週末ブロガー、コムサポートオフィス代表今井ひろこです。今回はあまりに共感したので、平日ですが、本の感想を書かせて頂きます。
- 経営の数字を見るのが苦手な家族経営の店主
- いいものを作っているのに売れない店主
- 親が経営している零細企業の跡を継ぎたいけど不安な2代目さん
- 商工会、会議所に入ったばかりの新人指導員
に読んで頂きたい「どんぶり勘定」という、事業承継・再生コンサルタント立石裕明先生の本。
かみ砕いて分かりやすく解説されている
一気に読んでしまいました。私は先生に一度だけ(それも会食で)お目にかかりましたが、その時も私に分かるようにかみ砕いてお話しして頂きました。
そのくらい、経営について分かりやすくかみ砕いて書かれています。
例えば
- どんぶり勘定で仕入れているから、きちんと仕入れを管理すれば、息子の給料が出る
- 売上額を追いかけず、利益の高い事業を見つけて伸ばす
- TTP(てってい的にパクる)は悪いことで無く、経営者としての学び
難しい数字の読み方の本ではなく「利益の多い事業を見つけて伸ばしましょう」「仕入れの方法を見直しましょう」など、懐にストンと落ちる内容。
具体的な事例を用いて、小さな一歩から手法が書かれているので、すぐにやってみようと思えます。全国各地の零細企業の経営者の相談に乗ってきているからこそ、事例が豊富でイメージしやすく、読み進めやすいです。
活字が大きいので2時間もあれば読めますよ。(私は1時間で読み切れましたが)
読んでる途中に情景が浮かんで涙するビジネス書
私はビジネス書のたぐいを読んで、涙した本は今までないです。
著者は淡路島出身の方で、ご自身もかつて親の事業を継がれてホテルを経営しましたが、阪神淡路大震災やリーマンショックが原因で廃業され、そのどん底から這い上がってきた壮絶な事業経験のシーンでは目頭熱くなります。
(Wikipedia・阪神淡路大震災から転載)
それは、親の宿を継いだ私の主人も同様の話をしていたからです。1995年の阪神淡路大震災、そしてこちらでは1997年ナホトカ号重油流出事故もありました。その度に但馬にはパッタリとお客様が来なくなって、親がノイローゼになりかけ、結局、主人が継ぐために会社を辞めて但馬へ戻ってきたので、著者の話とオーバーラップしました。
なので、従業員に払うお金の工面に奔走したという経験者の話はとても説得力がありました。震災(とその後の不況)を経験している人だったらものすごく共感できます。特に、関西人は、関西弁の会話シーンも多いのでイメージしやすいです。
小規模事業者持続化補助金の産みの親、ですが、その陰にこのような経験をされたこと、広告費に回す余裕が無いし宣伝下手である地方の零細事業者のサポートをしてこられたからこその補助金事業だったのです。補助金が何でも「ばらまき」だとは言えないです。
本の内容を話すとネタバレになってしまうので、この辺で。この手のビジネス書を日ごろ買わない若手後継者に、まずは読んで欲しいです。
商工会青年部で1年かけて読み合わせしてディスカッションに使っても良いですね。私なら毎章読んできてもらって、自分の店だったらどうなのか、他の部員の話も一緒に聞いて自店の経営を見直すワークショップができそう。(ファシリテーターしますよ♡)
そだ、今月末から講演スタートするので、私が商工会で講演をするときにこの本、紹介していきます。
「どんぶり勘定だからこそ、あなたの会社はこれから伸びる! ~小規模事業者革命~ 」