あるマーケティング塾でこんなことを言われた事があります。
うちのマーケティング塾は元キーエンスマンが多い。でも、キーエンスに対する不満を全然喋らず、よいところばかりをこんなに話す人はガクが初めてだわ
って(笑)。
もちろん、大変な会社です。理不尽な激務って言われてますし(笑)。合理主義、というのは反面人間味を薄れさせます。その件に関しては明日お話するとして。マーケティングの視点から考えれば、私が家業を継いだ後に役に立つ考え方やスキルが多かったです。
でも、全てがうまくいったわけではありません。今日は私の失敗談、キーエンスメソッドの負の側面をお話したいと思います。
おはようございます!普段は民宿の経営者兼看板親父♪
コムサポートオフィス副代表のガク(@kasumi_kadoya)です!
キーエンス営業の強み「プロセス重視」と「新規獲得率」
今日もコラムの抜粋から。
コラムはこちら↓↓↓
製品の研究開発力が競争力の源泉との見方も強い。同社の新製品は7割以上が「世界初」か「業界初」。木村氏は「外部の人から営業力が強さだと指摘されるが、研究開発力が何よりの強み」と話す。
私が営業をやっていた当時良く上司から言われていた言葉がありました。
商品が売れた理由は何か?営業マンが頑張ったからなのか?景気が良かったからなのか?たまたま担当のお客様が選んでくれただけ、ブランドで売れただけなのか?
営業マン自身が頑張ったのか?お客さんが頑張ったのか?はたまた景気が頑張ったのか?(笑)。
営業マンの頑張りを見る指標は2つありました。これがキーエンス営業の真の強みだったんだなぁって感じています。
プロセス重視とそれを遂行する徹底度合い
一つはコラム内にも書いてある「プロセス重視」です。
営業においても絶えず合理性が問われるという。A氏によれば、重要となるのが「施策」という営業計画だ。「施策」では売上目標を達成するための細かなストーリー作りが求められる。たとえば製品パンフレットを何冊発注し、誰に対しどのように配布するのかなどを事細かに決めるのだ。
「しっかりと市場の先を読み、正しい戦略・戦術を組み立てられるかが問われる」(A氏)。キーエンスではこの「施策」を入社して間もないころから実践し、営業を学んでいくという。「棚からぼた餅式でたまたま営業成績がよくなっても、計画が甘すぎると評価されない。なぜ結果がよくなったか説明を求められる」(A氏)。結果よりもプロセスをしっかり踏めているかが重視されるという。
月に3回、営業所内の会議があります。月初会議、中間会議、反省会議。月初会議は当月の目標を自分で決めます。受注がほぼ確定の大口案件等を持っていたら、その分は差し引いての目標設定を迫られます。なので、「ああ、今月は大口物件があるから楽に仕事ができる」とはなりません(笑)。常に毎月がギリギリ到達するか否かの目標設定なのですが、楽々到達するようであれば、「目標設定の仕方が甘い」と売上目標を達成し、昨対を伸ばしていてもマイナス評価される場合があります。
また、中間会議や反省会議でも、売上目標を達成していたから評価されるのではありません。先にあげたプロセス目標を達成しているかどうか。プロセス目標を達成していて売上が上がっていない人よりも、売上が達成していてもプロセス目標が全然ダメな人が否定される会議でした。
これは自分が責任者になった時にものすごーく納得する考え方でした。
売上目標に到達した理由、商品が売れた理由は何か?営業マンが頑張ったからなのか?景気が良かったからなのか?
その営業マンの存在がどれだけ会社に貢献しているのかを客観的かつフラットな評価で見る仕組みが徹底されていたんですね。
今思い出すと「徹底度合い」という言葉が飛び交っていたような気がします。決めたことを最後までやりきる力。これが評価対象になる。キーエンスの強さはここです。
お客様の元に何軒訪問したか。何軒電話をかけたか。全て数値化されていました。これを「管理されている」と感じて苦しいと思うか、目標があって夢中になれるかがキーエンス営業に対してその人が合う合わないになっていたように思います。
私は状況を楽しめる性格なので、後者だったのだと思います。そういえば、同期入社の同僚とひと月の目標で「お客様にサンプル機を100件貸し出しします!」なんて無茶な目標を立てて最後に到達した記憶があります。(通常は月30件ぐらい)。量が質を作り上げる、ブログを毎日書く、なんて思考はこの時から私にはあったんですね。キーエンスによって「徹底度合い」が弱いと気持ち悪い感覚になる体質にしてもらえたと思います(笑)。
新商品販売率と新規顧客率
そしてもう一つの指標は「新規率」です。とにかく新商品が売れたのであればそれは営業マンがPRしたからということ。新規取引の会社が増えたのであれば営業マンが新規開拓をやったからということ。
私が入社して最初の新商品近接センサET
懐かしい!!
「新規」をどれだけ伸ばしたかが評価の指標としてありました。こうも言われました。
リピーターのお客様だけをルート営業していたら、年2割ずつ売上は落ちていくものだ。もしくは価格改定を迫られて利益が減っていくもの。なのでその分を補てんするためにも新商品を売ったり、新規顧客を常に増やしていく努力をしなければならない。
営業の本質は新規にある。
実際、私がリーダー、営業所の機種責任者になってからも、売れる営業マンと売れない営業マンの違いは常に
新規開拓をしている営業マン=売れる営業マン
仲の良い馴染みのお客様のところばかりに行っている営業マン=売れない営業マン
のイメージがありました。
この考え方は正しいです。いえ、正しかったと言った方が良いかもしれません。キーエンスでは正しかったのですが、自分の宿に当てはめるとそうではなかったです。
新規を求めることで陥った私の失敗
新規を求めることには2つのデメリットがあります。一つは常に新規顧客を探し続けなければならない。当然ながら既存顧客にリピートしてもらうよりもコストがかかります。キーエンスの場合、現在の売上の半分以上が海外。私のいた頃海外売上は1割もありませんでしたから、圧倒的な技術力で海外に新規顧客を求めていくことが可能だったのでしょう。我々宿業であれば外国人観光客に集客の場を変えて行く感じです。
そしてもう一つは既存顧客をおざなりにしてしまう。キーエンスの場合、優れた商品が多かったがゆえにリピート化してくれる安心感がありました。悪い言い方をすれば「釣った魚には餌をやらない」状態でも行けてしまったのです。時代背景もあります。バブルがはじけてまだ間もない頃。売りっぱなしが今ほど否定される時代ではありませんでした。
どこの同業他社だって新規顧客を求めています。なので、コストをかけて奪い合いをする時代だったんですね。
宿の話に例えます。最近の流れから年賀状を廃止する宿も増えていると思います。私は今になって年賀状(私の宿の場合はクリスマスカード)はとても大切だと思っています。お客様に宿を「思い出してもらう」(=リピートしてもらう)ための圧倒的なツールになっています。
年賀状を1000枚出しても10万円ちょっとです。月2万円×5か月10万円使って効果のない広告を出したり販促ツールを購入している事業者がいかに多いか。それに対して年賀状やクリスマスカード、暑中見舞い等を送った後の反応率の高さは広告費に勝ります。
なのでコムサポートオフィスとしては、既存のお客様にお手紙を送ることを強くお勧めしています。Web集客が一般的な今だからこそ重要と考えています。
私にとってのキーエンスで学んだことが宿業において当初失敗へとつながったのがこの新規顧客獲得にこだわりすぎた点です。
今でこそ既存のお客様にお手紙やニュースレターを出し、「常連さんを死ぬほど大切にする」とか「ライフタイムバリューが大切」と言っている私ですが、
景気の影響ではなく自分の頑張りを最も客観的にみられるのが新規顧客の獲得である
と信じて疑わなかったことが、既存顧客軽視につながりました。特に宿業、サービス業においては既存顧客重視は生命線とも言えるべき重要な考え方です。キーエンスで学んだことをそのまま当てはめたことによって生じた失敗。
あくまでもキーエンスのメソッドに問題があるのではなく、私がその当てはめ方を間違えただけなんですけどね。
今回は、マーケティング的な側面からのお話をさせていただきました。明日はいよいよ、給与の良さの裏返し?!離職率の高さについて切り込んでいきたいと思います。この部分が多くの人が知りたいことですよね、きっと(笑)。
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