日本における若者の人手不足は我々世代以上の「教え方」「叱り方」に原因がある

書評・紹介

最近、バイトテロと言われている炎上が増えていますね。

元々こういった行為はあったのかもしれません。ただ、「動画撮影してSNSにUPする」という今流の行動が加わってしまった。中には仲の良い友達にウケ狙いで動画を送信したら、その友達がSNSにUPしてしまったなんて例もあるようです。

バイトテロを起こした当人の危機管理不足と言えばそれまでですが、雇用者側の立場で思う事があったので、お話したいと思います。

今日は接客や集客のお話ではなく、従業員教育のお話です。

 

おはようございます!普段は民宿の経営者兼看板親父♪
コムサポートオフィス副代表のガク(@kasumi_kadoya)です!

以前読んだ本の中で、とても感銘を受けた本がありました。

この本です↓↓↓

感動体験でお客様の心をギュッとつかむスターバックスの教え

この本、モノではなく体験でもなくそのもう一つ上の段階、「感動を売る」という考え方を理解できる良書です。特に接客業の方にお勧めです。

ただ、私はこの本に書いてある別の内容で注目したい箇所があります。

スターバックスは コーヒーではなく感動体験を売っている

この本で雇用者側として興味を引いた内容。まず、スターバックスはアルバイトであっても研修を80時間受ける。そこで、スターバックスのミッションを徹底的に叩きこまれる。ミッションについては抽象的な言葉だとわかりづらいので以下の言葉で理解して下さい。

「スターバックスはコーヒーではなく感動体験を売っている」

モノではなく体験を売れ

ではありません。

モノではなく感動を売れ

です。


スタバに良く行くのはコーヒーが美味しいから
というよりも居心地が良いから

「感動を売れ」なんて言われると、さぞかし特別なおもてなしをしないといけないんじゃないかって思いがちです。接客業においてお客様が感動する瞬間ってどういう時だと思いますか?

例えば、コンビニでコーヒーを買った時。毎日同じ店員から同じ時間にブラックコーヒーを購入しても「お砂糖とミルクをお付けしますか?」と聞かれますよね?

思わず、

いや、毎日買ってるんだからブラックコーヒーだって覚えてよ!

ってなりませんか?

逆にスターバックスで何日か同じ時間に通えば

今日もブラックでよろしいですよね?

とか、出勤前の時間帯なら

今日もお仕事頑張って下さい

とか、仕事帰りなら

お仕事お疲れ様でした

と言ったひと声が添えられてコーヒーを手渡してもらえます。

覚えてくれている。多くのお客様に同じ接客をするのではなく、1人1人のお客様に「察して」接客をする。これをしてもらえるとお客の立場だと感動すると思いませんか?

「叱る」「注意する」ではなく 「質問」し「本人に考えさせる」

スタバでバイトテロって聞きませんよね?では、ミッションを学ぶ研修によってこれがアルバイトでもできるようになるのでしょうか。本を読み進めていくと、スタッフ教育において「フィードバック」という手法を行っていることがわかります。

これについて詳細は「スターバックス フィードバック」でググってみて下さい。たくさん解説されているサイトがあります。

スターバックスの従業員満足度が高い理由は?スタッフの育成方針を探る。

フィードバックには「行動是正」「行動強化」という2つのフィードバックがあります。

我々の業務に当てはめて簡単に言うと

「行動是正」=叱る

「行動強化」=褒める

と解釈して下さい。

通常の接客業や会社において叱る場合。

スタッフのミスに対して、

「〇〇しちゃダメ」「××したらあかん」

と新人スタッフに注意するのが普通です。

スターバックスでは

「今のお客様、不服そうな顔していたけど、何でだと思う?」

と質問をします。

つまり、スタッフ自身に何が良くなかったかを考えてもらう。

褒める場合も同様です。

「〇〇さん、今のお客様に対する対応、良かったよ」

と普通なら褒めます。これでも褒めないよりは良いのですが、「行動強化」のフィードバックをするならば

「今のお客様、とても喜んでいらしたけど、何でだと思う?」

とこちらも新人スタッフに質問します。つまり、お客様が喜んだ、感動した自分の行動を自分で理解し、今後それが当たり前にできるよう、認識してもらうのです。

自分の会社、お店、宿に置き換えてみよう

さて、スタッフや従業員を叱ったり注意する時、どのような言葉を投げかけていますか?

「〇〇しちゃダメ」「××したらあかん」

ではないですか?


子供への教育も本来、
褒めて伸ばす方が良いですよね

白状します。旅館業に古くから携わっている人ほどそんな指導をしていませんか?正直、私の母親(温泉地の一流旅館で長く中居をしていた女将)もこれです。

怒られたスタッフは同じミスを何度も繰り返します。

人間の脳は自分の行動に対する否定は受け入れない

と言われています。

つまり、

〇〇しちゃダメ

ではなく

次からは□□しましょう

と言われた方が理解する。

更に言えば、失敗体験も成功体験も学びに変え、同じミスをしなくするには、自分でその原因を考えることにあります。

詳しくは先ほど紹介した本感動体験でお客様の心をギュッとつかむスターバックスの教え

【Chapter2】スタバで育てた自律型人材
・正解のない問いから答えを導き出す
・「是正」と「強化」のフィードバック

の部分をぜひお読みください。

日本における若者の人手不足は 我々世代以上の「教え方」「叱り方」に原因がある

といいつつ、年配者の多い旅館業界は「教える」=「叱る」がまだまだ浸透しています。自身がそうやって教えられてきた人が多いからでしょう。今の時代はそうじゃないって認識するところからスタッフ教育は始めないといけないんじゃないか。若者の人手不足は年配者の教え方、叱り方に問題があるのではないか。


もう、「叱って」教える時代じゃない

バイトテロは若い人たちばかりが起こしていますが、「叱る」ではなく「質問」し「考える」習慣が当たり前の世の中にしていけば、マニュアルだけで対応するのではない世の中になれば変わってくるんじゃないかと感じています。

私ができているわけではありませんが、まずはそんな気づきを与えてくれた今回の本、ぜひサービス業にお勤めの方、スタッフ教育でお悩みの方はお読みいただきたいと思います。

 

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