地域内最安値を目指すとか自社公式サイトが最安値とか。これ、小規模事業者の場合あまり効果がない。

マーケティング

売り手側として、料金を比較されるって嫌なものです。でも、自分が買い手の立場だったら料金比較はやっていますよね。でも、お客様は意外と最安値で購入していないものです。それぐらい今、料金は複雑化してきているし、お客様は必ずしも金額の高い安いだけをみて判断をしていません。


今日は「料金」「価格」の話

 

おはようございます!普段は民宿の経営者兼看板親父♪
コムサポートオフィス副代表のガク(@kasumi_kadoya)です!

ちなみに宿の場合、2つの料金比較が存在するってご存知ですか?他の業界でもあるかもしれませんので、自社の業界に当てはめてイメージしてみて下さい。

(1)競合他宿との価格比較

最近、Googleで自社を屋号検索したお客様でも強烈な競合比較を自動的にされてしまいます。

自社を検索してもらっているのに、そのナレッジパネル(Google検索した際に出てくるあなたのお店・宿の情報のこと)内で比較ボタンが登場しているのです。


近隣宿との相場比較が出る


実際、具体的な他宿も
紹介される

つまり、自社と競合他社が比較されている、ということです。まあ、価格比較と言えば、こちらを想像するのがどの業界も普通ですよね。

(2)予約方法の違いにおける料金比較

しかし、最近はややこしい価格比較が登場しました。宿の場合、自社の販売プランにも関わらず、お客様の申込先によって価格が変わるのです。


同じ宿を予約するのに最低価格が違う!

電気製品の特定型番を購入しようとしたら、お店によって販売価格が違う。これは良くあることです。でも、それはメーカーにとっての話で、宿の場合、提供するお店が同じなのに、お客様がどこから申し込んだかによって価格が変わる、ということになってしまいます。

しかも、それが一覧で比較されるサービス(メタサーチ)が存在します。Googleの「空き室状況の確認」もその機能を有しているわけです。

「最安値にしなきゃ」って思っていませんか?

この2つの比較をされるとなった場合、多くの方が以下のように考えます。

A.近隣他宿と比較して最安値プランを用意しておかなきゃ

B.自社の直予約を最安値にしておかなきゃ

いかがですか?このように考えていませんか?

この思考、売り手側から見ると当然の思考なのですが、買い手側から見るとほとんど意味のないことです。にも関わらず、売り手側の立場になると「買い手はものすごーく最安値をチェックしている」と思いがちなんですね。

まあ、そういったお客様もいらっしゃるでしょうが、ごく一部です。実際は我々売り手側が思っているほど多くはありません。気にするだけ無駄です。2つのパターンをそれぞれ検証してみます。

A)近隣他宿に対し、 最安値プランを用意しておかないといけないのか?

まず、近隣競合宿に対し、最安値プランを用意しておかなければならないか。これ、この部分に意識が行っている時点で、「お客様は価格で選んでいる」「最安値の宿を探している」という思い込みを持ってしまっています。

でも、冷静になって考えてみて下さい。あなたの地域の宿で最安値がどこかを探しているお客様ってそんなにいるでしょうか?私はゼロとは言いませんが、非常に少ないと思っています。お客様は旅行先、宿を決めるにあたって重要なのは「後悔のない」「満足度の高い」宿を選ぶことです。自分の予算に合った宿の中から選ぶことはあっても、まずはその地域の最安値の宿を検討するなんてことはないことがわかります。

仮に、最安値であることがフックになって選ばれたとします。あなたの宿は「地域一番の最安値ということで選んだお客様」に来てもらいたいですか?想像してみて下さい。

宿;なぜ、当館をお選びになったのですか?

お客様;この地域で一番安かったから。

こんな会話をお客様とした場合、あなたは「よし!最安値にしておいてよかった!」と思いますか?

地域一番の最安値を出すことがいかに無意味で自社の良さではなく安さで選ぶお客様だけを引き寄せてしまうかがわかると思います。

私ならば、そんなお客様の集まる宿はやりたくありませんし、自転車操業になる一番の原因になります。

B)自社予約を最安値にしなければならないか?

自社予約が最もやすく、OTA経由だと高くなる。確かにそれが理想に感じます。でも最近は手数料の中から勝手に値引きするOTAも出てきています。あるいはクーポンなどを使えば、自社予約よりもOTA経由の方が安い、なんて逆転しているケースも出てきてしまっています。更に一番の問題点。

Googleは勿論、トリップアドバイザーやトリバゴ等のメタサーチ、自社サイトの価格は比較の中に出せないのです。


私の宿の場合、OTAは唯一取引している
楽天トラべしかGoogleには掲載されない

自社サイト予約があること。自社サイトからの予約が最安値であることを独自にPRしなければなりません。

例えばアパホテルさんなどはCMをバンバン打って「アパ直」(公式サイトが最安値)というPRをたくさんされています。


「比較なしで最安値」
メタサーチをかなり意識しているフレーズ

CM広告費を出してもOTA経由を自社予約に誘導した方が経費的には良い、という判断なのでしょう。でも、小さな宿がこんな強引な誘導はできませんよね?

そう考えると、「最安値」というフックで自社への予約を促すのも、そんなに効果がないことがわかります。手数料分、例えば10%前後の差額で直予約へ誘導するのであれば、手数料を10%支払ってOTA経由で予約をもらうのと利益は同じです。となるとOTAよりも直予約はせいぜい数%しか安くできず。よほど安いのであれば別ですが、大差ない価格差ならば、ポイントがつく、クーポンが使える等でOTAの方を使うお客様の方が多いわけです。

実は、

自社サイトが最安値という手段は思ったほど効果はない

のです。

地域最安値を掲示するのは意味がない。

自社サイト最安値も意味がない。

では、どうすれば良いか。

やはりOTAに依存するしかないのか。私は自社予約を増やす努力は大切だと思っています。でも、他の宿との比較にせよ、OTA毎の価格比較にせよ、「最安値」にフォーカスしてお客様の予約動線を作る努力をすることに意味がないと考えています。

価格以外で地域内において自社が選ばれる理由

価格以外で自社公式サイトから予約される理由

を作ることです。

料金比較されることに過敏な人ほど、地域最安値を意識したり、自社サイトを最安値に持ってこようとするものです。

「どこよりも安く」に気を取られてしまうことは、自社の強みを最大化させる努力を怠る結果になります。何より、安さを求める一見さんのお客様しか集まらない悪循環を作ってしまいます。

地域内最安値を目指すとか自社公式サイトが最安値にこだわるとか。

これ、小規模事業者には効果ありませんのでやめましょうね。冒頭に言いましたが、お客様は必ずしも金額の高い安いだけをみて判断をしていないのです。

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