マネジメント業を行い、 デジタル、アナログ両面で 小売・飲食・宿泊業に豊富な経験。各都道府県の地方自治体、地域団体などを中心にセミナー、講演実績多数。Googleマイビジネス、Googleマップ ゴールドプロダクトエキスパート。
Facebook https://www.facebook.com/tak.nag.lug
Twitter @Tak_Nag_Lug
ところで、今回のテーマ「GoToTravelキャンペーン」とは?
開催前日の6月16日(火)に、GoToトラベルキャンペーン事務局の再募集について企画競争実施公示情報が観光庁ホームページに掲載されていました。この事業は、コロナ禍でかなりのダメージを受けた観光業を立て直すために、まずは国内観光需要を戻すための、総額1兆円を超える規模の事業です。
これによると、
- 国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の1/2相当額を支援。
- 一人一泊あたり2万円が上限(日帰り旅行については、1万円が上限)。
- 連泊制限や利用回数の制限なし。
- 支援額の内、①7割程度は旅行代金の割引に、②3割程度は旅行先で使える地域共通クーポンとして付与。
- 事務局で一括発行し、旅行代理店や宿泊施設で配布。
近年頻繁に発行された自然災害時の復興割とはスケールも規模も桁違い! コロナ禍で飲食店以上にダメージが大きい宿泊業(倒産件数ではダントツだし)にとっては、すがる思いで見ている「救世主」です。
政府や政治家の皆様、観光庁の職員の皆様、本当にありがとうございます。
遠方で規模の大きい高級施設に利用が集中する?!
この施策を見た瞬間、「高級旅館やリゾートホテルに集中する」と考えた方も多いと思います。今までなかなか手が出なかった限度額いっぱいの、宿泊単価4万円以上の高級ホテルや高級旅館に泊まってみようって、私でも思いますっ!
実際、既に販売されている石川県民割では、こういう事例もあったとか。
石川県民割では上限まで補助金が使える単価3万円以上の高級旅館が良く売れたそうだ。中には昨年同月比でプラスになった館もあるという。このことからGoToキャンペーンは単価4万円以上のプランが売れ筋となる可能性が高い。プラン造成を工夫して補助金上限まで顧客に使ってもらえるよう知恵を絞りたい。
— 青木康弘@ホテル旅館・観光業の専門家 (@aoki_alfa) June 19, 2020
そんな状況の中でも、地方の小さな民宿や小売店がどう対策をしていけば良いのか。
これについて永山師は、この事業が宿泊施設が中心であり、小売店はそれに紐付いた地域共通クーポンでしか恩恵をうけられない。宿泊業がどのくらい(小売店を)組み込んで行くかがポイントになると予想した上で、
「(今までの復興割と異なり)今回は日本全国が被災地、競合という扱いになる。今までと同じ旅行商品で戦っていけるのか?自分たちの地域に来てもらえるような旅行商品を地域全体で作り出してほしいし、地域全体でマーケティングを考えて頂きたい。そういうコトは小回りの利く小規模事業者にこそ得意な部分だから」
特に、今後考えていくべきは、旅行商品の在り方。GoToTravelキャンペーン期間中と、それが終わって以降の旅行商品はおのずと変わってきます。特にGoToTravelキャンペーンは一過性なので、リピートしてもらうためにどうするのかの案を持っておく必要があります。
全ての自治体が同条件のキャンペーンになる!
今回、全国一斉にキャンペーンを張ると勝ち組、負け組と勝敗がハッキリすると思うのですが、同じ状況は「ふるさと納税」でも見受けられます。全国一律オンラインで見たときに、魅力的に見える地域にお客様が集中すると思うので、地域での観光商品開発が重要。
特に今回のクーポンは旅行代金の割引の方がインパクトが大きく、地域共通クーポン(お土産購入などに使える3割分のチケット)と合わせてどれだけ魅力的な旅行商品を作るかにかかってます。
ただし、業態によって事情は異なり、例えば湯布院などの高級観光地は宿泊だけでもいいですが、そういう観光地で無い場合やゲストハウス、ビジネスホテルなど宿泊単価が低い場合は何か特別魅力的なものをプラスしないと厳しいですよね。
そういう業態は自治体や観光協会に期待をしがちですが、このGoToキャンペーンはたった2ヶ月しか準備期間がありません。そんな短時間で自治体やDMO、観光協会の舵取りは正直厳しいです。
■宿がいかに他の事業者とコラボできるか?
例えば、レンタカーで来るお客様が多かった場合は、レンタカー事業者と組んで旅行パック商品として販売するなど。こういう協業もあり!
■宿が体験プランを用意できるか?
体験事業者がアソビューやAirBnB体験などを通して販売するより、宿泊施設と組む方が送客手数料は安くなるので組みやすい。
いずれにしろ地域でやっていくためには、事業者同士コラボするための場を自治体が協力して設けて欲しいのですが、そういう時間も無いので、まずは繋がっている事業者同士で組んで動くこと。まってばかり動かなければ、近隣の自治体に魅力を奪われて負け組になってしまいます。
観光事業者は魅力を伝え切れているのか?
今回のコロナ禍中のGoToTravelキャンペーンでは、地域の特徴が無いところは選ばれず、観光地として残っていけないと思います。地域の事業者とコラボできないところは特にーー。観光地のない自治体も観光にチカラを入れて来ていた時のコロナ禍です。コロナ後は観光地を(心機一転)作っていく気概のある地域が勝ち残っていくと思われます。(但し、スクラップアンドビルド、にしてはいけないと永山師は釘を刺してはりました。)
観光自体のコンセプトは変えず、観光事業者の動きは変えなきゃいけないですね。
(LIVEは和気あいあいと進みました)
GoToTravelキャンペーン勝ち組への鍵を握るのは「宿泊施設」
宿泊施設を中心にお金が回る今回のキャンペーンなので、地域経済を回していると宿泊施設側が自覚して動かなければいけません。このGoToTravelキャンペーンで選ばれるには
■地域連携
■宿を起点に魅力を伝える
ことがポイントになります。特にGoToTravelキャンペーン後は、宿の割引がきっかけで観光目的地が選ばれず、今までのように食ありき、体験できることで行く目的が増えてくるので、宿本来の魅力を伝え切れていないと選ばれないことになります。
GoToTravelキャンペーンで新規顧客をどれだけ獲得して、キャンペーン後にリピートして頂くか、そこを宿としてはしっかり考えていきたいですね。
GoToTravelキャンペーンは必ず終わりがある。
「GoToTravelキャンペーンは終わりが必ず来ます。コロナ後に繋げるためのGoToTravelキャンペーンです。ここで自前で何でもやって短期的に利益を確保するとかではなく、地域の魅力を発揮して、GoToTravelキャンペーンをきっかけに本当のお客様になってもらえるよう努力して欲しいーー。」と永山師に締めくくって頂きました。
当日のLIVEはこちら
この日もたくさんのコメントを頂いており、LIVE後半では視聴者の皆様からの質問を拾って、永山師が答えて下さいました。宿泊事業者へのヒントもいっぱいございました。
当日のコムサポYouTubeLIVEを聞きたい方は、コチラをご覧下さい。
コムサポYouTubeチャンネルをよろしくお願いします!
こちらのチャンネルでは毎日頑張って投稿しています。ぜひチャンネル登録もお願いします。
目指せ400人!\(^o^)/
次回、今週のYouTubeLIVE Vol7は
6月23日(火)夜21時ー22時に開催します! 今回の永山師のLiveの内容が結構濃かったので、その解説などをする「続・GoToTravelキャンペーン」と題してお届けします。
是非お楽しみに!
*******************************************************
メルマガでも骨太コンテンツ配信中♪
メルマガサンプル、ぜひお読み下さい!
※上記画像をクリックすれば
サンプルリストのページへ飛びます
2,3日に1回配信しています
無料のコムサポメルマガ登録はこちらです!
10室以下の小規模宿泊施設様向けに特化した無料メルマガはこちらです!
(コムサポメルマガとは別になります)
小さなお宿向け集客メール講座【全7回・無料】
登録はこちらです!
コムサポートオフィスYou Tubeチャンネル、スタート!
https://www.youtube.com/c/ComSupportOffice
リニューアルした公式サイト、ぜひご覧ください!!